4442 バルテスの業績について考察してみた

4442 バルテスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年4月大阪府にてバルテス株式会社設立。業容拡大に伴い国内各地にテストセンターオフィスを開設、2012年10月にはWeb/モバイルアプリ開発を行うバルテス・モバイルテクノロジー株式会社を、2014年2月にはフィリピンで事業展開するVALTES Advanced Technology, Incを連結子会社として設立。2019年5月東証マザーズ上場創業以来、一貫してソフトウェアテストサービスをメインに品質向上支援サービスを行っている

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の田中真史氏50.35%。バルテス社員持株会が6.69%で続き、以降は保有割合5%未満で国内外金融機関、同社取締役3名ほか個人が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内5名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役は全員が中途入社で、経歴や年齢、入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の田中真史氏は1962年3月生まれ。大阪電気通信大学高等学校卒業後、中小ソフトハウスに就職。その後フリーランスの期間を経て、数社のソフトウェア開発会社の起業を経験するも、後身に事業を譲渡。2004年4月に同社を設立し代表取締役に就任している

報告セグメント

「ソフトウェアテストサービス事業」、「Web/モバイルアプリ開発サービス事業」、「オフショアサービス事業」の3報告セグメントに大別され、2022年3月期の売上高6,707百万円の構成比はソフトウェアテストサービス事業89.8%、Web/モバイルアプリ開発サービス事業12.5%、オフショアサービス事業はコロナ禍にフィリピンがロックダウンしていた影響から0.01%だった。全社費用を除く営業利益のうちソフトウェアテストサービス事業によるものが約87.5%を占める

事業モデル

ソフトウェアテストサービス事業は、製造業やソフトウェアベンダーを対象に、開発工程における品質計画の立案、ソフトウェアの不具合の発見、不具合が発生していないことを確認するテストの計画から実行、レポート作成まで行う。映像機器、流通・小売り分野で多くの実績を持つが、組込からエンタープライズまで幅広く第三者検証サービスを提供し、IoTやAIまで領域を拡大中。尚、顧客事情により同社の売上高および利益は下期に偏重する傾向にある。
Webアプリ/モバイルアプリ開発サービス事業は、連結子会社であるバルテス・モバイルテクノロジー株式会社でアプリの開発およびセキュリティ診断を行う。
オフショアサービス事業はフィリピンの連結子会社であるVALTES Advanced Technology, Incにより、主に在比日系企業に対してソフトウェアテストサービスおよび開発サービスを行う。
同社によると、ソフトウェアテストの市場規模は推定5.7兆円。従来は大手SIerが一括受注した案件を開発エンジニアがテスト工程まで行う構造だったが、テスト専門会社という第三者による客観性・信頼性の確保が有効とされ、各社によるテスト方法が確立してきたことから、テスト工程のアウトソースは増加傾向にある。加えてIoT機器の拡大やICTの活用が進むことで、ICT関連市場の拡大し、並行して同市場も拡大することが見込まれる

2022年3月期【第3四半期】決算説明資料

競合他社

ソフトウェアテストの専業会社では3697SHIFT(2021年8月期売上高46,004百万円) が代表的な競合企業だが、SIer各社でも事業の一部としてテストを受託する他、非上場企業まで含めれば数多くの競合企業が存在する。またゲーム開発のテスト専業会社では3676デジタルハーツ(2021年3月期売上高22,669百万円)なども存在し、事業領域をソフトウェアテストへ拡大傾向である。

連結の範囲

バルテス・モバイルテクノロジー株式会社、VALTES Advanced Technology, Incと2020年8月に子会社化した株式会社アール・エス・アール、2022年4月に子会社化した株式会社ミントの4社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

「IT関係者が支持するテスト検証会社」などでNo.1を獲得し、業界内で一定の認知度、ブランド力を有する売上依存度が10%を超える販売先として楽天株式会社が4期間連続で報告されており、その金額も488百万円、567百万円、626百万円、672百万円と増加傾向にある事から良好な関係が伺える。(2022年3月期の有価証券報告書は公表待ち)一方で、ソフトウェアテストサービス事業に売上高、利益が集中しており、Webアプリ/モバイルアプリへの事業展開や海外案件の獲得を進め収益基盤を強化している。また設立以来、経営における代表取締役への依存度が高く、後継者の育成を課題として挙げている

同社HP TOP>バルテスが選ばれる理由

KPI

案件数や単価、エンジニア数に加えて、高単価で大規模案件が見込める市場として同社が注目する④や、収益基盤の多様化の進捗として、子会社化した株式会社アール・エス・アールとの相乗効果を見込む⑤の状況などもKPIとなり得る。
①ソフトウェアテスト案件数(2022年3月期 2,632件)
②単価(同696千円)
③エンジニア数(同794人)

2022年3月期 決算説明資料

④国内エンタープライズIT市場規模(2024年予測 12.8兆円 ※IDC Japan調べ。)
⑤Web/モバイルアプリ開発サービス事業の売上高構成比(2022年3月期12.5%)

業績

確認可能な2017年3月以降、売上高は5期連続増収で2,293百万円から2022年3月期6,707百万円へ成長。2022年3月期は、上流工程の案件が増え、案件数・単価ともに上昇したことで、前年同期比27.5%増収、営業利益は570百万円と65.4%の増益となった。営業利益率も6%前後から8.5%まで改善した。フリーCFは最終赤字だった2018年3月期を除きプラス。上場に伴う資金調達により手元資金厚く、実質無借金。2021年3月期末の自己資本比率は、58.7%

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