3793 ドリコムの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ドリコムの事業概要

ドリコムは東京都に本社を置くインターネットベンチャー企業で、主にスマートフォン向けサービス、ゲームの配信を主な事業としている。主力事業はスマホユーザー向けのソーシャルゲーム関連で、「みんなのGOLF」や「ダービースタリオンマスターズ」が代表作である
その他にもメディア事業を展開しており、2018年8月に発表した位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム「AROW」は、現在スマホと連動させる位置情報ゲームへの導入を開発中であるが、こちらの事業に関してはまだ黒字化するには至っておらず、同社のメイン事業はスマホゲーム事業といえる
・沿革
同社は2001年、現在の代表取締役である内藤裕紀氏が大学生の時に京都府で(有)ドリコムとして設立。当時は無料自己紹介ツール「マイプロフィール」や受託開発をメインとして事業展開をしていたが、その後無料のブログサービスや、求人情報検索サービス等を経ながら現在のゲーム事業をメインとする会社に変遷している。2006年には東証マザーズに上場している。
・株主構成
創業者であり現代表取締役でもある内藤裕紀氏が大株主で34.2%を保有しており、第2位の株主には提携先であるバンダイナムコが19.1%の株を保有している。外国人の持ち株比率は6%ほどであり、投信の保有も0%である。
・代表取締役の経歴
代表取締役の内藤裕紀は1978年東京都の出身で、京都大学経済学部在学中に現在のドリコムの前身となる学生団体ドリコムを立ち上げている。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
エンターテイメントサービス(売上高構成比率96%)、広告メディアサービス(同4%)の2つの報告セグメントで構成される。

エンターテイメントサービス

・事業モデル
同セグメントはソーシャルゲーム事業とソーシャルラーニング事業に分類され、ソーシャルゲーム事業がメイン事業である。同事業においては、IP(他社が有するアニメやゲームのコンテンツ)ゲームをスマホアプリとして配信する。
取組形態は、①ゲームの企画・開発・配信・運用を単独で担う、②企画・開発・運用を行い配信・マーケティングをパートナーに任せる、③企画・開発・運用をパートナーと分担して収益を共有する、という3形態に分類でき、②及び③の割合が大きい。②及び③の形態では、企画・開発費用を開発報酬としてIPプロジェクトパートナーから受領する方法や、ユーザーからの課金収入の一定割合を受領する方法(レベニューシェア)がある。

また、プラットフォーム上で同社の運用するゲームは無料で提供され、アイテムを購入する際に課金されるビジネスモデルを導入している。直近では人気RPGゲームのタイトルである「ウィザードリィ」の著作権及び商標権を獲得しており、同IPの新規タイトルも開発が決定している。同タイトルのゲームは2023年の3月期には配信予定ということもあり、会社側の発表が待たれる展開となる。
・強みや弱み
ドリコムはバンダイナムコとの合弁会社である株式会社BXDを通じてブラウザゲーム「enza」を展開しており、バンダイナムコとの相乗効果が期待できる。そして、ダービースタリオンマスターズやみんなのGOLFといった既存ゲームタイトルの黒字が定着している点も強みの一つとして言えるだろう。
一方で、これらゲーム事業は競合他社が多数存在する業界でもあるため、ヒット作に恵まれなければ業績が伸び悩む可能性も考えられるため、これは弱みと言えよう。
・KPI
IRではKPIの積極的な開示は行われていないと見受けられる。しかし、ゲームの課金者数、ゲーム利用者数、パートナー数、開発人材採用数、課金単価などは想定KPIとして挙げられるだろう。
・業績の進捗
2021年3月期第2四半期決算時点での売上高は6,184百万円(前年同期比37.8%増)、営業利益は1,052百万円(前年同期比216.8%増)と、コロナ禍による巣篭り需要の増加や不採算タイトルへの対応、コスト削減が奏功し、会社の業績は増収増益をキープしている。今後はダービースタリオンマスターズ等の既存タイトルの海外展開を進めて行く一方で、新規ゲームタイトルの開発にも着手をする。また、位置情報サービスを利用したAROWの商業化も目指す。