4326 インテージの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1960年3月、東京都にて前身の株式会社社会調査研究所設立。1986年4月に株式会社ミックビジネスサービス(現株式会社インテージ・アソシエイツ)を設立したのを皮切りに、株式取得による子会社化を含め、連結子会社を続々と設立。海外も2008年7月にINTAGE(Thailand)Co., Ltd.をタイ王国に設立したのを始めに現在11か国へ展開している。2001年4月に商号を株式会社インテージに変更。2013年10月に持株会社制に移行し、商号を株式会社インテージホールディングスへ再変更。株式は2001年11月にジャスダック市場に上場。2008年1月には東証二部、2009年3月に東証一部へ変更。パネル調査を主力とするマーケティングリサーチならびにデータの加工、分析やコンサルを行うデータビジネスを展開している。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、保有割合が多い順にBBHフィデリティ・ロープライスドストックファンド(米国小型株中心に日本株にも投資するファンド)8.03%、エーザイ株式会社(退職給付信託に係る株式)6.43%、インテージグループ従業員持株会5.57%と続き、以降は保有割合5%未満で銀行、信託口、生保、海外ファンドなどが名を連ねる。尚、2020年9月末の外国人株式保有比率は20%以上30%未満である。

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)。うち4名(社内1名、社外3名)は監査等委員。監査等委員会設置会社である。監査等委員以外の取締役は、2名が中途入社で銀行、食品メーカー出身者。残りはプロパー出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の石原純晃氏は1959年1月生まれ。明治大学卒業後、1982年4月同社に入社。2006年6月に取締役営業本部副本部長を経て、2013年10月に連結子会社の株式会社インテージ代表取締役社長を経て、2019年4月現職へ就任

報告セグメント

「マーケティング支援(消費財・サービス)」、「マーケティング支援(ヘルスケア)」、「ビジネスインテリジェンス」の3報告セグメントに大別され、2021年6月期第2四半期売上高27,330百万円の構成比はマーケティング支援(消費財・サービス)59.6%、マーケティング支援(ヘルスケア)26.9%、ビジネスインテリジェンス13.5%である。営業利益1,885百万円は『SRI+』の開発費用を負担中とみられるマーケティング支援(消費財・サービス)が29.1%、一般用医薬品のパネル調査や医療用医薬品のカスタムリサーチが好調で急速に利益を伸ばしているマーケティング支援(ヘルスケア)が66.4%%、ビジネスインテリジェンスが4.3%。

事業モデル

マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、子会社の株式会社インテージを中心に、顧客企業からの依頼を受け、マーケティング活動をサポートする調査・分析を行う。独自に収集した各種パネル調査(一定数のモニターを確保し、モニターから定期的に情報収集し顧客企業にデータ還元する調査)が主力。2021年にパネル調査の進化版で全国約6,000店舗の小売店販売データを活用できるマーケティングプラットフォーム『SRI+』をリリース、活用提案を積極展開している。
マーケティング支援(ヘルスケア)は、株式会社インテージヘルスケアを中心に、製薬企業向けに一般用委託品の市場調査、パネル調査を行うほか、CRO(臨床試験の一連業務のサポート)及び処方情報分析を行う。
ビジネスインテリジェンスは、株式会社インテージテクノスフィアを中心に、データ解析関連のシステム構築・運用を行うシステムインテグレーション、AIを利用した企業向けコンサルティングやモデル開発等を事業としており、顧客は医薬・製造業・旅行・サービス業等多岐に渡る。

HP>企業情報>グループの事業

競合他社

同社は国内首位級。次いでネット調査に強い3978マクロミル(直近売上高412億円)、3675クロス・マーケティンググループ(同185億円)などが挙げられる。

連結の範囲

2020年6月末現在、連結の対象となる子会社を31社持つ。主な子会社はパネル調査等を行う株式会社インテージ(売上高36,134百万円)、医薬品調査等を行う株式会社インテージヘルスケア(同12,379百万円)、ソフトウェアの開発、販売等を行う株式会社インテージテクノスフィア(売上高13,009百万円)で、3社で2020年6月期連結売上高のおよそ92%を占める。

強み・弱み

業界首位級として、長年蓄積した調査データは他社の追随を許さない同社の強み。また顧客企業は多岐に渡るため、特定業界のリスクを負わない。一方で、景気後退局面に入るなど、全般的に企業のマーケティング活動が縮小した場合、また顧客による市場調査の内製化が進んだ場合は、同社業績に大きな影響を与える。また、コロナ禍でオフライン調査(グループインタビュー等対面で行うもの)の実施が難しくなってきており、ニーズが拡大するオンライン調査への更なる展開が求められる。(2020年3月にアジア全域のオンライン調査データを保有する株式会社データスプリングを子会社化)

KPI

KPIとして同社が掲げる売上高R&D比率や、高付加価値サービスへの転換状況を図る指標として2021年1月より提供を開始した新サービスSRI+の普及状況などが参考となる。
売上高R&D比率(2020年6月期2.2%
SRI+の導入企業数

業績

2020年6月期決算は決算期の変更の為15ヶ月間の数字となるが、会社決算説明によると、2020年3月までの12ヶ月間の業績は売上高56,204百万円、営業利益4,554百万で増収増益であった。2020年4月~6月はコロナ禍の影響により減収減益だった。12ヶ月間の業績を2016年3月期と比較すると、売上高と営業利益はともにおよそ1.2倍に業容拡大している。売上高は緩やかながら増収基調で推移してきたが、営業利益はサービスの領域拡大や価値向上のための投資を行うこと理由に変動がある。フリーCFは2017年3月期以降プラス。2020年6月期はコロナ禍の影響か、売上債権が5,206百万円と大幅に減少したのを主因に7,032百万円のプラス。財務CFは、決まった傾向は見られない。2020年6月期は短期借入金の返済、自己株式の取得により5,518百万円で大きくマイナスとなった。自己資本比率はここ数年高まっており60%を超えて推移。