4435 カオナビの業績について考察してみた

4435 カオナビの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2008年5月(株)ジャパンオペレーションラボを設立、2012年4月クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」事業を開始、2013年5月(株)カオナビに商号変更、2017年3月リクルートホールディングス<6098>が合同会社RSIファンド1号を通じて資本参加、2019年3月東京証券取引所マザーズに新規上場 した。人材(タレント)マネジメントシステムのリーディングカンパニーである。

株主構成

主要株主は、同社代表取締役社長CEO柳橋仁機、および合同会社RSIファンド1号である。リクルートホールディングスの持分法適用会社となっている。

取締役会

取締役会は取締役4名(うち社外取締役1名)と監査役4名(4名とも社外監査役)で構成され、業務執行監督体制の整備、意思決定の公正化を図っている。

代表取締役の経歴

同社代表取締役社長CEO柳橋仁機氏は1975年7月生まれで、アクセンチュア(株)(2000年6月入社)および(株)アイスタイル<3660>(2002年7月入社)を経て、2008年5月に同社(設立時はジャパンオペレーションラボ)を設立し、代表取締役に就任した。

連結の範囲

関連会社を有していないため連結財務諸表を作成していない。

報告セグメント

クラウド人材マネジメントシステム事業の単一セグメントとしている。人材マネジメントシステムは、企業の人事評価や人材配置といった人材マネジメント(人材管理領域)をサポートするシステムである。

事業モデル

企業の人材情報をクラウド上で一元管理する人材マネジメントシステム「カオナビ」の提供を通じた事業を行っている。顧客の人材マネジメント業務を支援し、働き方改革推進、業務効率化、離職防止などの企業課題の解決に貢献する。
登録人数と利用機能に応じた料金プランで、月額課金のストック収益が積み上がるサブスクリプション型収益モデルとなっている。ストック売上比率は8割強で推移している。

2021年3月期第2四半期 決算説明資料

従業員数100人以上の企業をターゲット領域として展開し、利用企業数は増加基調である。日本の企業にとって労働生産性の向上と労働力の確保が喫緊の課題とされ、人材管理領域(人事評価、人材配置、離職防止など)においても、ITを活用した人材マネジメントシステムに対する関心が高まっているため、同社では市場開拓余地が大きいと考えている。

競合他社

同社資料によると国内市場シェアは32.2%(2020年度見込み)で、2017年度から4年連続1位である。競合他社としては(株)プラスアルファ・コンサルティングの「タレントパレット」、(株)ビズリーチの「HRMOS」、(株)HRBrainの「HRBrain」などがある。

強み・弱み

同社の「カオナビ」は、経営陣や管理職が抱える「社員の顔と名前が一致しない」という課題を解決するために生まれたサービスで、社員の顔、名前、経験、評価、スキルなどの人材情報を一元管理し、社員の顔写真が並ぶ直感的な画面によって社員の個性や才能を多面的に把握することを特徴としている。
業種や業態を問わず、幅広い顧客の人事課題の解決ニーズに対応する機能優位性や、データベース構築やレイアウトを導入企業においてカスタマイズできる簡単な操作性なども強みとしている。

KPI

21年3月期第2四半期の利用企業数は前年同期比375社増加の1911社、ARPU(利用企業1社あたり月額課金平均値)は同19千円増加の131千円、ストック収益成長率は同44.4%増収となった。月次ストック収益(MRR)解約率の直近12ヶ月平均は20年9月時点で0.65%と低水準を維持している。

業績

21年3月期業績(非連結)会社予想はレンジ形式で、売上高が33億40百万円~34億円(20年3月期比27.2%増~29.5%増)、営業利益が2億10百万円の赤字~90百万円の黒字(20年3月期は2億78百万円の赤字)、経常利益が2億16百万円の赤字~84百万円の黒字(同2億80百万円の赤字)、当期純利益が3億30百万円の赤字~30百万円の赤字(同3億57百万円の赤字)としている。
第2四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比30.1%増の15億75百万円、営業利益が1億61百万円の黒字(前年同期は4百万円の赤字)、経常利益が1億59百万円の黒字(同5百万円の赤字)、そして四半期純利益が86百万円の黒字(同7百万円の赤字)だった。
売上高は計画水準、各利益は計画超だった。大幅増収で黒字化し、各利益は通期会社予想の上限値を超過達成した。新型コロナウイルスの影響で事業活動が制約を受け、コスト面では人件費などが増加したが、利用企業数の増加でストック収益が大幅伸長した。
通期予想(会社予想)は据え置いている。売上面では、新型コロナウイルスの影響による事業活動制約や顧客企業の業績悪化に伴う解約増加など、ダウンサイドリスクを考慮してフロー収益が減収だが、ストック収益が前期比40%以上の大幅伸長見込みとしている。コスト面では、成長加速に向けた積極的な人材採用とマーケティング投資による営業費用の大幅増加を見込み、本社移転費用1億78百万円(うち特別損失1億08百万円)も計上する見込みとしている。
なお同社は中期成長のグランドデザインとして、24年3月期売上高100億円、売上総利益率80%、営業利益率30%を描いている