2335 キューブシステムの業績について考察してみた

2335 キューブシステムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1972年7月カストマエンジニアーズ株式会社として、ソフトウェア開発や運用管理業務を目的に設立。1984年6月6702富士通と契約締結、システムインテグレーション・サービスを開始。1988年3月には4307野村総合研究所と契約を締結し、システムインテグレーション・サービスおよびシステムアウトソーシング・サービスを開始。1990年10月株式会社キューブシステムへ商号変更。2002年10月東証JASDAQ(店頭)へ上場、2006年11月東証二部に、2014年3月東証一部に変更金融・通信・流通向けに強いシステム開発会社

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役会長の﨑山收氏で保有割合11.43%。キューブシステム従業員持株会が10.63%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が5.99%で続き、以降は保有割合5%未満でカストマシステム株式会社の取締役である小貫明美氏、同社の取締役である内田敏雄氏、三菱UFJ銀行、4307野村総合研究所などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役は4307野村総合研究所の出身者とプロパーの2名である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の﨑山收氏は1950年7月生まれ。1972年7月に同社を設立し、1989年5月に代表取締役社長に就任。2020年6月に代表取締役会長に就任した
代表取締役社長執行役員兼CDOの中西雅洋氏は1958年11月生まれ。京都大学を卒業後、4307野村総合研究所に入社。その後2017年4月に執行役員として同社へ入社し、2020年6月に現職へ就任した

報告セグメント

「システムソリューション・サービス事業」の単一セグメント。だが、「システムインテグレーション・サービス事業」、「システムアウトソーシング・サービス事業」、「プロフェッショナル・サービス事業」の3つのサービスを展開している。2022年3月期の売上高構成比は、システムインテグレーション・サービス事業が11,968百万円で75%、システムアウトソーシング・サービス事業が1,834百万円で11%、プロフェッショナル・サービス事業が2,296百万円で14%だった。

2022年3月期第3四半期決算補足説明資料

事業モデル

同社サービスは業務システムの設計・開発からシステムテストまでを行うシステムインテグレーション・サービスと、システム運用や評価に対応し、顧客システムの運営や機構改革、システムリプレースに対応するシステムアウトソーシング・サービスコンサルティングによる企画立案から構築・運用まで一括受託するプロフェッショナル・サービスに大別され、エンドユーザーへ直接、または得意先を介して提供している。
顧客グループ別の売上高でみると、NRIグループへの売上高構成比が約半分を占め、そのほか富士通グループ、イオングループ、みずほグループと併せて75%に達する(2021年9月時点)。業種別では金融、流通、運輸・通信といった事業者が各2~3割程度を占める他、製造業、官公庁など幅広い業種に展開している。

2022年3月期第2四半期決算説明会

同社が属する情報サービス業界では、業務の効率化や生産性向上を目的とした投資需要に加え、AI、IoT、Fintech、クラウド型ITサービス等の分野が注目されており、市場は拡大傾向となっている。同社も新規サービスとしてそれらの受注拡大と事業展開を試みている。

競合他社

システム開発業界は競合が多く、6702富士通(2021年3月期売上高3,589,702百万円)、9613NTTデータ(同2,318,658百万円)、4739伊藤忠テクノソリューションズ(同479,878百万円)などの大手から中堅、中小まで多くの企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

株式会社北海道キューブシステム、CUBE SYSTEM VIETNAM CO.,LTD.と上海求歩信息系統有限公司の3社が連結子会社に該当する。株式会社北海道キューブシステムは議決権保有割合90.9%の独立系のシステムソリューション・サービス企業で、官公庁・流通・通信向けのシステム開発を営む。海外2社は開発業務を行う100%子会社。

強み・弱み

システムエンジニアが自ら営業を担当する「総員営業主義」により、最適な提案を迅速に行うことができる点や、システム構築後も継続的にシステムの改善を行う「エンハンスサービス」といった独自性のある取り組みをおこなっている点4307野村総合研究所との資本業務提携による強固な営業基盤を保有している点などが強み。しかし、競合の多い業界なため、他業種からの新規参入や想定以上の価格競争の発生などが懸念されることや、景気や顧客業界の動向といった外部環境の影響を受けやすい点は弱み。

KPI

「一人当たり指標」として、従業員一人当たりの売上高や営業利益、従業員数をKPIとして挙げており、従業員一人ひとりのパフォーマンス向上を基本方針としている
①主要顧客のシステム投資の動向と受注状況
②一人当たり売上高2021年3月期第3四半期16,794千円(前年同期比+1,598千円)
③一人当たり営業利益同1,565千円(同+429千円)
④従業員数海外従業員98名も含め815名(同+29名)

業績

売上高・利益ともに安定しており、2017年3月期以降4期連続増収増益。営業利益率は2017年3月期の6.0%から徐々に上昇し、2022年3月期は8.8%。営業CF、投資CFともにプラスで推移しており、フリーCFはプラス。現金及び現金同等物の残高が比較的多く、有利子負債を大きく上回っているため実質的に無借金。自己資本比率は71%。

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