4326 インテージの業績について考察してみた

4326 インテージの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q3 2023.03 17,929 2,070 11.55%
FY2023.Q4 2023.06 13,498 -261 -1.93%
FY2024.Q1 2023.09 14,306 198 1.38%
FY2024.Q2 2023.12 16,433 1,332 8.11%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2016.12 11,557 1,436 12.43%
FY2017.Q4 2017.03 14,982 1,459 9.74%
FY2018.Q1 2017.06 10,436 370 3.55%
FY2018.Q2 2017.09 12,505 900 7.2%
FY2018.Q3 2017.12 12,099 1,132 9.36%
FY2018.Q4 2018.03 15,459 1,621 10.49%
FY2019.Q1 2018.06 10,476 181 1.73%
FY2019.Q2 2018.09 12,606 1,030 8.17%
FY2019.Q3 2018.12 13,879 1,080 7.78%
FY2019.Q4 2019.03 17,025 1,977 11.61%
FY2020.Q1 2019.06 11,329 121 1.07%
FY2020.Q2 2019.09 13,819 1,069 7.74%
FY2020.Q3 2019.12 13,769 1,177 8.55%
FY2020.Q4 2020.06 27,963 1,412 5.05%
FY2021.Q1 2020.09 12,714 266 2.09%
FY2021.Q2 2020.12 14,616 1,619 11.08%
FY2021.Q3 2021.03 17,792 2,559 14.38%
FY2021.Q4 2021.06 12,436 -23 -0.18%
FY2022.Q1 2021.09 13,804 882 6.39%
FY2022.Q2 2021.12 15,327 1,752 11.43%
FY2022.Q3 2022.03 17,889 2,418 13.52%
FY2022.Q4 2022.06 13,212 -403 -3.05%
FY2023.Q1 2022.09 14,119 573 4.06%
FY2023.Q2 2022.12 15,841 1,403 8.86%
FY2023.Q3 2023.03 17,929 2,070 11.55%
FY2023.Q4 2023.06 13,498 -261 -1.93%
FY2024.Q1 2023.09 14,306 198 1.38%
FY2024.Q2 2023.12 16,433 1,332 8.11%

沿革

1960年3月、東京都にて前身の株式会社社会調査研究所設立。1986年4月に株式会社ミックビジネスサービス(現株式会社インテージ・アソシエイツ)を設立したのを皮切りに、株式取得による子会社化を含め、連結子会社を続々と設立。海外も2008年7月にINTAGE(Thailand)Co., Ltd.をタイ王国に設立したのを始めに現在11か国へ展開している。2001年4月に株式会社インテージに商号変更。2013年10月に持株会社制に移行し、商号を株式会社インテージホールディングスへ変更。株式は2001年11月にジャスダック市場に上場。2008年1月に東証二部、2009年3月に東証一部へ変更。現在は東証プライム。パネル調査を主力とするマーケティングリサーチならびにデータの加工、分析やコンサルを行うデータビジネスを展開している

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の筆頭株主は、BBHフィデリティ・ロープライスドストックファンド(米国小型株中心に日本株にも投資するファンド)で保有割合7.07%。4523エーザイ(退職給付信託に係る株式)6.56%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.00%、NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC(英投資顧問会社)が5.39%、インテージグループ従業員持株会が5.31%で続き、以降は保有割合5%未満で地方銀行、海外ファンド、国内生保などが並ぶ。尚、大量保有報告書によると、米国のフィデリティ傘下、FMRの保有割合が5%を超えると報告されている。またNIPPON ACTIVE VALUE FUND PLCの保有割合が10.08%と報告がされている。2022年2月9日には同社に買収提案していたとの報道がなされた(同社は提案を受けたものの、検討はしていないとしている)。 外国人保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役11名(社内7名、社外4名)、うち4名(社内1名、社外3名)は監査等委員、監査等委員会設置会社である。監査等委員以外の取締役は、2名が中途入社で銀行、食品メーカー出身者。残りはプロパー出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の石塚純晃氏は1959年1月生まれ。明治大学卒業後、1982年4月同社に入社。2006年6月営業本部副本部長として取締役就任、2013年10月に連結子会社の株式会社インテージ代表取締役社長など要職を歴任後、2017年6月代表取締役常務に就任、2019年4月より現職を務める

報告セグメント

「マーケティング支援(消費財・サービス)」、「マーケティング支援(ヘルスケア)」、「ビジネスインテリジェンス」の3報告セグメントに大別され、2022年6月期第3四半期売上高47,020百万円の構成比はマーケティング支援(消費財・サービス)64.4%、マーケティング支援(ヘルスケア)24.2%、ビジネスインテリジェンス11.5%である。営業利益5,052百万円はパネル調査、カスタムリサーチ事業が堅調推移したマーケティング支援(消費財・サービス)が53.9%、マーケティング支援(ヘルスケア)が39.9%、ビジネスインテリジェンスが6.2%。

事業モデル

マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、子会社の株式会社インテージを中心に、顧客企業からの依頼を受け、マーケティング活動をサポートする調査・分析を行う。独自に収集した各種パネル調査(一定数のモニターを確保し、モニターから定期的に情報収集し顧客企業にデータ還元する調査)が主力。2021年にパネル調査の進化版で全国約6,000店舗の小売店販売データを活用できるマーケティングプラットフォーム『SRI+』をリリース、活用提案を積極展開している。
マーケティング支援(ヘルスケア)は、株式会社インテージヘルスケアを中心に、製薬企業向けに一般用委託品の市場調査、パネル調査を行うほか、CRO(臨床試験の一連業務のサポート)及び処方情報分析を行う。
ビジネスインテリジェンスは、株式会社インテージテクノスフィアを中心に、データ解析関連のシステム構築・運用を行うシステムインテグレーション、AIを利用した企業向けコンサルティングやモデル開発等を事業としており、顧客は医薬・製造業・旅行・サービス業等多岐に渡る。

同社HP TOP>企業情報>グループの事業

マーケティングリサーチ市場はグローバルで812億米ドル、日本では2,202億円に達する規模とみられる(ESOMAR Global Market Research 2021による)。コロナ禍のマイナス影響を受けたものの、オンライン化が一層進む中、中長期的に拡大するトレンドに回帰しているとみられる。

競合他社

同社は市場調査分野の国内首位。競合はネット調査に強い3978マクロミル(2021年6月期売上高43,175百万円)、3675クロス・マーケティンググループ(同10,758百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

2021年6月末現在、連結の対象となる子会社を32社持つ。主な子会社はパネル調査等を行う株式会社インテージ(売上高30,105百万円)、医薬品調査等を行う株式会社インテージヘルスケア(同11,414百万円)、ソフトウェアの開発、販売等を行う株式会社インテージテクノスフィア(売上高10,136百万円)で、3社で2021年6月期連結売上高の約90%を占める。

強み・弱み

業界首位級として、長年蓄積した調査データは他社の追随を許さない同社の強み。また顧客企業は多岐に渡るため、特定業界のリスクを負わない。一方で、景気後退局面に入るなど、全般的に企業のマーケティング活動が縮小した場合、また顧客による市場調査の内製化が進んだ場合は、同社業績に大きな影響を与える。また、コロナ禍でオフライン調査(グループインタビュー等対面で行うもの)の実施が難しくなってきており、ニーズが拡大するオンライン調査への更なる展開が求められる。(2020年3月にアジア全域のオンライン調査データを保有する株式会社データスプリングを子会社化)

KPI

高付加価値サービスへの転換状況を図る指標として2021年1月より提供を開始した新サービスSRI+の普及状況などが参考となる。
①SRI+の導入企業数
②パネル調査の顧客数(約400社、2021年6月期)
③調査協力者、データ提供者数(マイティモニター:396万人、2022年1月現在)

業績

2021年6月期は前期が決算期変更に伴う15か月間の数値だったため前期比減収となるが、長期的には増収基調が続いている。営業利益はサービスの領域拡大や価値向上のための投資を行っているため、毎期変動がある。営業利益率は概ね8%台での推移。フリーCFは2017年3月期以降プラス。自己資本比率はここ数年高まっており60%を超えて推移

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