4427 EduLabの業績について考察してみた

4427 EduLabの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年4月に株式会社旺文社の支援を受け設立された英語学習ポータルサイト「エヴィダス」を運営する株式会社エヴィダスと、2001年に10月に現在の公益財団法人日本英語検定協会の研究開発メンバーにより設立された株式会社教育測定研究所が2002年5月に合併。2015年3月合併後の株式会社教育測定研究所の持ち株会社として、株式会社EduLab設立。2018年12月に東証マザーズ上場、2020年10月東証一部に変更。eラーニングやテストの運営・受託事業を行う

同社HP TOP

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、創業者で代表取締役の髙村淳一氏で保有割合24.07%。同じく同社代表取締役で創業者の松田浩史氏が10.87%、ゴールドマン・サックスが6.18%、株式会社旺文社が5.29%、同社前取締役の林規生氏が5.21%で続き、以降は保有割合5%未満で同社前取締役、現代表取締役、株式会社NTTドコモ、株式会社増進会ホールディングス株式会社旺文社キャピタルが名を連ねる。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は14名(社内12名、社外2名)、監査役は5名 (社内1名、社外4名)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員が中途入社で、外資系証券や国内金融機関、教育関連企業など様々な経歴をもつ。

代表取締役の経歴

代表取締役は3名。代表取締役社長兼CEOの髙村淳一氏は1963年12月生まれ。マサチューセッツ工科大学経営学修士課程修了後、米国ヒューズアジアパシフィックに入社。縄文アソシエイツ株式会社を経て、経営コンサルタントとして独立、2001年1月同社前身の株式会社エヴィダスの設立に携わり、代表取締役に就任する。2015年3月同社設立、以降代表取締役を務める
代表取締役副社長の松田浩史氏は1971年2月生まれ。慶應義塾大学大学院修了後、株式会社旺文社エンタープライズ入社。2001年1月株式会社エヴィダス設立に携わり、取締役に就任。2015年3月同社設立、以降代表取締役を務める
代表取締役服社長兼CFOの関信彦氏は1967年2月生まれ。東京大学卒業後、現在の国土交通省に入省。1996年10月にゴールドマン・サックス証券に入社。同証券投資先の株式会社フジタにて取締役を務めた後、シティグループ証券、株式会社産業革新機構に入社。2015年3月同社設立、以降代表取締役を務める

報告セグメント

テスト等ライセンス事業、教育プラットフォーム事業、テストセンター事業、AI事業、テスト運営・受託事業の5報告セグメント。2021年9月期第2四半期の売上高は4,319百万円、営業利益は105百万円で、セグメント構成比率は下図の通り、調整前の売上高は教育プラットフォームとテストセンター、テスト運営・受託でそれぞれ4分の1ずつを占めテストライセンス、AIと続く。利益面ではテスト等ライセンスと教育プラットフォームが約半分ずつで利益の太宗を占める

2021年9月期第2四半期決算説明資料

事業モデル

テスト等ライセンス事業、教育プラットフォーム事業では語学を中心とした「英検Jr.」、「スタギアプラットフォーム」などに代表される試験サービスや学習サービスを開発、大学等教育機関や民間企業・個人向けに提供している。英検協会向けにテストシステムを提供しており、ライセンス収入を得ている。テストセンター事業は同協会が実施するテスト会場運営を行う。場所の提供のみならず、作問から採点まで行う。2020年9月期の売上高に占める同協会の割合は45.2%に上る。全国学力・学習状況調査の運営にも携わっており、2021年度は小学校事業は単独で、中学校事業は再委託機関として落札が決定した。今後は英検以外にも、様々なCBTテスト事業に拡大していく。AI事業では4商品をラインナップ。文字認識技術を活用した「DEEP READ」は大規模学力調査や金融企業へ導入されているほか、多種多様な業界に提供範囲を拡げている。

競合他社

ネット学習教材を提供する3998すららネット(2020年12月期売上高1,649百万円)、eラーニングシステムを開発する2345クシム(2020年10月期売上高1,859百万円)、オンライン教育が強みのビジネス・ブレークスルー(2021年3月期売上高5,888百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社10社を持つ。持株会社である同社傘下に事業会社の株式会社教育測定研究所、株式会社教育デジタルソリューションズのほか、米国、中国、シンガポール、インドに籍を置く海外現地法人等で構成される。

強み・弱み

独自の能力測定技術や英検協会との長年の取引関係などが強み。英検協会からの多岐にわたる受注案件は、他社代替性が低いものと同社は考えている。一方でテスト運営・受託事業は国内公的機関が発注者となることが多いが、入札プロセスを経ての受注となるため継続的な契約が結べないこと、少子化による業界全体の縮小や教育に関連する法制度の改正などがリスク要因となる。また、英語教育の早期化傾向が強まっており、小学生の受験者数が伸びるなど、英語学習希望者のすそ野が広がっている点は強みとなろう。その一方で、幼児・自動向け英語教育のe-learning及びアプリ提供事業者はグローバルに競争が激化している点はリスク要因である。

アニュアルレポート2020

KPI

①英検を含む検定市場規模(約495億円、2018年版教育産業白書:矢野経済研究所)
②同社の特許取得件数(14件、2020年9月期時点)
③テストセンター事業受託件数

業績

2018年9月期以降、3期連続増収。経常利益は4期連続増益となっている。2020年9月期は全国学力・学習状況調査の中止によりテスト運営・受託事業が減収となる一方、Eラーニングにかかるライセンス収入等がそれを上回る増収となった。フリーCFはマイナスが続く。2020年9月期の自己資本比率は41.3%。有利子負債の増加等により前年度比で低下