3671 ソフトマックスの業績について考察してみた

3671 ソフトマックスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

電算機や事務機器などの販売を目的とし、1974年1月ビクター計算機九州販売株式会社として鹿児島県で設立。1976年8月株式会社ビクターターミナルシステムズ、1978年6月株式会社鹿児島ビジネスコンピュータと商号変更1978年8月医事会計システムの開発・販売を開始する。1980年代から1990年代に複数の子会社を設立し、医療機関向けのシステム開発で成長。2001年1月株式会社鹿児島ビジネスコンピュータが複数の子会社を吸収合併した上で、ソフトマックス株式会社へ商号変更。2011年4月同社主力のWeb型電子カルテシステムの開発・販売を開始し、2013年3月東証マザーズに上場

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、代表取締役会長兼社長野村敏郎氏の資産管理会社である株式会社リンクスが25.1%、同氏個人での保有が21.0%となっており、以下鹿児島銀行や鹿児島県の法人や個人などが並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内8名、社外2名)、監査役は3名(常勤1名、社外2名)、監査役会設置会社である。常務取締役の野村竜彦氏は、代表取締役会長兼社長である野村敏郎氏の次男である。社内取締役は日本IBMからの転職者が2名、その他の転職者が竜彦氏を含めて3名と、プロパー出身者で構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の野村敏郎氏は1947年2月生まれ。1974年1月にビクター計算機九州販売株式会社を設立。1979年5月には株式会社宮崎ビジネスコンピュータ、1982年6には株式会社西日本ビジネスコンピュータ、1985年6月には株式会社スペック、1985年9月には株式会社日本メディカルシステムを設立し、代表取締役に就任。2001年1月には自身が代表を務める複数の会社を合併・商号変更してソフトマックス株式会社とし、代表取締役会長となる。2020年3月より現職である同社代表取締役会長兼社長に就任した。
代表取締役副社長事業本部担当の松島努氏は1959年6月生まれ。1983年4月、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。2000年代に複数の会社で代表取締役を歴任した後、2014年6月に同社入社、執行役員東京支店長となる。2015年3月に取締役就任。2017年1月の常務取締役営業統括担当兼東京支店長、2018年1月の取締役副社長営業統括担当兼東京支店長就任を経て、2020年1月に代表取締役副社長営業本部担当となる。2021年1月より現職である代表取締役副社長事業本部担当に就任した。

報告セグメント

同社は「システム事業」の単一セグメントであるが、販売区分としては「システムソフトウェア」「ハードウェア」「保守サービス等」の3つに大別される。2020年12月期の販売実績はシステムソフトウェア1,980百万円、ハードウェア845百万円、保守サービス等1,197百万円となった。

事業モデル

同社は400床未満の医療機関向けの電子カルテやオーダリング(採決や検査等のオーダーとみられる)、医事会計などの各種システムを開発・販売している。ソフトウェア分野では、同社の看板であるWeb型電子カルテシステム「PlusUs-カルテ」を中心に、オーダリングシステムの「PlusUs-オーダ」、医事会計システムの「PlusUs-医事」を含む総合医療情報システム「PlusUs」ブランドを展開する。加えて、これらのシステムの導入に伴うハードウェアの販売や、導入後の保守サービスなども手掛ける。
また最近では、医療機関内にサーバを設置するオンプレミスや、データセンターを利用したクラウド型医療情報基幹システムなど、セキュリティや災害への対応を意識した新たな取り組みも進めている。

2020年12月期本決算説明会資料

競合他社

医療機関向け電子カルテを手掛ける上場企業としては4320 CEホールディングス(2020年9月期売上高10,603百万円)が挙げられる。4820EMシステムズ(20年12月期同9,660百万円)も対象となる医療機関の病床数では同社に近いと見られる。大学病院を主な対象とする3649ファインデックスも電子カルテを手掛けており、将来的に競合しうる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

Web型電子カルテシステムを早くから手掛けるなど、医療機関向けのシステム開発に強く、特に主力の「PlusUs」は487件もの導入実績を持つ(2021年3月末時点)。また、400床未満のターゲット医療機関で、電子カルテ未導入の市場はまだ4800施設存在することから一定の成長余地が残っている。一方で、同社の顧客である医療機関は各種法規制や医療制度改革などの影響を受けるため、市場の動向が変化しやすい点がリスクとなり得る。

2020年12月期本決算説明会資料

KPI

2020年12月期の主要KPIは以下のとおり。
①売上高4,023百万円(前年同期比▲7.1%)
②経常利益488百万円(前年同期比+13.8%)
③受注実績3,117百万円(前年同期比▲129百万円)
④受注残高1,634百万円(前年同期比+291百万円)

2020年12月期本決算説明会資料

業績

2016年12月期から2020年12月期まで過去5期分の経営状況をみると、売上高は変動があるものの、直近2期は4,000百万円を越えており堅調に推移。クラウド型医療情報システムの稼働が相次いだ2016年12月期はシステム連携や機能強化で粗利が大きく低下したため、営業損失108百万円を計上したが、以後は徐々に利益率も改善し、2020年12月期は488百万円で過去最高益を更新している。営業CFは4期連続のプラス、投資CFは4期連続のマイナス財務CFはマイナス傾向であるが、2019年12月期は借入増加によりプラスとなった。2020年12月期の自己資本比率は39.7%であった。