4060 rakumoの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

rakumoの事業概要

同社はITビジネスソリューション事業として、rakumo製品の開発・販売サービスの他、情報通信機器やソフトウェアの販売、それらに付随した導入支援サービスを提供している。2010年より展開しているサブスクリプション型のビジネスモデルであるSaaSサービスが拡大しており、売上高の80%を占める。

沿革

同社は、2004年に東京都で株式会社日本技芸として設立。Web関連システム・サービスの受託開発ビジネスを開始。2015年に「rakumo株式会社」に商号変更。2019年には導入実績が70万ライセンスを突破し、2020年9月に東京証券取引所マザーズへ上場。

株主構成

筆頭株主がベンチャーキャピタルである事も含め、株主にベンチャーキャピタルが散見される。尚、ベンチャーキャピタルによる保有分は約44%。また、同社の代表取締役社長CEOである御手洗大祐氏が20.4%、取締役CTOである田辺泰治氏が10.4%を保有。他には、アイ・マーキュリーキャピタル、創世、HENNGEなどの企業が大株主に並んでいる。

取締役会構成

同社の取締役は5名(社内4名、独立役員の社外1名)、監査役3名(独立役員の社外3名)であり、監査役会設置会社である。取締役のバックグランドは通信やITベンダー、金融などで構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの御手洗大祐氏は1972年生まれ。1996年日本電信電話株式会社に入社後、企業間取引システムに関する米ベンチャーとの共同開発に携わる。その後Webサービス企業の創業、米オンラインメディア企業CNET Networks社への同社売却を経て、同社日本法人の代表に就任。2004年には株式会社日本技芸を設立し現在に至る。

報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル

3セグメントからなり、2020年12月期第3四半期決算時点の売上高構成は、SaaSサービスが80%、ITオフショア開発サービスが13%、ソリューションサービスが7%である。ITビジネスソリューション事業として3つのサービスを展開し、クライアントの多種多様なニーズに対応。SaaSサービスが売上の大部分を占め、また、ITオフショア開発サービスは⾧期契約がメインであり、継続的な収益創出力が強み。

競合他社

同社が提供するサービス「rakumo」はGoogle の「G Suite」に連携するサービスでもあるが、G Suiteに連携するサービスは数多く存在する。ただし、rakumoのように業務環境全体をカバーするような形態で提供しているサービスは数少ないと考えられる。

事業モデル

SaaSサービスでは、サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとしてサービス料金を顧客企業の使用期間やユーザー数に応じて定期定額契約として受領するほか、低解約による継続的な収益モデルを実現。結果として継続的な積上りビジネスを確立している。
ITオフショア開発サービスでは、ラボ型開発をメインとして継続的な収益が期待される。ラボ型開発とは、顧客ごとに特定のエンジニアを確保し、専属のチームを組成の上、一定期間継続的に開発業務を行う。 チームメンバーが固定されていることにより、企業独自の開発要件やノウハウ等の蓄積も可能となり、人材確保や人件費面以外においてもコスト削減メリットが期待できる。
ソリューションサービスでは、当社及び他社SaaSサービスの導入支援や業務支援等のソリューションサービスを展開し、新規契約・サービス追加に応じて、継続的な収益が期待される。

強みや弱み

ビジネスモデルがサブスクリプション型であるため、損益分岐点を超えれば安定的な収益拡大が見込める。「rakumo」はSaaS方式でのサービス提供のために導入がしやすく、規模拡大への対応が容易。また直近の継続率が約99%と高く、解約が少ない。
Googleやsalesforce.comという世界的な企業と強固な関係を構築できているのも大きな強みであるが、これら2社との関係の変化によっては、契約内容や取引条件の変更等が起きる可能性がある。

事業の盛衰

同社の売上高の大部分を占めるSaaSサービスについては毎期堅調に売上高を増加させており、今期は昨年と比較して高い成長(昨年21.4%⇒今期28.2%)が期待できる状況である。背景としては以下の点が挙げられる。
・働き方改革に伴うテレワーク等の普及
・国内パブリッククラウドサービス市場の成⾧
・国内ビジネスITツールの拡大余地
クラウド業務支援ツールを提供する同社にとっては好環境である。また、成長戦略のひとつとして、ASEAN地域におけるライセンス事業の拡大を模索しており、日本モデルの海外展開を視野に入れている。

KPI

同社はSaaSサービスの売上高割合が高いため、同サービスの売上高が業績に与える影響が大きい。同社が開示している主要KPIは以下の通り。
・売上高営業利益率
・SaaSサービスの売上高割合
・ユニークユーザー数
・クライアント数
・ARPA(1社あたり販売額(グロスMRR))
・解約率

業績の進捗

2020年12⽉期第3四半期時点での会社予想に対する進捗率はおおむね順調であり、通期予想に関しては上方修正を発表している。経常利益は105百万円(前期比+425%)を予想しており、引き続き良好な見通しである。