3901 マークラインズの業績について考察してみた

3901 マークラインズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 1,275 527 41.33%
FY2023.Q2 2023.06 1,123 445 39.63%
FY2023.Q3 2023.09 1,187 482 40.61%
FY2023.Q4 2023.12 1,260 537 42.62%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 404 136 33.66%
FY2017.Q2 2017.06 398 134 33.67%
FY2017.Q3 2017.09 414 155 37.44%
FY2017.Q4 2017.12 464 182 39.22%
FY2018.Q1 2018.03 520 200 38.46%
FY2018.Q2 2018.06 481 158 32.85%
FY2018.Q3 2018.09 499 170 34.07%
FY2018.Q4 2018.12 543 206 37.94%
FY2019.Q1 2019.03 618 226 36.57%
FY2019.Q2 2019.06 581 212 36.49%
FY2019.Q3 2019.09 594 216 36.36%
FY2019.Q4 2019.12 587 220 37.48%
FY2020.Q1 2020.03 715 254 35.52%
FY2020.Q2 2020.06 593 194 32.72%
FY2020.Q3 2020.09 656 250 38.11%
FY2020.Q4 2020.12 699 262 37.48%
FY2021.Q1 2021.03 979 327 33.4%
FY2021.Q2 2021.06 717 248 34.59%
FY2021.Q3 2021.09 842 328 38.95%
FY2021.Q4 2021.12 960 378 39.38%
FY2022.Q1 2022.03 1,194 443 37.1%
FY2022.Q2 2022.06 872 334 38.3%
FY2022.Q3 2022.09 980 408 41.63%
FY2022.Q4 2022.12 1,079 438 40.59%
FY2023.Q1 2023.03 1,275 527 41.33%
FY2023.Q2 2023.06 1,123 445 39.63%
FY2023.Q3 2023.09 1,187 482 40.61%
FY2023.Q4 2023.12 1,260 537 42.62%

沿革

2001年1月東京都にてマークラインズ株式会社を設立。同年8月「自動車情報プラットフォーム」サービス開始。2007年4月コンサルティング事業を開始。2014年12月東証JASDAQへ上場。2018年3月東証二部、6月東証一部へ変更。現在は東証プライム。2020年6月自動車技術専門誌を出版するドイツSpringer Fachmedien Wiesbaden GmbHと業務提携を締結。自動車業界に特化したオンライン情報サービスを提供する。2021年1月より、連結子会社である株式会社自動車ファンドが1号ファンドを組成し、ベンチャーキャピタル事業を本格的に開始

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の大株主は、代表取締役社長の酒井誠氏14.08%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が13.26%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が9.40%と並ぶ。そのほか5%未満の保有で、信託銀行や証券会社、保険会社、VCの早稲田成長企業支援 1号などが並ぶ。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名の経歴は、取締役管理部長の坂井建一氏が澁谷工業株式会社、日本クアンタムペリフェラルズ株式会社などを経て2010年に同社へ入社し、タイや欧州拠点の代表取締役社長を歴任。取締役営業統括担当兼グローバル事業部長の蒋思懿氏は、旭硝子化工貿易(上海)有限公司や日本アジア投資株式会社を経て同社へ入社。米国拠点の代表取締役社長や麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司総経理も兼任中。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の酒井誠氏は1954年1月生まれ。1977年4月日産自動車株式会社へ入社。1990年5月にイリノイ大学経営大学院の修士号を取得し、その後日本アジア投資株式会社や日本デルファイ・オートモーティブシステムズ株式会社、株式会社ネットライダーズ・デイトナの代表取締役社長を経験し、2001年1月に同社を設立。麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司執行董事、Mark Lines North America, Inc.取締役、Mark Lines (Thailand )Co., Ltd .取締役、Mark Lines Europe GmbH代表取締役社長、株式会社自動車ファンド代表取締役社長を兼任。

報告セグメント

「情報プラットフォーム事業」、「ベンチマーキング事業」、「コンサルティング事業」、「プロモーション広告事業」、「LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業」、「人材紹介事業」、「自動車ファンド事業」の7報告セグメントに大別される。2022年12月期第1四半期の売上高1,194百万円の構成比は、情報プラットフォーム事業51.4%、ベンチマーキング事業26.3%、コンサルティング事業11.5%、プロモーション広告事業1.5%、LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業3.8%、人材紹介事業4.4%、自動車ファンド事業0.7%である。セグメント利益は、情報プラットフォーム事業357百万円、ベンチマーキング事業98百万円、コンサルティング事業34百万円、プロモーション広告事業16百万円、LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業16百万円、人材紹介事業53百万円、自動車ファンド事業9百万円となっており、全社費用を差し引くと連結営業利益は960百万円であった。
なお、主力の情報プラットフォーム事業の売上高に占める国内比率は50%強である。

事業モデル

情報プラットフォーム事業は、自動車産業に関連する企業が必要とする世界各国のサプライヤー情報(発注・納入、拠点データ、動向等)、生産・販売に関する統計データ、技術・市場動向に関するレポート、予測を含めたモデルチェンジデータ等を、検索サイト「情報プラットフォーム」にて提供する。プラットフォーム利用者から安定した収益源の見込めるストックビジネスである。
ベンチマーキング事業は、注目車種の車両分解調査レポート、関心の高い車載製品の解析データやレポートの取り扱いや、ベンチマーキング活動に必要な部品や車両の調達を代行するサービスを提供。
コンサルティング事業は、CASE関連などの技術・市場の動向調査、サプライチェーンなどの調達状況調査等を、顧客の依 頼に応じて個別対応する。同社が蓄積した情報や独自の知見、社内外専門家のネットワークを駆使して、付加価値の高いサービスを提供している。
プロモーション広告事業は、同社の製品・技術・サービスを情報プラットフォームの会員に対してPRメール、ウェブサイト上の製品情報掲載やバナー広告等でPRすることにより、販促活動を効率的に支援するB2Bのプロモーション支援サービス「LINES」を展開する。
LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業は、イギリスの調査会社LMC Automotiveによる自動車市場予測情報(地域別の乗用車生産予測、乗用車販売予測、中大型商用車、新興国市場予測)を提供する。
人材紹介事業は、自動車関連企業からの技術・営業・管理・企画等の様々な求人要望にマッチした適確人材を紹介するサービス。
自動車ファンド事業は、自動車産業に特化したベンチャーキャピタル事業。カーボンニュートラルに向けた動きが世界規模で広がる中、自動車産業では電動化、自動運転などの研究開発活動が加速し事業再編やベンチャー企業の誕生など新たな資金需要が生まれている。新たな技術を生み出し将来の産業界に大きく貢献する可能性のあるベンチャー企業及び社歴のある中堅企業でも、自らがイノベーションを起こして再成長を期す企業を投資対象とし、産業界を資金面から支援するサービスである。
自動車産業は、脱炭素社会への機運の高まりから、電動化の流れが一気に加速するなど大きな変革期を迎えており、自動車産業に関連する同社のサービスは引き続き安定的に成長していくと同社は見込んでいる。

競合他社

自動車産業に特化したポータルサイトを運営する競合企業は存在しないとみられる

連結の範囲

同社グループは、同社と子会社6社(Mark Lines North America,Inc.、麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司、Mark Lines (Thailand )Co.,Ltd.、Mark Lines Europe GmbH、Mark Lines India Pvt. Ltd.、株式会社自動車ファンド)及び関連会社1社(自動車産業支援ファンド2021投資事業有限責任組合)で構成される。

強み・弱み

自動車関連事業従事者31万人以上とインターネットを通じて双方向コミュニケーションで繋がっており、情報プラットフォームサービスでは他社と激しく競合する環境にないことが強み。特定の顧客や業界に依存しない収益基盤を構築しているが、自動車産業そのもの縮小局面においては、業績へ与える影響が大きいというリスクを抱える。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     情報プラットフォーム事業 地域別売上高
②     情報プラットフォーム事業 契約社数

2021年12月期 決算説明会資料

業績

2017年12月期から2021年12月期までの5期をみると、売上高は1,680百万円から3,498百万円、経常利益は636百万円から1,270百万円となっており、売上高・経常利益共に倍増。自動車産業全体への関心が高まり、電動化等への研究開発投資が増加する中、同社サービスへの需要も増加していることが背景とみられる。営業CFは恒常的にプラス、営業CFに対する投資CFの拠出は少ない。2022年12月期第1四半期第1四半期の自己資本比率は71.7%。

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