3793 ドリコムの業績について考察してみた

3793 ドリコムの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2001年11月京都府にて有限会社ドリコム設立。2003年3月株式会社へ組織変更。2006年2月東証マザーズに上場。2017年8月株式会社バンダイナムコエンターテインメントと、合弁会社BXD(現株式会社バンダイナムコネクサス)を設立(2020年3月に全株式を株式会社バンダイナムコエンターテインメントに譲渡済)。7832バンダイナムコホールディングスと提携するスマホゲームの開発・運用会社

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の内藤裕紀氏で保有割合34.18%。業務提携先の7832バンダイナムコホールディングスが19.04%で続き、以降は保有割合5%未満で個人投資家の山口憲一氏、国内証券および信託銀行、株式会社モバテック、同社元取締役が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は5名(社内2名、社外3名)、うち監査等委員は3名(全員社外)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない取締役の後藤英紀氏は株式会社大和総研やドイツ証券等の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の内藤裕紀氏は1978年7月生まれ京都大学在学中に同社を立ち上げ。代表取締役を務める

報告セグメント

ゲーム事業とメディア事業の2報告セグメントで構成される。2022年3月期第3四半期累計期間の売上高9,156百万円のうち、99%以上をゲーム事業における売上高が占める。ゲーム事業のセグメントの利益率は21.6%に対し、メディア事業は赤字だった。

事業モデル

ゲーム事業においては、IP(他社が有するアニメやゲームのコンテンツ)ゲームをスマホアプリとして配信する。
取組形態は、①ゲームの企画・開発・配信・運用を単独で担う、②企画・開発・運用を行い配信・マーケティングをパートナーに任せる、③企画・開発・運用をパートナーと分担して収益を共有する、という3形態に分類でき、②及び③の割合が大きい。②及び③の形態では、企画・開発費用を開発報酬としてIPプロジェクトパートナーから受領する方法や、ユーザーからの課金収入の一定割合を受領する方法(レベニューシェア)がある。また、プラットフォーム上で同社の運用するゲームは無料で提供され、アイテムを購入する際に課金されるビジネスモデルを導入している。売上の相手先は7832バンダイナムコホールディングスの関連会社2社が合わせて52.9%、プラットフォーマーのApple,Incが16.5%だった。(2021年3月期)
また新規事業開発にも取り組んでいる。Twitterを活用したファンコミュニティ促進サービス「Rooot」は2022年3月期、前年同四半期比4.7倍に売上が伸びている。他に電子書籍への取り組みを強化し、事業ポートフォリオを構築していく。
ソーシャルゲーム市場は、急成長をとげてきたものの市場の成熟化が進み、成長は鈍化してきている。また、ユーザーのサービスに対する要求水準が高まり、開発期間の長期化や開発費の高騰、そうした背景を受け同業他社との競争も激化している。

競合他社

スマホ向けゲームメーカーとして3639ボルテージ(2021年6月期売上高6,902百万円)、3656KLab(2021年12月期売上高23,895百万円)、3903gumi(2021年4月期売上高18,628百万円)、3667enish(2021年12月期売上高3,892百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は4社。同社ゲーム事業の業務委託を受託する株式会社ドリアップや、ゲーム・アプリの配信、代金回収を行う株式会社スタジオレックス等で構成される。

強み・弱み

バンダイナムコとの合弁会社である株式会社バンダイナムコネクサスを通じてブラウザゲーム「enza」を展開しており、バンダイナムコとの相乗効果が期待できる。そして、ダービースタリオンマスターズやみんなのGOLFといった既存ゲームタイトルの黒字が定着している点長期運営タイトルを複数持ち、継続した安定収入を確保できている点も強みとして言えるだろう。一方で、これらゲーム事業は競合他社が多数存在する業界でもあるため、ヒット作に恵まれなければ業績が伸び悩む可能性も考えられる点、創業者である代表取締役への依存などが弱みと言えよう。また今後の事業拡大にあたっては、優秀な人材確保も課題となってくる。

KPI

2022年3月期 第3四半期 決算説明資料

開発中ゲームのパイプライン(下記参照)がKPIとなる。2022年3月期中は2本をリリース予定。また、ゲームの課金者数、ゲーム利用者数、パートナー数、開発人材採用数、課金単価などは想定KPIとして挙げられるだろう。

業績

2017年3月以降の業績を見ると、運用アプリ数の増加とアプリ開発に伴う売上計上により2018年3月期に前年度比+57.3%増の13,192百万円を達成するも、その後は伸び悩み10,000~11,000百万円の推移となっている。営業利益率は2,3期に一度程度赤字になる期がみられる。しかし2021年3月期は、不採算タイトルへの対応が進んだことから前年度比+232.5%の増益となった。フリーCFは期によりまちまち。営業CFは期により変動大きく、投資CFは恒常的にマイナスとなっている。自己資本比率は2019年3月期末に19.5%まで低下していたが、当期利益の積み増しにより 2021年3月期末には39.4%まで回復している

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