3978 マクロミルの業績について考察してみた

3978 マクロミルの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年1月株式会社マクロミル・ドット・コムを設立。2001年12月(旧①)株式会社マクロミルに商号変更した。2000年8月自動調査「クイックミル」、2004年2月にはカスタマイズリサーチ「オーダーミル」サービスの販売開始。2004年1月東証マザーズに上場、2005年4月に東証一部へ変更。2014年7月に株式会社BCJ-12(ベインキャピタルグループが間接的に株式を保有する会社)による株式公開買付けにより完全子会社化、上場廃止となる。その後株式会社BCJ-12が(旧①)株式会社マクロミルを吸収合併、商号を(旧②)株式会社マクロミルとした。2016年6月には株式会社BCJ-12の親会社株式会社マクロミルホールディングスが(旧②)株式会社マクロミルを吸収合併した上で商号変更、現在の株式会社マクロミルとなった。2017年3月東証一部に再上場した。2022年4月の市場区分の見直しにより、プライム市場へ移行。オンラインを中心としたマーケティング・リサーチ業務を提供する。

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月31日時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合16.70%。NORTHERN TRUST CO.(AVFC) SUB A/C USL NON TREATYが15.70%、日本カストディ銀行の信託口が15.67%で続き、以降は保有割合5%以下で海外の銀行や信託銀行の信託口、ノルウェイ政府などが並ぶ。変更報告書では複数のアセットマネジメント会社の保有が確認される外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、うち監査委員は4名(全員社外)、監査委員会設置会社である。代表権をもたない社内取締役の西直史氏はマッキンゼー、ベインキャピタルでの経歴を有す。

代表取締役の経歴

代表執行役社長グローバルCEOの佐々木徹氏は1975年3月生まれ。中央大学卒業後、1999年4月株式会社一広に入社。株式会社エービーシーマートを経た後、2003年6月同社入社。2010年6月執行役員に就任する。同社退社の後、2014年10月株式会社グランダーアソシエイツ入社、執行役日本担当を務めた後、2015年6月同社に復職。代表執行役副社長を務めた後、2020年9月より現職に就任している。

報告セグメント

「日本及び韓国事業」と「その他の海外事業」の2報告セグメントに大別される。2022年6月期の売上収益49,810百万円の各割合は、日本及び韓国事業が75.6%、その他の海外事業が24.4%だった。またその他海外は米国と欧州、中南米、中東で構成される。営業利益の85%は日本及び韓国事業にて創出される。

事業モデル

同社が高いシェアを誇るオンライン・マーケティング・リサーチは、顧客企業のリサーチニーズを受けインターネット上の調査票を作成、パネル(日本において約120万人、グローバルで約1,000万人)へアンケートを依頼して回答を収集、もしくは別途集計グラフ・調査レポートを作成して納品する。

2022/6期通期決算及び2023/6業績予想説明資料

顧客企業から受け取る手数料のうち一部を、アンケート回答の謝礼としてパネルへ還元。実査を開始後24時間以内に集計結果を納品する「クイックミル」、オーダーメイドでより複雑な調査に適した「オーダーミル」を提供。他にパネルのオンライン上のログを解析しデジタル広告接触履歴や行動データを加味した集計・分析や、パネルを特定会場に集め調査を行うオフライン・リサーチサービスなども展開。また、日本ではマーケティング施策支援やデータ活用支援のソリューション、コンサルティングサービスを開始し、「総合マーケティング支援企業」への変革を図っている。
コロナ禍において一部オフライン・リサーチサービスの提供が中止となるなど影響を受けてきたが、経済活動の再開によりリサーチ需要は拡大している。

2022/6期通期決算及び2023/6業績予想説明資料

競合他社

マーケティング調査において同社とともに首位グループを形成する4326インテージホールディングス(2022年6月期売上高60,232百万円)、ネット市場調査核に事業展開する3675クロスマーケティンググループ(同24,899百万円)、GMO傘下の3695GMOリサーチ(2021年12月期売上高4,086百万円)が挙げられる。

連結の範囲

連結子会社37社および持分法適用関連会社1社で構成され、主要子会社として国内の市場調査を行う株式会社電通マクロミルインサイトなどが挙げられる。海外現地法人は、韓国、オランダ、イギリス、米国、中国、シンガポール、台湾に拠点を持つ。

強み・弱み

国内においてNo.1の市場シェアを持つオンライン・マーケティング・リサーチ、20ヵ国に展開するグローバルな拠点網が同社の強み。また国内外とも大口顧客との取引継続率90%超を誇る。顧客企業は分散され特定業界のリスクを負わない。韓国では唯一オンライン自社パネルを保有するリサーチ会社である点も強みと言える。リスクとしてはコロナ禍による企業活動の自粛からリサーチ市場の縮小が懸念されたが、中長期的にはマーケティング・リサーチのオンライン化が一段と進むことにより悪影響は軽減されると考えられる。また海外に進出しているため、為替リスクや地政学リスクを負う。

KPI

①自社パネル(2020年時点、グローバルで約1,000万人)
②顧客企業数(2022年時点グローバル90か国で約4,300社)
③国内市場規模(マーケティング・リサーチ市場2,357億円、2021年JMRA調べ)
④グローバル市場規模(マーケティング・リサーチ市場81,271百万米ドル、2021年見込み、ESOMAR調べ)

業績

2016年6月期から2019年6月期まで4期連続で売上高・営業利益共に増収増益だったが、2020年6月期はコロナ禍において大口顧客を中心にマーケティング・リサーチへの支出を抑制、削減する動きがみられたことなどから減収減益となった。以降は経済活動の再開から同社業績も回復し、2期連続増収増益となっている。フリーCFは毎期プラスを維持している。銀行借入、社債による有利子負債は2017年6月期以降300億円を超える2022年6月期の自己資本比率は37.9%

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