4425 Kudanの業績について考察してみた

4425 Kudanの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 71 -110 -154.93%
FY2022.Q4 2022.03 90 -103 -114.44%
FY2023.Q1 2022.06 103 -138 -133.98%
FY2023.Q2 2022.09 52 -174 -334.62%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q3 2018.12 15 -52 -346.67%
FY2019.Q4 2019.03 40 -31 -77.5%
FY2020.Q1 2019.06 182 95 52.2%
FY2020.Q2 2019.09 16 -92 -575%
FY2020.Q3 2019.12 11 -125 -1136.36%
FY2020.Q4 2020.03 247 131 53.04%
FY2021.Q1 2020.06 7 -123 -1757.14%
FY2021.Q2 2020.09 23 -115 -500%
FY2021.Q3 2020.12 19 -111 -584.21%
FY2021.Q4 2021.03 78 -102 -130.77%
FY2022.Q1 2021.06 33 -112 -339.39%
FY2022.Q2 2021.09 77 -108 -140.26%
FY2022.Q3 2021.12 71 -110 -154.93%
FY2022.Q4 2022.03 90 -103 -114.44%
FY2023.Q1 2022.06 103 -138 -133.98%
FY2023.Q2 2022.09 52 -174 -334.62%

沿革

2011年1月に、同社代表取締役の大野智弘がKudan Limited(現:同社完全子会社)を英国に設立。AP(Artificial Perception:人工知覚)技術の基礎となるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)の研究開発をおこなっていた。APは人間の「眼」と同様に、機械に高度な視覚的能力を与える。またSLAMとはコンピュータが現実環境において自己位置の推定と3次元立体地図の作成を同時におこなう技術を指す。2014年11月、業容拡大による管理部門の拡張を目的として東京都にKudan株式会社を設立し、翌2015年にKudan limitedを完全子会社化。2020年1月米国のコンピュータビジョン企業アーティセンス社の子会社化に向けた段階的な株式取得契約を締結、2021年12月全株式を取得し完全子会社化した。株式は2018年12月、東証マザーズへ上場、2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。人工知覚技術の研究開発及びソフトウェアライセンスの提供

2023年3月期2Q決算説明

株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末日時点の筆頭株主は、代表取締役の大野智弘氏で32.94%を保有。続いてスイスのプライベートバンクであるUNION BANCAIRE PRIVEEが9.38%を保有。同社CTOのJohn Williams氏と、大株主のJun Emi氏が海外居住者であるため、両氏の所有分がこのプライベートバンクに含まれる。以降は保有割合5%未満で国内証券、上場ベンチャーに支援を行うグロース・キャピタル株式会社、海外金融機関などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、社外4名のうち3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名はいずれも監査法人出身者。飯塚健氏は2019年6月にKudan Funds株式会社(現:Kudan Vision株式会社)の代表取締役に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役の大野智弘氏は1969年11月生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、1993年4月にアンダーセン・コンサルティング東京事務所(現:アクセンチュア株式会社) に入社。東南アジアやアメリカ、ヨーロッパでコンサルティング業務に従事する。2002年3月よりイギリスのベンチャー企業に役員として勤務する。その後2011年1月、イギリスにてKudan Limitedを創業し、2014年11月には日本にて同社を設立し、以降代表取締役を務める
代表取締役CEOの項大雨氏は1984年8月に中国で生まれる。小学校時代より日本で育ち、東京大学の修士課程を修了。専攻は機械工学である。2009年4月から7203トヨタ自動車に勤務し、2014年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。先端技術の領域で経営に近く、グローバルな仕事をしたいとの思いから2016年11月同社に入社した。2017年より取締役COOを務める

報告セグメント

「AP事業」とCVC事業の2報告セグメント。2023年3月期第2四半期累計期間の売上高155百万円の構成比はAP事業が87.2%、CVC事業が12.8%。セグメント利益はAP事業が▲319百万円の赤字だった一方、CVC事業は7百万円の黒字だった。

事業モデル

コンピュータやロボットの「眼」に相当するAP技術の研究開発と、関連するアルゴリズムをハードウェアに組み込むためのソフトウェアライセンスを提供している。おもに半導体・センサー・カメラ企業にソフトウェアライセンスを提供する。主要な取引先は9434ソフトバンク(2022年3月期の全体売上高に占める割合27.6%)と株式会社NTTドコモ(同23.6%)研究開発の拠点をイギリスに置き、日本では管理業務をおこなう。2020年7月よりグループ会社となった米国のアーティセンス社と共同で研究開発に取り組む。同社と相互補完可能なSLAM技術を有する企業である。
CVC事業ではスタートアップ企業に投資を行っているとみられる。
APはカメラや3次元センサがつくあらゆる機器に使用される。たとえば産業用ロボットや自動車、ドローンなどの自動制御や、AR・VRの空間認識に必須の技術である。また関連技術であるAIやIoTとの技術統合も想定され、今後AP市場は拡大すると考えられる。

競合他社

同社のAP技術はSLAMを中心としており、Deep Tech層に位置する。商用としての競合はほぼいない。さらに、同社のようにSLAMを専業にする企業はAppleやFacebook、Nianticなどの大手企業による買収が続いており、国内上場企業の競合は見当たらない。

2023年3月期2Q決算説明

連結の範囲

連結子会社は6社。主要な子会社は研究開発拠点の中核であるイギリスのKudan Limitedで、売上高は連結売上高の10%を超える。他に米国に拠点を置き2021年12月に完全子会社化したアーティセンス社およびその子会社2社などで構成される。

強み・弱み

競合が少ないDeep Tech層でのポジショニングと、技術の柔軟性が強み。同社グループの技術は多様なセンサ、演算処理のプラットフォームに対応できる。2020年5月にNTTドコモ主催の5G DXアワードにおいて準優秀賞を受賞、2021年3月にはヨーロッパの組込みソリューションにおける世界最大級のイベント「embedded world 2021 DIGITAL」のスタートアップカテゴリにおいて最優秀賞を受賞した。現在はほとんどの案件が研究開発費が先行する赤字の事業フェーズとみられ、予想よりも早いスピードで市場が成長すると見られる中、資金調達や研究開発が遅れを取らず早期収益化が図れるかが懸念点と考えられる。

KPI

①顧客製品化に向けた案件状況:下図
②為替動向

2021年3月期 通期決算説明

業績

売上高は2020年3月期まで堅調に増加するも、2021年3月期は開発スケジュールに遅延が発生したことにより前期比▲72%の127百万円で着地。2022年3月期は再び増収となった。経常利益は2018年3月期、2019年3月期を除いてマイナスである。2021年3月期はアーティセンス社に対する投融資に対する減損処理をおこない、▲1,575百万円となった。フリーCFはアーティセンス社子会社化による影響等によりマイナス幅が拡大している。自己資本比率は2020年3月期以外90%代と高い水準で推移している。

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