3773 アドバンスト・メディアの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

音声認識ベンチャーとして、1997年に設立。音声認識技術「AmiVoice」をコアに、各種ソリューション・ソフトウェアを開発し、日本の音声認識市場を創造してきた。「AmiVoice」は、使用者の声や話し方を事前に学習させる必要がなく、不特定話者に対応する。2005年に東証マザーズ市場に上場。医療、コンタクトセンター、会議録、製造・物流、モバイル、建設・不動産、教育など、幅広い業種・業界にて豊富な導入実績を持つ社員数は194名(2020年11月時点。連結は231名)。

株主構成

筆頭株主はウィズ・アジア・エボリューションファンド投資事業有限責任組合(2020年9月末時点)。保有比率は7.0%で、同組合は独立系投資会社のウィズ・パートナーズが業務執行組合員を務めている。代表取締役の鈴木清幸氏の資産管理会社である(株)BSRは3.05%を保有。その他、住友不動産(株)や鈴木氏、証券会社などが大株主となっている。上位10社合計の保有比率は24.45%

取締役会

同社の取締役は6名で、そのうち社外取締役は2名。鈴木氏以外の取締役(社外を除く)のうち、2人は社内昇進。その他の取締役はIT業界での経験をもつ。監査役は4名で、うち3名が社外監査役となっている。

代表取締役の経歴

鈴木氏は、1952年生まれ京都大学大学院工学研究科化学工学博士課程中退1978年、東洋エンジニアリング入社。インテリジェントテクノロジーへ転職後、米国カーネギーグループ主催の知識工学エンジニア養成プログラムを修了1997年、アドバンスト・メディアを設立。2010年より現職。

報告セグメント

同社は音声事業の単一セグメントである。

事業モデル

同社開発の音声認識エンジン「AmiVoice」は、国内シェア1位の音声認識技術である。主力は医療文書向け、コンタクトセンター向け、議事録向けの音声認識市場であり、マーケットリーダーの地位を確立している。それぞれの分野において4年連続でシェアは1位。(2020年末時点)
「AmiVoice」には最新のディープラーニング技術をエンジンに実装している。さらなる音声認識精度向上に向けて研究開発投資を積極的に行い、アジア市場での展開に向け、アジア各国の言語を含む多言語対応等への研究開発投資も行っている。

競合他社

国内外の音声認識事業者や、各社の音声認識部門が挙げられる。音声認識市場に参入している企業は、国内ではNTTコミュニケーションズ、NEC、エピックベース、ギークフィード、Hmcommなど。海外ではGoogle、Voices社など。

連結の範囲

連結子会社はAMIVOICE THAI CO.,LTD.(タイ王国)、(株)グラモ、(株)速記センターつくば、(株)Rixioの4社。いずれも音声事業に取り組んでいる。

強み・弱み

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が普及し、情報量が飛躍的に増えた時代の中で、AIやディープラーニングなどの技術を用いて高精度な音声認識サービスを提供している点が強み。情報処理のスピードは今後も一層求められていくと予想され、同社の高精度な音声認識技術は一段と評価されることが見込まれる
現時点では国内で圧倒的シェアを持っているが、同社以上に高い技術力や開発力を持った企業が近い将来台頭する可能性も否定はできない。今後、成長が期待できる分野であることの裏返しとして、競争の激化も想定される。単一事業で戦っている点は弱みといえるだろう。

KPI

コンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite3」AI音声入力ソフト「AmiVoice Ex7」議事録支援システム「AmiVoice Minutes Writer」サブスクリプションサービス「AmiVoice ProVoXT」文字起こし支援アプリケーション「AmiVoice Scribe Assist」の導入件数がKPIとして想定される。

業績

2020年3月期の連結決算での売上高は4,747百万円(前年比11.5%増)サブスクリプションサービスの導入や、コンタクトセンター市場における大型案件の獲得、地方自治体・大手民間企業における同社の議事録作成サービスの導入が加速したことが売上高増に寄与した。
ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて営業活動が限定的になっていることや、受注や納品が一部遅延しているのを受け、2021年3月期は売上減が見込まれている。