3978 マクロミルの業績について考察してみた

3978 マクロミルの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年1月株式会社マクロミル・ドット・コムを設立。2001年12月(旧①)株式会社マクロミルに商号変更した。2004年1月東証マザーズに上場、2005年4月に東証一部へ変更。2014年7月に株式会社BCJ-12(ベインキャピタルグループが間接的に株式を保有する会社)による株式公開買付けにより完全子会社化、上場廃止となる。その後株式会社BCJ-12が(旧①)株式会社マクロミルを吸収合併、商号を(旧②)株式会社マクロミルとした。2016年6月には株式会社BCJ-12の親会社株式会社マクロミルホールディングスが(旧②)株式会社マクロミルを吸収合併した上で商号変更、現在の株式会社マクロミルとなった。2017年3月東証一部に再上場した。オンラインを中心としたマーケティング・リサーチ業務を提供する。

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株主構成

有価証券報告書によると2020年12月30日時点の筆頭株主は、日本カストディ銀行の信託口で保有割合15.78%。次いで日本マスタートラスト信託銀行の信託口10.16%、NORTHERN TRUST CO.SUB A/C NON TREATY7.34%、株式会社電通グループ7.27%と続き、以降は保有割合5%以下で海外の銀行や信託銀行の信託口などが続く。変更報告書では複数のアセットマネジメント会社の保有が確認される。尚2020年9月30日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は30%以上である。

取締役会

取締役は5名(社内2名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権をもたない社内取締役の西直史氏はマッキンゼー、ベインキャピタルでの経歴を有す。

代表取締役の経歴

代表執行役社長グローバルCEOの佐々木徹氏は1975年3月生まれ。中央大学卒業後、1999年4月株式会社一広に入社。株式会社エービーシーマートを経た後、2003年6月同社入社。2010年6月執行役員に就任する。同社退社の後、2014年10月株式会社グランダーアソシエイツ入社、執行役日本担当を務めた後、2015年6月同社に復職。代表執行役副社長を務めた後、2020年9月より現職に就任している。

報告セグメント

「日本及び韓国事業」と「その他の海外事業」の2報告セグメントに大別される。2021年6月期第3四半期連結累計期間の売上収益33,105百万円の各割合は、日本及び韓国事業が約8割、その他の海外事業が約2割だった。日本での売上収益が全体の約7割を占める。またその他海外の太宗は米国と欧州で構成される。日本及び韓国事業は利益が出ているが、その他海外事業は赤字だった。

事業モデル

同社が高いシェアを誇るオンライン・マーケティング・リサーチは、顧客企業のリサーチニーズを受けインターネット上の調査票を作成、パネルへアンケートを依頼して回答を収集、もしくは別途集計グラフ・調査レポートを作成して納品する。顧客企業から受け取る手数料のうち一部を、アンケート回答の謝礼としてパネルへ還元。実査を開始後24時間以内に集計結果を納品する「クイックミル」、オーダーメイドでより複雑な調査に適した「オーダーミル」を提供。他にパネルのオンライン上のログを解析しデジタル広告接触履歴や行動データを加味した集計・分析や、パネルを特定会場に集め調査を行うオフラインリサーチサービスなども展開。また、日本ではマーケティング施策支援やデータ活用支援のソリューション、コンサルティングサービスを開始し、「総合マーケティング支援企業」への変革を図っている。

2021年6月期第3四半期決算説明資料

競合他社

マーケティング調査において同社とともに首位グループを形成する4326インテージホールディングス(2020年6月期売上高66,880百万円※変則18カ月決算)、ネット市場調査核に事業展開する3675クロスマーケティンググループ(2020年12月期売上高15,985百万円)が挙げられる。

連結の範囲

連結子会社36社および持分法適用関連会社1社で構成され、主要子会社として国内の市場調査を行う株式会社電通マクロミルインサイトなどが挙げられる。海外現地法人は、韓国、オランダ、イギリス、米国、中国、シンガポール、台湾に拠点を持つ。

強み・弱み

国内においてNo.1の市場シェアを持つオンライン・マーケティング・リサーチ、20ヵ国に展開するグローバルな拠点網が同社の強み。また国内外とも大口顧客との取引継続率90%超を誇る。顧客企業は分散され特定業界のリスクを負わない。足元ではコロナ禍による企業活動の自粛からリサーチ市場の縮小が懸念されるが、中長期的にはマーケティング・リサーチのオンライン化が一段と進むことにより悪影響は軽減されると考えられる。

KPI

①自社パネル(2020年時点、グローバルで約1,000万人)
②顧客企業数(2020年時点で約4,200社)
③国内市場規模(マーケティングリサーチ市場2,291億円、2019年JMRA調べ)
④グローバル市場規模(46,473百万米ドル、オンラインリサーチ構成比44%、2019年ESOMAR調べ)

業績

直近5期の業績は2016年6月期から2019年6月期まで4期連続で売上高・営業利益共に増収増益だったが、2020年6月期はコロナ禍において大口顧客を中心にマーケティング・リサーチへの支出を抑制、削減する動きがみられたことなどから減収減益となった。フリーCFは毎期プラスを維持している。銀行借入、社債により2020年6月期の有利子負債比率は60%を超えている。