4442 バルテスの業績について考察してみた

4442 バルテスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年4月大阪府に創業して以降、一貫してソフトウェアテストサービスをメインに品質向上支援サービスを行っている。業容拡大に伴い国内各地にテストセンターオフィスを開設、2012年2月にはフィリピンで事業展開するVALTES Advanced Technology, Inc、同年10月にはWeb/モバイルアプリ開発を行うバルテス・モバイルテクノロジー株式会社を連結子会社として設立している。2020年8月にはWebアプリ開発等を行う株式会社アール・エス・アールを子会社化した。2019年5月東証マザーズへ上場。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、代表取締役社長の田中真史氏50.4%、社員持ち株会9.3%と続き、以降は保有割合5%未満で国内外の信託銀行の信託口と取締役2名であった。2021年1月8日付の大量保有報告書にて、みずほ証券の保有割合が8.39%となったことが報告されている。

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役設置会社である。代表取締役以外の役員は、経歴や年齢、入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の田中真史氏は1962年3月生まれ。大阪電気通信大学高等学校卒業後、中小ソフトハウスに就職。その後フリーランスの期間を経て、数社のソフトウェア開発会社の起業を経験するも、後身に事業を譲渡。2004年4月に同社を設立し代表取締役に就任している。

報告セグメント

「ソフトウェアテストサービス事業」、「Web/モバイルアプリ開発サービス事業」、「オフショアサービス事業」の3報告セグメントに大別され、2021年3月期第2四半期の売上高2,413百万円の構成比はソフトウェアテストサービス事業92.7%、Web/バイルアプリ開発サービス事業7.2%、オフショアサービス事業はコロナ禍にフィリピンがロックダウンしていた影響から0.1%未満だった。営業利益は太宗がソフトウェアテストサービス事業によるもので、オフショアサービス事業は赤字

事業モデル

ソフトウェアテストサービス事業は、製造業やソフトウェアベンダーを対象に、開発工程における品質計画の立案、ソフトウェアの不具合の発見、不具合が発生していないことを確認するテストの計画から実行、レポート作成まで行う。映像機器、流通・小売り分野で多くの実績を持つが、組込からエンタープライズまで幅広く第三者検証サービスを提供し、IoTやAIまで領域を拡大中。
Webアプリ/モバイルアプリ開発サービス事業は、連結子会社であるバルテス・モバイルテクノロジー株式会社で開発およびアプリのセキュリティ診断を行う
オフショアサービス事業はフィリピンの連結子会社であるVALTES Advanced Technology, Incにより、主に在非日系企業に対してソフトウェアテストサービスおよび開発サービスを行う
同社によると、ソフトウェアテストの市場規模は推定5.5兆円。従来は大手SIerが一括受注した案件を開発エンジニアがテスト工程まで行う構造だったが、テスト専門会社という第三者による客観性・信頼性の確保が有効とされ、各社によるテスト方法が確立してきたことから、テスト工程のアウトソースは増加傾向にある。加えてIoT機器の拡大やICTの活用が進むことで、ICT関連市場の拡大し、並行して同市場も拡大することが見込まれる

2021年3月期 第2四半期決算説明資料

競合他社

ソフトウェアテストの専業会社では3697SHIFT(2020年8月期売上高287億円) が代表的な競合企業だが、SIer各社でも事業の一部としてテストを受託する他、非上場企業まで含めれば数多くの競合企業が存在する。またゲーム開発のテスト専業会社では3676デジタルハーツ(2020年3月期売上高211億円)なども存在し、事業領域をソフトウェアテストへ拡大傾向である。

連結の範囲

バルテス・モバイルテクノロジー株式会社、VALTES Advanced Technology, Incと直近の2020年8月に子会社化した株式会社アール・エス・アールの3社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

「IT関係者が支持するソフトウェアテスト・検証会社」でNo.1を獲得するなど、業界内で一定の認知度、ブランド力を有する。売上依存度が10%を超える販売先として楽天株式会社が3期間連続で報告されており、その金額も488百万円、567百万円、626百万円と増加傾向にある事から良好な関係が伺える。一方で、ソフトウェアテストサービス事業に売上高、利益が集中しており、Webアプリ/モバイルアプリへの事業展開や海外案件の獲得を進め収益基盤を強化している。また設立以来、経営における代表取締役への依存度が高く、後継者の育成を課題として挙げている。

2021年3月期 第2四半期決算説明資料

KPI

案件数やエンジニア数に加えて、高単価で大規模案件が見込める市場として同社が注目する③や、収益基盤の多様化の進捗として、子会社化した株式会社アール・エス・アールとの相乗効果を見込む④の状況などもKPIとなり得る。
ソフトウェアテスト案件数(2020年3月期1,790件、2021年3月期第2四半期まで949件)
エンジニア数(2020年9月末時点で575人
国内エンタープライズIT市場規模2019年 10兆8,190億円 ※IDC Japan調べ。)
Web/モバイルアプリ開発サービス事業の売上高構成比(2021年3月期第2四半期7.2%)

業績

2017年3月期以降、増収を継続しており、2020年10月期の売上高は2016年10月期比で2.3倍に成長している。経常利益は2期連続増益で、2020年3月期の売上高経常利益率は6.6%(2017年3月期は4.4%)。フリーCFは2期連続でプラス。