3998 すららネットの業績について考察してみた

3998 すららネットの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年12月株式会社C&I Holdings(旧株式会社ベンチャー・リンク)のグループ会社である株式会社キャッチオンにて、「すらら」企画・開発に着手。2008年5月株式会社キャッチオンと株式会社C&I Holdingsが合併し株式会社C&I Holdingsとして「すらら」を継承。2008年8月eラーニングによる教育サービスの提供、運用支援、マーケティングプロモーション及びホームページの運営等を主な事業目的として、C&I Holdingsの孫会社として株式会社すららネットを設立。2010年11月C&I Holdingsから「すらら」を吸収分割契約で承継し、湯野川孝彦氏が全株式を譲受けてMBO実施。2017年12月東証マザーズへ上場。EdTechによる教育サービスの提供とその運用コンサルティングを展開

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の湯野川孝彦氏で17.33%を保有。次いで、取締役の柿内美樹氏6.28%、資本提携先である株式会社マイナビ5.79%、凸版印刷株式会社4.78%と並ぶ。そのほか、国内外の信託銀行や、個人投資家の池原邦彦氏、社員とみられる竹内淳子氏などが並ぶ。

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、社外4名のうち3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役 企画開発グループ長の柿内美樹氏は、株式会社語学春秋社、株式会社水王舎、同社の前身である株式会社キャッチオン、株式会社ベンチャー・リンク(株式会社C&I Holdings)を経て同社に入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の湯野川孝彦氏は1960年10月生まれ。大阪大学を卒業後、株式会社日本エル・シー・エー(現株式会社日本エル・シー・エーホールディングス)に入社。その後、株式会社イデアリンク、株式会社リンク総研、株式会社ベンチャー・リンク、株式会社カーブスジャパン、株式会社キャッチオンを経て、2010年10月より現職へ就任。

報告セグメント

「eラーニングサービス関連事業」の単一セグメント。2021年12月期第1四半期の売上高は501百万円、営業利益は183百万円であった。

事業モデル

eラーニングサービス関連事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校等に対して、EdRech教材「すらら」「すららドリル」「ピタドリ」等のサービスを提供している。また、同社サービスを導入する顧客に対し、すらら等を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、無料勉強会の定期開催等による各種経営支援サービス、他社とのコラボレーションによるコンテンツの提供等を行う。同社の主な収益源は、学習塾1校舎につき課金される月額「サービス利用料」と、導入校がすららシステムに登録した生徒ID1つにつき課金される月額「ID利用料」である。2021年3月末のすらら導入校数は2,243校、すらら利用ID数は334,361IDとなっている。
すららは国・数・理・社・英の5教科について、アニメーションキャラクターを用いて「見る、聞く、書く、読む、話す」などのいろいろな感覚を使う飽きない学習システム。AIが自動でつまずきを診断し克服できるプログラムを搭載したドリルが実装されているため無学年式でどこまででも戻れてどこまででも進める点が特徴である。PCかタブレットがあれば学習できるため、海外帰国子女等にも適しており、教科数や契約期間等に応じて月額7,480~9,980円程度で個人向けにも提供する。

2020年12月期 決算説明会資料

EdTech市場では、新型コロナウィルス感染症対策のため2020年に行われた全国学校の臨時休校をきっかけに、オンライン学習への関心・注目が高まり、拡大が続いている。さらに、政府のGIGAスクール構想により、多くの教育現場にてパソコンやタブレット端末が整備される見込みであり、今後も市場と顧客層の拡大が見込まれている

競合他社

EdTechの特徴から学習塾向けか個人学習向けかには境が無く、オンライン学習教材を扱う複数の企業が競合となりうる。従来の通信教育大手では9783ベネッセホールディングス(直近決算期売上高4,275億円)、Z会などもオンライン対応している。オンラインを前提に台頭してきた企業としては4686ジャストシステムが提供するスマイルゼミも高い知名度を誇り、6098リクルートHDが提供するスタディサプリなども競合する。また、無料でもNHK for School(NHKが提供する学校教育向けの動画サイト)など、コンテンツベースでは競合が更に多く存在する。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

低学力に強い学力向上教材を提供している点が強み。オンライン学習教材は、有料/無料、講義型/ドリル型、学習補助/学力向上、など様々なジャンルが存在する中で、小学校低学年から利用可能な総合型の学習教材は競合が少ない領域であり、無学年を特徴としている点も強みとなろう。EdTech関連事業が主軸なため、EdTech市場のニーズや成長が鈍化した場合の業績への影響が懸念される。

KPI

2021年12月期第1四半期におけるKPIは下記。開示は2021年3月末の数値。なお、3月末は年度末のため、進学に伴う生徒の卒業に応じたIDの終了手続きを反映し12月末比では減少となる。中長期間で見れば下図の通り右肩上がりに増加。
すらら・すららドリル 導入校数2,243校(2020年12月末比▲24校)
すらら・すららドリル ID数334,361ID(同▲39,442ID)
③公立学校の導入校数 806校(同▲55校)
④公立学校のID数 251,967ID(同▲37,609ID)

2020年12月期 決算説明会資料

業績

2016年12月期から2020年12月期までの5期をみると、売上高は585百万円から1,649百万円、経常利益は82百万円から548百万円と増収増益。教育現場へのEdTech導入が広がったことなどが要因とみられる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年12月期第1四半期における自己資本比率は84.6%。