3773 アドバンスト・メディアの業績について考察してみた

3773 アドバンスト・メディアの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1997年に音声認識ベンチャーとして設立。Interactive Systems, Inc.(米国)と日本語音声認識技術「AmiVoice」を共同で開発し事業化。各種ソリューション・ソフトウェアを開発し、日本の音声認識市場を創造してきた、音声認識市場ベンダー別売上金額シェア7年連続1位。「AmiVoice」は、使用者の声や話し方を事前に学習させる必要がなく、不特定話者に対応する。2005年に東証マザーズへ上場音声を文字変換する独自技術を用いて各種業務用ソフトを開発する

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の大株主は、ウィズ・アジア・エボリューションファンド投資事業有限責任組合が6.99%、株式会社SBI証券が3.72%、株式会社BSRが3.04%、廣田証券株式会社が2.82%を保有。そのほか、代表取締役会長兼社長の鈴木清幸氏や住友不動産株式会社、株式会社ブロードリーフ、楽天証券株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名はいずれもプロパー。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の鈴木清幸氏は1952年1月生まれ。京都大学を中退し、1978年に東洋エンジニアリング株式会社へ入社。その後株式会社インテリジェントテクノロジーなどを経て、1997年12月に同社を設立。2008年6月に代表取締役会長へ就任し、2010年6月に現職へ就任。

報告セグメント

「音声事業」の単一セグメント。2022年3月期第3四半期の売上高は3,028百万円、営業利益は358百万円であった。

事業モデル

音声事業は、音声認識技術「AmiVoice®」を核とした事業を展開する。AmiVoice®を組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発を行う「ソリューション事業」やAmiVoice®を組み込んだアプリケーション商品をライセンス販売する「プロダクト事業」、企業内のユーザーや一般消費者へAmiVoice®をサービス利用の形で提供する「サービス事業」の3つを行う。なお、音声事業の単一セグメントは、既存コアビジネスをBSR1(第一の成長エンジン)、新規ビジネスの創生、M&A、海外事業をBSR2(第二の成長エンジン)と定義し、8のプロフィットユニットで構成される。第一の成長エンジン(既存コアビジネス)は、同社のCTI事業部、VoXT事業部、医療事業部、STF事業部の4つのプロフィットユニットで構成される。第二の成長エンジン(新規ビジネスの創生、M&A、海外事業)は、同社の海外事業部、ビジネス開発センター、および連結子会社のAMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)、株式会社速記センターつくばの4つのプロフィットユニットで構成される。導入する分野は、コールセンターや議事録・書き起こし、医療、製造・物流・流通、日報・報告業務・対面記録、建設・不動産、AI対話、開発キット・API、マイクデバイスなど多岐にわたる。
企業におけるDXの推進や新型コロナウイルス感染症に起因した新たなビジネス様式への対応としてAI音声認識の需要が堅調に推移している。BSR1(第一の成長エンジン)においてはサブスクリプションサービスの売上が増大し、ストックビジネスの比率が高まっているとみられる。

競合他社

3787テクノマセマティカル(直近決算期売上高4億円)、2468フュートレック(直近決算期売上高18億円)など、音声認識技術に強みをもつ企業が競合として挙げられる。そのほか、NTTコミュニケーションズやNEC、エピックベース、ギークフィード、Hmcommなども音声認識市場に参入している。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社2社、持分法適用関連会社1社で構成され、音声事業を営む。

強み・弱み

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が普及し、情報量が飛躍的に増えた時代の中で、AIやディープラーニングなどの技術を用いて高精度な音声認識サービスを提供している点が強み。情報処理のスピードは今後も一層求められていくと予想され、同社の高精度な音声認識技術は一段と評価されることが見込まれる
現時点では国内で圧倒的シェアを持っているが、同社以上に高い技術力や開発力を持った企業が近い将来台頭する可能性も否定はできない。今後、成長が期待できる分野であることの裏返しとして、競争の激化も想定される。単一事業で戦っている点は弱みといえるだろう。

2022年3月期第2四半期 決算説明資料

KPI

分野別の実績がKPIとみられる。

2022年3月期第2四半期 決算説明資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は2,581百万円から4,431百万円、経常利益は▲118百万円から745百万円と増収増益。AI音声認識の需要が堅調に推移している。営業CFは2018年3月以降プラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第3四半期の自己資本比率は88.6%。

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