3903 gumiの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年6月東京都にアットムービー・パイレーツ株式会社として設立され、2008年7月に株式会社gumiに商号変更。2014年12月東証一部へ上場。同社は映像プロデュースの株式会社アットムービーの取締役、國光宏尚が独立 して設立したもので、これまでに「ファントム オブ キル」などのHITタイトルをもつモバイルオンラインゲーム企業で、それらの企画・開発・運営を行う。最近ではXR領域の投資・開発のほか、ブロックチェーン関連の事業も営んでいる。

株主構成

有価証券報告書によると2020年10月末時点の大株主は、取締役会長の國光宏尚氏 10.9%、同氏の資産管理会社とみられるNEXT BIG THING株式会社 4.6%と併せて15.5%、THE BANK OF NEW YORK MELLON が7.1%など国内外の信託銀行の信託口で併せて12.8%保有している。外国人保有比率は5%以上15%未満である。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、社外4名が監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役会長と代表取締役社長以外の社内取締役1名は新生銀行の出身で2012年7月からの同社出向を経て2014年2月に同社へ入社しすぐに執行役員となり、2016年から取締役に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の川本寛之氏は1979年3月生まれ。2002年に日本政策投資銀行(DBJ)へ入行後、一貫して金融畑を歩み、2011年8月にgumiに執行役員経営企画部長として入社している。2018年7月代表取締役社長に就任した。
なお、取締役会長の國光宏尚氏は、1974年1月28日生まれであり、2004年に株式会社アットムービー入社、2007年に同社を設立し代表取締役社長となった。2018年7月には取締役会長となり代表権を持たない。

報告セグメント

「モバイルオンラインゲーム事業」、「XR事業」、「ブロックチェーン事業」の3報告セグメントに大別され、2021年4月期第2四半期の売上高9,833百万円はモバイルオンラインゲーム事業で約99%を構成しており、「XR事業」はまだ収入がなく、「ブロックチェーン事業」は0.5%程度。なお、2021年4月期第2四半期海外売上高比率は30.9%となっている。

事業モデル

モバイルオンラインゲーム事業はGoogle PlayやApp storeでゲームアプリを提供。ゲーム中でユーザーが課金することにより収益が上がるビジネスモデルである。国内・海外とグローバルに配信しており、「誰ガ為のアルケミスト」や株式会社スクウェア・エニックスと共同開発した「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」などが直近のヒット作
XR事業はVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった、ビジネスそのものが黎明期の分野で関連する事業に対しファンド出資し、投資先のXR関連企業でXRコンテンツの共同開発を行う。収益はまだ計上されていない。
ブロックチェーン事業はXR事業同様にファンド出資を通じて収益を上げている。オンラインで複数のデータをつなげ取引ごとに暗号を設定することによりデータの改ざんや盗取を防ぐ技術であり、モバイルオンラインゲーム事業との親和性が高いことから、戦略的提携先や出資先と協業によるコンテンツ開発で将来の収益基盤の構築を目指している。

競合他社

モバイルゲーム領域に注力する競合他社としては3668コロプラ(時価総額1,173億円)3765ガンホー・オンライン・エンターテイメント(同 2,484億円)、株式会社Cygames(4175サイバーエージェントの子会社)、2432ディ・エヌ・エー(同 2,649億円)、3632Gree(同 1,429億円)等のオンラインゲームやメディアのプラットフォームを提供している企業が挙げられる。尚、同社の時価総額は279億円。

連結の範囲

同社は連結子会社20社および非連結子会社1社、および持分法適用会社6社を有する

強み・弱み

同社は、モバイルオンラインゲーム事業における厚い顧客基盤とこれまでのHITタイトルを複数有し、新たなタイトル開発時に資金余力や社内外の人材を確保するチカラを有している点が強みである。ゲーム開発は、社内外からの様々な専門職の協同により成る。HITタイトルのグローバル展開で競争が激化する中、中国等の台頭する海外企業勢に負けずに人材を確保するには、若手の育成や労務環境の整備等の一層の充実が必要とみられる。

KPI

モバイルオンラインゲーム事業においてはコンテンツのパイプラインが重要KPIとなる。2020年4月期第2四半期の実績は下記の通り好調である
① パイプライン オリジナル4 本
② 他社IP・受託 4本
③ 研究開発費 20億円(前期比+1%)
④ 広告宣伝費 3.5億円(前期比+15%)

業績

開発中のタイトルの当たり外れや、配信開始に伴う広告費の発生により売上高や利益は増減が激しい。売上高は2015年4月期に水準が上抜けて275億円をつけ、それ以来200億円台を維持してきたが2020年4月に198億円とその水準を下回ったが経常利益は過去最高の21億円であった。尚、直近5年を見ても2016年4月期は22億円の赤字、2019年4月期は16億円の赤字と業績の変動は激しい。2021年4月期第2四半期の実績では売上高9,833百万円(前年同期比+10.6%)、営業利益は1,319百万円(前年同期比+322.7%)。自己資本比率63.6%、現預金は10,083百万円で現預金比率は42%、とゲーム業界特有の現金の多さとなっている。