3911 Aimingの業績について考察してみた

3911 Aimingの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 5,158 576 11.17%
FY2023.Q2 2023.06 3,869 -157 -4.06%
FY2023.Q3 2023.09 4,795 -670 -13.97%
FY2023.Q4 2023.12 4,377 -1,058 -24.17%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 2,058 -134 -6.51%
FY2017.Q2 2017.06 1,560 -793 -50.83%
FY2017.Q3 2017.09 1,369 -999 -72.97%
FY2017.Q4 2017.12 1,842 -1,023 -55.54%
FY2018.Q1 2018.03 1,969 -678 -34.43%
FY2018.Q2 2018.06 1,821 -436 -23.94%
FY2018.Q3 2018.09 1,729 -6 -0.35%
FY2018.Q4 2018.12 1,795 -366 -20.39%
FY2019.Q1 2019.03 1,598 59 3.69%
FY2019.Q2 2019.06 1,363 -434 -31.84%
FY2019.Q3 2019.09 1,289 -291 -22.58%
FY2019.Q4 2019.12 1,394 -205 -14.71%
FY2020.Q1 2020.03 1,116 -146 -13.08%
FY2020.Q2 2020.06 1,318 -35 -2.66%
FY2020.Q3 2020.09 5,759 1,437 24.95%
FY2020.Q4 2020.12 3,710 417 11.24%
FY2021.Q1 2021.03 3,537 566 16%
FY2021.Q2 2021.06 2,540 389 15.31%
FY2021.Q3 2021.09 3,113 301 9.67%
FY2021.Q4 2021.12 2,864 234 8.17%
FY2022.Q1 2022.03 3,342 336 10.05%
FY2022.Q2 2022.06 3,040 157 5.16%
FY2022.Q3 2022.09 3,343 -77 -2.3%
FY2022.Q4 2022.12 3,943 -16 -0.41%
FY2023.Q1 2023.03 5,158 576 11.17%
FY2023.Q2 2023.06 3,869 -157 -4.06%
FY2023.Q3 2023.09 4,795 -670 -13.97%
FY2023.Q4 2023.12 4,377 -1,058 -24.17%

沿革

2011年5月東京都にてオンラインゲーム開発および運営を目的とした株式会社Aiming設立。2012年2月台湾に支店を設立、同年4月フィリピンに連結子会社を設立する(現在は非連結)など初期から海外でのデザイナー獲得や英語市場開拓に積極展開。2013年12月株式会社マーベラスとの協業により現在の主要ゲームタイトルのひとつ、「剣と魔法のログレス いにしえの女神」をリリース。2014年11月中国のTencentグループの子会社と業務提携契約を締結。2015年3月に東証マザーズ上場。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。MMO(大規模同時接続型ゲーム)ジャンルを得意とするスマホ向けオンラインゲームの配信・制作を行う企業

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末時点の筆頭株主は、代表取締役の椎葉忠志氏で保有割合7.45%。みずほ信託銀行の有価証券管理信託が2つ大株主として名を連ねるが、両者ともに椎葉氏の委託する信託財産で、椎葉氏の実質保有割合は合わせて18.50%となる。中国Tencentグループ関連のベンチャーキャピタルであるIMAGE TECHNOLOGY INVESTMENT LIMITEDが7.30%、SBI証券が6.10%で続き、以降は保有割合5%未満で国内外証券会社、ベンチャーキャピタルなどが並ぶ。外国人保有割合は10%以上20%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。取締役は全員ゲーム業界出身。なお、主要株主IMAGE TECHNOLOGY INVESTMENT LIMITEDの親元であるテンセントの日本支社(Tencent Japan)の支社長で、アジアにおけるゲーム業界の重鎮である、シン・ジュノ氏が社外取締役に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の椎葉忠志氏は1973年12月生まれ。立教大学卒業後、1997年4月テクモ株式会社(現3635コーエーテクモホールディングス)に入社。日本システム株式会社を経て、2003年4月3812ゲームオンへ入社。取締役として東証マザーズへのIPOに携わった後に退任。ONE-UP株式会社を経て、2011年5月同社設立、代表取締役に就任した。キャリアを通し、一貫してオンラインゲームに携わっている

報告セグメント

「オンラインゲーム事業」の単一セグメント。同事業はオンラインゲーム配信サービスとオンラインゲーム制作/運営受託サービスに大別され、2022年12月期第3四半期累計期間の販売割合は各84.6%、15.4%だった。利益内訳の開示は無い。

事業モデル

オンラインゲーム配信サービスは、主にスマートフォン向けで、基本無料をコンセプトとしたゲームを配信している。一部のアイテム獲得や優良機能を利用する際にユーザーは課金が必要となり、この有料課金分が同社の収入となる。一部同社が保有するゲームライセンスを他の配信事業者に提供し、利用料収入を得ている。主要ゲームタイトルは「剣と魔法のログレス いにしえの女神」、「CARAVAN STORIES」、「ドラゴンクエストタクト」など。主にGoogle社のGoogle Play、Apple社のApp Storeなどのプラットフォーム事業者を通じての配信となる。2021年12月期の売上高のうちApple社50.9%、Google社22.9%を占めた

決算説明および事業計画並びに成長可能性に関する資料2022年10月

オンラインゲーム制作/運営受託サービスでは、他の配信事業者よりオンラインゲームにかかる企画・開発・運営を受託している。受託料に加え、当該ゲームの売上が一定額を超過した際には、成功報酬を得られる仕組みになっているものもある。2022年10月時点の受託件数は6タイトルだった。
国内スマートフォンゲーム市場は緩やかな拡大が続くと予想される。一方で、知名度の高いIPを題材としたゲームや品質の高い海外のゲームが国内でサービスを開始するケースも多く、競争激化が続き、またユーザーが求めるゲーム品質の水準が高まっていることから開発期間の長期化と開発費用の高騰がみられる。同社は、中国最大手のTencentグループのゲーム開発・配信会社と相互開発タイトルをローカライズしてリリースできる業務提携契約を結んでおり、海外タイトルの調達や海外への配信にも取り組む

競合他社

オンラインゲームは競合が多く、「パズドラ」の3765ガンホー・オンライン・エンターテイメント(2021年12月期売上高104,626百万円)、「白猫プロジェクト」の3668コロプラ(2022年9月期売上高32,541百万円)、「誰ガ為のアルケミスト」の3903gumi(2022年4月期売上高18,942百万円)のほか、2432DeNA(2022年3月期売上高130,868百万円)、3632グリー(2022年6月期売上高74,906百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結対象となる親会社・子会社を持たない

強み・弱み

MMOジャンルに特化し長く遊べるコンテンツを提供、結果として高顧客単価と強固な顧客基盤を形成していることが強み。高度な技術を有し、リアルタイム通信技術などのノウハウも蓄積されている。一方で、特定ゲームタイトルへの収益依存、apple、Google等プラットフォーム運営事業者の動向(利用料等の料率変更など)などがリスク要因となる。

決算説明および事業計画並びに成長可能性に関する資料2022年10月

KPI

①アクティブユーザー数、課金率、ARPPU(顧客単価)・・・これらを掛けたものが課金売上となる。
②主要タイトルアプリセールスランキング
③パイプライン…2022年10月現在下図の通り

決算説明および事業計画並びに成長可能性に関する資料2022年10月

業績

売上高はゲームタイトルの発売時期に左右され、毎期変動が大きい。2021年12月期までの直近5カ年は、5,000百万円台~12,000百万円台で変動した。営業利益も同様に変動大きい。2020年12月期は主要タイトル「ドラゴンクエストタクト」のサービス開始、台湾スタジオの従業員数削減、大阪スタジオの譲渡等により増収増益、5期ぶりに営業黒字となった。フリーCFもマイナスが続いていたがプラス転換。自己資本比率は2018年12月期に31.7%まで低下していたが、2021年12月期は86.5%だった。有利子負債の削減に努めている。尚、2021年3月31日付で減資を実施、繰越利益剰余金に振り替えることで累積損失を解消した。

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