2335 キューブシステムの業績について考察してみた

2335 キューブシステムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1972年7月カストマエンジニアーズ株式会社として、ソフトウェア開発や運用管理業務を目的に東京都にて設立。1990年10月株式会社キューブシステムへ商号変更。1988年3月には、株式会社野村総合研究所とシステム開発受託契約を締結し、現在の主力事業であるシステムインテグレーション・サービスおよびシステムアウトソーシング・サービスを開始。2002年10月東証JASDAQ(店頭)へ上場し、2006年11月東証二部へ上場。2014年3月東証一部へ変更。2008年3月ベトナムのホーチミンと、2009年7月中国の上海に開発業務拠点として連結子会社を設立し、2社とも100%子会社化済。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、代表取締役会長の﨑山収氏が11.6%、キューブシステム従業員持株会が11.1%、カストマシステム株式会社の取締役である小貫明美氏が2.8%、同社の取締役である内田敏雄氏が2.5%。そのほかに、信託銀行の信託口で併せて6.9%程度保有している。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(全員社外、全員常勤)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役は野村総合研究所の出身者とプロパーの2名である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の﨑山収氏は1950年7月生まれ。1972年に同社を設立し、1989年5月に代表取締役社長に就任。2020年6月に同社の代表取締役会長に就任。
代表取締役社長執行役員兼CDOの中西雅洋氏は1958年11月生まれ。京都大学を卒業後、株式会社野村総合研究所に入社。その後2017年4月に執行役員として同社へ入社し、2020年6月に現職へ就任

報告セグメント

「システムソリューション・サービス事業」の単一セグメントだが、「システムインテグレーション・サービス事業」、「システムアウトソーシング・サービス事業」、「プロフェッショナル・サービス事業」の3つのサービスを展開している。 2021年3月期第3四半期の売上高構成比は、システムインテグレーション・サービス事業が7,472百万円で71%を占め、システムアウトソーシング・サービス事業が1,624百万円で15%を占め、プロフェッショナル・サービス事業が1,494百万円で14%を占める

2021年3月期 第3四半期決算補足説明資料

事業モデル

顧客グループ別の売上高でみると、NRIグループへの売上高構成比が約半分を占め、そのほか富士通グループ、イオングループ、みずほグループと併せて75%を占めており、金融、流通、通信といった事業者の他、宅配便事業会社向けの大型案件なども抱えており、製造業、官公庁など幅広い業種に対応していることが伺える
業務システムの設計・開発からシステムテストまでを行うSIer事業に、システム運用や評価に対応し、顧客システムの運営や機構改革、システムリプレース対応といったアウトソーシングの受託、コンサルティングによる企画立案から構築・運用までの一括受託など、幅広い業務を、エンドユーザーへ直接、または得意先を介して提供している

2021年3月期 第2四半期決算説明会 資料

同社が属する情報サービス業界では、業務の効率化や生産性向上を目的とした投資需要に加え、AI、IoT、Fintech、クラウド型ITサービス等の分野が注目されており、市場は拡大傾向となっている。同社も新規サービスとしてそれらの受注拡大と事業展開を試みている。

競合他社

システム開発業界は競合が多く、6702富士通(直近決算期売上高3兆8577億円)、9613NTTデータ(同2兆2668億円)、4739伊藤忠テクノソリューションズ(4870億円)などの大手から中堅、中小まで多くの企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

株式会社北海道キューブシステム、CUBE SYSTEM VIETNAM CO.,LTD.と上海求歩信息系統有限公司の3社が連結子会社に該当する。株式会社北海道キューブシステムは議決権保有割あ血90.9%の独立系のシステムソリューション・サービス企業で、官公庁・流通・通信向けのシステム開発を営む。海外2社は開発業務を行う100%子会社。

強み・弱み

同社では、システムエンジニアが自ら営業を担当する「総員営業主義」により、最適な提案を迅速に行うことができる点や、システム構築後も継続的にシステムの改善を行う「エンハンスサービス」といった独自性のある取り組みや、野村総合研究所との資本業務提携による強固な営業基盤を保有していることが強み。しかし、競合の多い業界なため、他業種からの新規参入や想定以上の価格競争の発生などが懸念されることや、景気や顧客業界の動向といった外部環境の影響を受けやすい点は弱み

KPI

「一人当たり指標」として、従業員一人当たりの売上高や営業利益、従業員数をKPIとして挙げており、従業員一人ひとりのパフォーマンス向上を基本方針としている。
① 主要顧客のシステム投資の動向と受注状況
② 一人当たり売上高 2021年3月期第3四半期15,196千円(前年同期比▲987千円)
③ 一人当たり営業利益 同1,136千円(同+187千円)
④ 従業員数 海外従業員89名も含め786名(同+41名)

業績

売上高・利益ともに安定しており、2016年3月期から2020年3月期までの5年間で売上高は1.2倍、経常利益は多少の増減はあったものの均してみれば微増となった。自己資本比率は6割以上で安定推移。営業CFは安定してプラス、投資CFの拠出は毎期少なく、財務CFは恒常的にマイナスである。現金及び現金同等物の残高が比較的多く、有利子負債を大きく上回っているため実質的に無借金