4057 インターファクトリーの業績について考察してみた

4057 インターファクトリーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2003年6月に有限会社インターファクトリーを設立し、2004年1月よりECサイト構築ソフト「EC VALUE MARKET」の提供を開始。2006年7月に株式会社インターファクトリーに改組。当初はECパッケージを主力に展開していたが、2010年よりクラウドECに特化したサービス提供を開始。2020年8月に東証マザーズに上場。本社は東京都千代田区。大規模EC事業者を対象としたクラウド型EC構築プラットフォームの提供・保守業務が主力

株主構成

2021年5月期第2四半期報告書よると2020年11月末時点の大株主は、筆頭株主が代表取締役社長兼CEOの蕪木登氏で41.7%、次いで創業家一族とみられる蕪木有紀氏が8.6%、以降は保有割合5%以下で国内証券4社、取引先であるヤマトフィナンシャル株式会社、や、同社新旧取締役、インターファクトリー従業員持株会が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。取締役兼CFOの赤萩隆氏は、有限責任あずさ監査法人アーク有限責任監査法人を経て同社に入社しており、公認会計士資格と税理士資格を保有する。また取締役兼CMOの三石祐輔氏は、同社入社前に3社の会社設立経験を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼CEOの蕪木登氏は1973年10月生まれ。大学中退後、1998年4月に株式会社システムマネージメントに入社し、株式会社ケー・ソフトを経て、2003年6月に同社を設立。2006年7月に改組後、現職に就任した。

報告セグメント

「クラウド型ECプラットフォーム構築事業」の単一セグメントで、「システム受託開発」と「システム運用保守」、「その他」の3つのサービスから構成される。2020年5月期の売上高は1,830百万円で、システム受託開発(フロー収益)が714百万円で39.0%、システム運用保守(ストック収益)が1,083百万円で59.2%、その他が32百万円で1.7%を占める。サービス毎の利益は公表されていない。

事業モデル

クラウド型ECプラットフォームebisumartのシステム受託開発サービスとシステム運用保守サービス、その他サービスを提供する。ebisumart導入サイトは「BtoB」「BtoC」を問わず多岐にわたる業種で700サイト以上であり、国内のSaaS市場(非カート型)におけるクラウドECシェアは77.6%とトップを誇る。20201年5月期の販売チャネル別の売上高は91.5%が直販で、7.5%がOEM、残りが1.0%が代理店・取次
システム受託開発サービスではebisumart提供企業毎にシステムのカスタマイズを実施。設計から納品までの一連の業務を同じスタッフが担当することで、スムーズなサービス対応を実現する。顧客からカスタマイズに応じて受け取るカスタマイズ料を収益源とする、フロー型ビジネスモデルを構築する。
システム運用保守サービスでは、ebisumart納品後に専門スタッフによる保守サービスやコンサルティングサービスを提供。週ごとに機能の追加や更新、修正を実施し、顧客にとって最適かつ最新のサービスを提供する。主な収入源は顧客から受け取る月額利用料で、ストック型ビジネスモデルを構築する。月額利用料は、基本料金に加えて課金型の変動料金、オプションサービス利用料のほか、一部レベニューシェアを導入している。

2021年5月期第3四半期決算説明資料

その他サービスでは、広告サービスや商品のレコメンド機能、運用代行サービス等の各種サービスを顧客企業に提供する。
2019年のBtoCのEC市場規模は前年比+7.6%の19.3兆円に拡大しているが、EC化率は6.8%と海外に比べ低く、成長拡大の余地を残す。BtoBのEC市場規模も前年比+2.5%の353兆円に拡大傾向が続き、EC化率は31.7%である。国内エンタープライズ向けEC市場は日本独自の商習慣などから海外大手ベンダーには参入障壁が高くなっている。

競合他社

ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」を提供する3371株式会社ソフトクリエイトホールディングス(2021年3月期売上高24,238百万円)、個人事業主や中小事業者向けのECプラットフォーム「BASE」を提供する4477BASE株式会社(2020年12月期売上高8,288百万円)、中小・中堅ECサイト向け運用支援サービスを提供する4496株式会社コマースOneホールディングス(2021年3月期売上高2,520百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる子会社や関連会社を持たない

強み・弱み

ebisumartの拡張性と最新性を背景に、業界大手を含む豊富な顧客へ導入してきた実績と高いシェアは強み。EbisumartはASPサービスならではの最新システムの更新が可能な点に加えて、顧客要望に合わせたフルカスタマイズを実現できることから高い拡張性を持つ。また週ごとにアップデートを行うことで、マーケットニーズや顧客ニーズを細やかに反映する。顧客の要望が多い機能は順次標準化されていくため、カスタマイズ工数が削減されて顧客の改修コストが抑えられる点も魅力である。東京・福岡の2拠点体制から全国への展開による事業拡大を予定しており、エンジニア採用が順調に進むかは懸念点である。

2021年5月期第3四半期決算説明資料

KPI

KPIには①受注件数増加率、②受注残高増加率、③顧客数の推移、④GMVおよび店舗当たりのGMVの推移の採用達成率が挙げられる
①受注件数増加率:前期四半期平均受注件数比+23.7%(2021年5月期第3四半期)
②受注残高増加率:前期四半期平均残高比+42.6%(同)
③顧客数の推移(同)
④GMVおよび店舗当たりのGMVの推移(同)

2021年5月期第3四半期決算説明資料

業績

2016年5月期から2020年5月期にかけて売上高は2.2倍、経常利益は約23倍に拡大。ストック型収益の比率上昇が業績拡大及び利益率向上に寄与した。直近の2021年5月期第3四半期は、新型コロナ感染症対策によるEC取引の増加から新規のシステム受託開発が増加し、第3四半期累計の売上高は前年同期比+16.5%、経常利益は前年同期比+23.2%となった。CF計算表が作成された2018年5月期以降、フリーCFは徐々にプラス幅拡大。財務CFは2019年5月期以降、マイナスを継続。自己資本比率は2020年5月期で31.5%。前期の23.5%から改善した