3903 gumiの業績について考察してみた

3903 gumiの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年6月東京都にてアットムービー・パイレーツ株式会社として設立。2008年7月株式会社gumiに商号変更。2009年8月2121ミクシィが運営する「mixi」へ、2010年4月には2432ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」へ、2010年6月には3632グリーが運営する「GREE」へモバイルオンラインゲームの提供を開始。2014年12月東証一部へ上場モバイルオンラインゲーム企業だが、最近ではXR領域の投資・開発のほか、ブロックチェーン関連の事業も営んでいる

同社HP TOP

株主構成

有価証券報告書によると2021年10月末時点の筆頭株主は、THE BANK OF NEW YORK MELLONで保有割合7.77%。日本マスタートラスト信託銀行の信託口が7.53%で続き、以降は保有割合5%未満で同社創業者の國光宏尚氏(2021年7月に退任)や同氏の資産管理会社とみられるNEXTBIGTHING株式会社(併せて8.52%)、国内外の信託銀行の信託口、同社代表取締役の川本寛之氏、取締役の本吉氏などが並ぶ。尚、5%ルール報告書によると、ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーの持ち分が5%を超えているとみられる。外国人保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、うち監査等委員が4名(全員社外)。監査等委員会設置会社である。取締役の本吉氏は新生銀行出身。2012年7月からの同社出向を経て2014年2月に同社へ入社、執行役員を経て2016年から取締役に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の川本寛之氏は1979年3月生まれ。2002年4月に日本政策投資銀行(DBJ)へ入行後、一貫して金融畑を歩み、2011年8月にgumiに執行役員経営企画部長として入社している。2016年3月に代表取締役副社長就任を経て、2018年7月より現職を務める

報告セグメント

「モバイルオンラインゲーム事業」、「XR事業」、「ブロックチェーン事業」の3報告セグメントに大別される。2022年4月期第3四半期累計期間の売上高14,128百万円のうち、モバイルオンラインゲーム事業で約99%を構成しており、「XR事業」はまだ収入がなく、「ブロックチェーン事業」は1%程度。なお、同期間の海外売上高比率は21.3%となっている。

事業モデル

モバイルオンラインゲーム事業はGoogle PlayやApp storeでゲームアプリを提供。ゲーム中でユーザーが課金することにより収益が上がるビジネスモデルである。国内・海外とグローバルに配信しており、「誰ガ為のアルケミスト」や株式会社スクウェア・エニックスと共同開発した「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」などが直近のヒット作
XR事業はVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった、ビジネスそのものが黎明期の分野で関連する事業に対しファンド出資し、投資先のXR関連企業でXRコンテンツの共同開発を行う。収益はまだ計上されていない。
ブロックチェーン事業はXR事業同様にファンド出資を通じて収益を上げている。オンラインで複数のデータをつなげ取引ごとに暗号を設定することによりデータの改ざんや盗取を防ぐ技術であり、モバイルオンラインゲーム事業との親和性が高いことから、戦略的提携先や出資先と協業によるコンテンツ開発で将来の収益基盤の構築を目指している。
モバイルオンラインゲーム業界は国内、海外ともに成熟期を迎える中、同社は今後の市場拡大が見込まれる新規事業領域への参入を志向し、XR領域、ブロックチェーン領域への進出を進めている

2022年4月期第3四半期決算説明資料

競合他社

モバイルゲーム領域に注力する競合他社としては3668コロプラ(2021年9月期売上高37,125百万円)や、3765ガンホー・オンライン・エンターテイメント(2021年12月期売上高104,626百万円)、株式会社Cygames(4175サイバーエージェントの子会社)などが挙げられる。

連結の範囲

同社は連結子会社19社を有し、モバイルオンラインゲーム事業を担う国内の株式会社エイリム、在シンガポールのgumi Asia Pte. Ltd.、在台湾の台灣谷米數位科技有限公司、XR事業を担う株式会社gumi X Studio、在米のgumi America, Inc、ブロックチェーン事業を担う株式会社gumi Cryptos等で構成される。

強み・弱み

モバイルオンラインゲーム事業における厚い顧客基盤とこれまでのHITタイトルを複数有し、新たなタイトル開発時に資金余力や社内外の人材を確保するチカラを有している点が強みである。ゲーム開発は、社内外からの様々な専門職の協同により成る。HITタイトルのグローバル展開で競争が激化する中、中国等の台頭する海外企業勢に負けずに人材を確保するには、若手の育成や労務環境の整備等の一層の充実が必要とみられる。

KPI

モバイルオンラインゲーム事業においてはコンテンツのパイプラインが重要KPIとなる。2021年4月期第3四半期の実績は下記の通り。また、XR事業やブロックチェーン事業の収益化への動向も同社業績を大きく変動させるものと考えられる。
①パイプライン オリジナル:3本
②他社IP・受託:3本
③研究開発費:22.9億円(前期比▲5.5%)
④広告宣伝費:7.6億円(前期比+92.6%)

業績

開発中のタイトルの当たり外れや、配信開始に伴う広告費の発生により売上高や利益は増減が激しい。売上高は2018年4月期をピークに3期連続減収となり、2021年4月期は18,628百万円となっている。営業利益は2018年4月期に赤字を計上、その後2期の営業利益率は11.2%、8.1%で推移している。営業CFは安定せず、投資CFは恒常的にマイナスで、フリーCFはマイナスが続いていたが、2021年4月期は売上債権の減少と減価償却費の増加を主因とした営業CFの大幅プラスによりフリーCFもプラスとなった。2021年4月期末の自己資本比率は64.7%。有利子負債が増加したこと等から前期の71.0%から低下した。

関連ありそうな記事