3901 マークラインズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2001年1月東京都にてマークラインズ株式会社を設立。同年8月「自動車情報プラットフォーム」サービス開始。2007年4月コンサルティング事業を開始。2014年12月東証JASDAQへ上場。2018年3月東証二部、6月東証一部へ変更。自動車業界に特化したオンライン情報サービスを提供する

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、代表取締役社長の酒井誠氏14.5%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が9.3%、BNYM AS AGT/CLTS 10 PERCENTが9.2%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が8.1%と並ぶ。そのほか5%未満の保有で、信託銀行、証券会社、保険会社、VCの早稲田成長企業支援 1号などが並ぶ。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名の経歴は、取締役管理部長の坂井建一氏が澁谷工業株式会社、日本クアンタムペリフェラルズ株式会社などを経て2010年に同社へ入社し、タイや欧州拠点の代表取締役社長を歴任。取締役営業統括担当兼グローバル事業部長の蒋思懿氏は、旭硝子化工貿易(上海)有限公司や日本アジア投資株式会社を経て同社へ入社。米国拠点の代表取締役社長や麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司総経理も兼任中。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の酒井誠氏は1954年1月生まれ。1977年4月日産自動車株式会社へ入社。1990年5月にイリノイ大学経営大学院の修士号を取得し、その後日本アジア投資株式会社や日本デルファイ・オートモーティブシステムズ株式会社、株式会社ネットライダーズ・デイトナの代表取締役社長を経験し、2001年1月に同社を設立。麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司執行董事、Mark Lines North America, Inc.取締役、Mark Lines (Thailand )Co., Ltd .取締役、Mark Lines Europe GmbH代表取締役社長、株式会社自動車ファンド代表取締役社長を兼任。

報告セグメント

「情報プラットフォーム事業」、「ベンチマーキング事業」、「LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業」、「コンサルティング事業」、「プロモーション広告事業」、「人材紹介事業」の6報告セグメントに大別され、2020年12月期の売上高2,663百万円の構成比は、情報プラットフォーム事業72.4%、ベンチマーキング事業10.5%、LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業5.1%、コンサルティング事業7.2%、プロモーション広告事業1.3%、人材紹介事業3.5%である。セグメント別の営業利益は、情報プラットフォーム事業1,085百万円、ベンチマーキング事業65百万円、LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業35百万円、コンサルティング事業33百万円、プロモーション広告事業24百万円、人材紹介事業19百万円となっており、全社費用を差し引くと連結営業利益は960百万円であった。
なお、主力の情報プラットフォーム事業の売上高に占める国内比率は50%強である。

事業モデル

情報プラットフォーム事業は、自動車産業に関連する企業が必要とする世界各国のサプライヤー情報(発注・納入、拠点データ、動向等)、生産・販売に関する統計データ、技術・市場動向に関するレポート、予測を含めたモデルチェンジデータ等を、検索サイト「情報プラットフォーム」にて提供する。プラットフォーム利用者から安定した収益源の見込めるストックビジネスである。

同社HP HOME>会社情報>会社概要

ベンチマーキング事業は、注目車種の車両分解調査レポート、関心の高い車載製品の解析データやレポートの取り扱いや、ベンチマーキング活動に必要な部品や車両の調達を代行するサービスを提供。
LMC Automotive Ltd.製品(市場予測情報)販売事業は、イギリスの調査会社LMC Automotiveによる自動車市場予測情報(地域別の乗用車生産予測、乗用車販売予測、中大型商用車、新興国市場予測)を提供する。
コンサルティング事業は、CASE関連などの技術・市場の動向調査、サプライチェーンなどの調達状況調査等を、顧客の依 頼に応じて個別対応する。同社が蓄積した情報や独自の知見、社内外専門家のネットワークを駆使して、付加価値の高いサービスを提供している。
プロモーション広告事業は、同社の製品・技術・サービスを情報プラットフォームの会員に対してPRメール、ウェブサイト上の製品情報掲載やバナー広告等でPRすることにより、販促活動を効率的に支援するB2Bのプロモーション支援サービス「LINES」を展開する。

同社HP HOME>会社情報>会社概要

人材紹介事業は、自動車関連企業からの技術・営業・管理・企画等の様々な求人要望にマッチした適確人材を紹介するサービス。
自動車産業は、脱炭素社会への機運の高まりから、電動化の流れが一気に加速するなど大きな変革期を迎えており、自動車産業に関連する同社のサービスは引き続き安定的に成長していくと同社は見込んでいる。

競合他社

自動車産業に特化したポータルサイトを運営する競合企業は存在しないとみられる

連結の範囲

同社グループは、同社と子会社6社(Mark Lines North America,Inc.、麦柯莱依斯信息咨詢(上海)有限公司、Mark Lines (Thailand )Co.,Ltd.、Mark Lines Europe GmbH、Mark Lines India Pvt. Ltd.、株式会社自動車ファンド)で構成される。株式会社自動車ファンドは、2021年1月より「自動車産業支援ファンド2021」を組成し、投資活動を本格的にスタートしている。

強み・弱み

自動車関連事業従事者31万人以上とインターネットを通じて双方向コミュニケーションで繋がっており、情報プラットフォームサービスでは他社と激しく競合する環境にないことが強み。特定の顧客や業界に依存しない収益基盤を構築しているが、自動車産業そのもの縮小局面においては、業績へ与える影響が大きいというリスクを抱える。

KPI

下記の指標が2020年12月期におけるKPIとみられる。
①各事業セグメントの損益
②情報プラットフォーム事業 地域別売上高
③情報プラットフォーム事業 業種別/職種別構成比
④情報プラットフォーム事業 契約者数3,637社(前期比+371社)

業績

2016年12月期から2020年12月期までの5期をみると、売上高は1,432百万円から2,663百万円、経常利益は510百万円から957百万円と増収増益。自動車産業全体への関心が高まり、電動化等への研究開発投資が増加する中、同社サービスへの需要も増加していることが背景とみられる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは2017年12月期以降マイナス。自己資本比率は70%前後で推移。