9470 学研ホールディングスの業績について考察してみた

9470 学研ホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q1 2021.12 36,888 1,324 3.59%
FY2022.Q2 2022.03 42,744 3,001 7.02%
FY2022.Q3 2022.06 37,379 460 1.23%
FY2022.Q4 2022.09 39,021 1,642 4.21%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.03 31,787 2,963 9.32%
FY2017.Q3 2017.06 22,686 -343 -1.51%
FY2017.Q4 2017.09 24,511 634 2.59%
FY2018.Q1 2017.12 25,102 101 0.4%
FY2018.Q2 2018.03 32,359 2,998 9.26%
FY2018.Q3 2018.06 24,178 -294 -1.22%
FY2018.Q4 2018.09 25,391 847 3.34%
FY2019.Q1 2018.12 33,642 841 2.5%
FY2019.Q2 2019.03 39,193 2,650 6.76%
FY2019.Q3 2019.06 33,002 227 0.69%
FY2019.Q4 2019.09 34,722 805 2.32%
FY2020.Q1 2019.12 34,711 1,149 3.31%
FY2020.Q2 2020.03 41,127 3,144 7.64%
FY2020.Q3 2020.06 33,274 743 2.23%
FY2020.Q4 2020.09 34,452 39 0.11%
FY2021.Q1 2020.12 35,766 1,929 5.39%
FY2021.Q2 2021.03 42,311 3,041 7.19%
FY2021.Q3 2021.06 35,428 1,263 3.56%
FY2021.Q4 2021.09 36,783 6 0.02%
FY2022.Q1 2021.12 36,888 1,324 3.59%
FY2022.Q2 2022.03 42,744 3,001 7.02%
FY2022.Q3 2022.06 37,379 460 1.23%
FY2022.Q4 2022.09 39,021 1,642 4.21%

沿革

1947年3月東京都にて株式会社学習研究社を設立。1965年6月研秀出版株式会社(現株式会社学研教育みらい)を設立。1982年8月東証二部へ上場。1984年2月東証一部に変更。2009年10月会社分割により持株会社へ移行し、商号を株式会社学研ホールディングスへ変更。2015年10月株式会社学研イノベーション(現株式会社学研教育みらい)、Gakken Asia Pacific Pte.Ltd.を設立。2022年4月東証の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。教室・塾事業、出版事業、高齢者福祉・子育て支援事業、園・学校事業などを行っている。HD傘下企業ではココファンのブランド名で保育園事業も展開する

株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末時点の筆頭株主は、奨学金給与等の事業を行う公益財団法人古岡奨学会で保有割合12.62%。日本マスタートラスト信託銀行株式会社が9.60%で続き、以降は保有割合5%未満で、国内信託銀行信託口、国内外金融機関、学研従業員持株会、7952河合楽器製作所、学研ビジネスパートナー持株会、7912大日本印刷が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役6名の内、3名はプロパー入社とみられる。他3名は、株式会社神戸教育研究センター(現株式会社創造学園)、3636三菱総合研究所、航空自衛隊等の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の宮原博昭氏は1959年7月生まれ。防衛大学を卒業後、西本貿易株式会社に入社。1986年9月同社へ入社し、2010年12月より代表取締役を務める

報告セグメント

「教育分野」、「医療福祉分野」の2報告セグメントと、報告セグメントに含まれない「その他」に大別される。2022年9月期の売上高156,032百万円の構成比は、教育分野50.1%、医療福祉分野46.3%、その他3.6%である。セグメント利益は、教育分野4,430百万円、医療福祉分野3,148百万円、その他805百万円であり、営業利益は6,427百万円であった。

事業モデル

教育分野では、教室・塾事業、出版コンテンツ事業、園・学校事業を行う。教室・塾事業は、主に小学生を対象にした「学研教室」の運営、幼児から高校生を対象にした進学塾の運営及び家庭教師派遣サービスの提供、学習教材の製作及び販売、進学塾向けテストの製作、実施等を行う。また塾での対面型授業に加えオンライン学習サービスを続々ローンチし、受講者層や受講講座数の増加を目指している。出版コンテンツ事業は、主に取次・書店ルートなどを通じた出版物の発行、文具・雑貨の企画開発及び販売、デジタルコンテンツの制作販売、看護師及び医師などを対象とした専門書の発行等を行う。重点施策として、社会人教育の体系化および6,500万人規模のリカレント(社会人)市場開拓を置いている。園・学校事業は、主に幼稚園・保育園向け出版物、保育用品・備品などの製作販売、小・中学校向け教科書などの製作販売、高校・大学向け出版物及び教材類の製作販売、就職支援サービス等を行う。
医療福祉分野では、主にサービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームなどの介護施設や子育て支援施設の設立・運営等を行う。
その他は、物流サービスの提供、グループ専門サービスの提供等を行う。

2021年9月期第2四半期 決算説明会資料

教育業界においては、DXの流れが各種領域で加速している。学習塾においてはオンライン指導が普及しつつある。社会人向けには岸田内閣が個人のリスキリング支援に5年で1兆円投じることを表明している。介護業界では高齢者人口の増加により総需要拡大が続いている。一定の入居ニーズが底堅く推移する一方、原材料価格の上昇や水道光熱費、建設費の高騰による影響が施設運営に波及している。また介護従事者は慢性的に不足している。

競合他社

通信教育最大手で高齢者ホームや出版等多角化する9783ベネッセホールディングス(2022年3月期売上高431,943百万円)、学習塾では「東進ハイスクール」を展開する9733ナガセ(同49,406百万円)など、多数の上場企業が競合として挙げられる。非上場では、ドッツカードや七田式プリントで絶大な支持を誇る株式会社しちだ・教育研究所や、公文式を展開する株式会社公文教育研究会なども競合となる。いずれの企業も、0歳からの幼少期の段階で囲い込みを進める戦略で、通信教育からお教室の展開まで複合的に手掛ける企業が多く競争が厳しい市場である。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社54社、非連結子会社14社、関連会社12社(うち持分法適用関連会社2社)で構成され、学習塾などの教育サービス、出版物の発行や保育用品などの製作販売、サービス付高齢者向け住宅や認知症グループホームなどの介護施設・子育て支援施設の運営等の事業を行う。

強み・弱み

教育と出版に関する多様な事業展開が強み。学研教室は1980年開室で40年以上の歴史を有す。GIGAスクール構想によりデジタル教材の普及が進むことが見込まれ、追加の収益機会とみられる。また業界全体の課題となるが少子高齢化による児童、学生数の減少、介護分野では不足する介護士を確保できるかなどが懸念点として挙げられる。

KPI

①教育分野:教室会員数・教室数(383,734人、18,866教室:2022年9月末)

2022年9月期決算説明資料

②教育分野:塾会員数・教室数(44,212人、428教室:2022年9月末)
③教育分野:書籍新刊点数・返品率(733点、23.7%:2022年9月末)
④医療福祉分野:拠点数(592拠点:2022年9月末)
⑤医療福祉分野:入居率・充足率(下図参照)

2022年9月期決算説明資料

業績

2017年9月期以降の業績をみると、5期連続の増収増益を達成している。2019年9月期は医療福祉サービスを行う企業を新たに連結したことから前期比+31.3%の大幅増収営業利益率はこの間3%台から4%台へ上昇2022年9月期決算ではオンライン学習コース等拡充による顧客単価上昇、出版コンテンツ事業における看護師向けeラーニングの契約病院数増、高齢者住宅事業の入居率上昇などが増収増益の要因となった。営業CFは恒常的にプラスだが、子会社取得等積極的な投資によりフリーCFはマイナスとなる期もある。自己資本比率は40%前後で推移。有利子負債は増加傾向にある。

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