4477 BASEの業績について考察してみた

4477 BASEの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2012年12月BASE株式会社として東京都に設立し、Eコマースプラットフォーム「BASE」の提供を開始。2014年3月独自の決済システム「BASEかんたん決済」を搭載して以降、順次クレジットカード、Pay-easy(ペイジー)、銀行振込、後払い、キャリア決済などへも対応拡大。2015年9月オンライン決済サービス「PAY.JP」、2016年6月ID型決済サービス「PAY ID」の提供を開始。ネットショップの作成ツール、ショッピングアプリ「BASE」運営を提供するほか、オンライン決済サービスの企画・開発・運営をする会社である。2019年10月東証マザーズ上場。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の鶴岡裕太氏が14.47%を保有。次いで、GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人ゴールドマン・サックス証券株式会社)が6.23%、株式会社丸井グループが5.65%を保有。そのほかに、国内外の金融機関の信託口などが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は5名(社内2名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。取締役上級執行役員CFOの原田健氏は、株式会社安藤・間や株式会社ミクシィ、株式会社フリークアウト・ホールディングスなどの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の鶴岡裕太氏は創業者で、1989年12月生まれ。実家が小売業を営んでおり、実家の家業でオンライン小売ビジネスにハードルがあることを実感。Eコマースの課題となっていた決済機能の導入に係る審査期間の短縮や、誰でもデザイン性の高いネットショップを開設できる仕組みの提供を目的に創業に至った。BASE BANK株式会社の代表取締役や株式会社CAMPFIREの社外取締役も兼任する。

報告セグメント

「BASE事業」、「PAY事業」および「その他事業」の3報告セグメントに大別される。2021年12月期の売上高9,931百万円の構成比は、BASE事業84.7%、PAY事業は14.6%、その他事業は0.7%である。セグメント損失は、BASE事業▲703百万円、PAY事業▲38百万円、その他事業▲52百万円であり、調整額を差し引いた営業損失は▲977百万円であった。

事業モデル

BASE事業は、Eコマースプラットフォーム「BASE」を展開。ネットショップの作成サービスと、ショッピングアプリ運営の主に2つのサービスで構成され、いずれのサービスも「BASE」の名前で展開する。ネットショップ作成サービスは決済機能・デザイン性・トランザクション解析などの必須の機能を備える。「BASE」は、専門的なWebサイト構築やWebデザインの技術を使わずに、同社が提供するデザインテンプレートを選択するだけで、誰でも簡単にデザイン性の高いネットショップを作成することが出来る。また、Eコマース運営の課題となっていた決済機能の導入に係る時間を短縮する仕組みとして、同社独自の決済システム「BASEかんたん決済」を提供し、ネットショップの開設から決済機能の導入までをワンストップで提供することで、これまでネットショップの作成時間、運営費用、Web技術など様々な理由で、ネットショップを始めることが困難だった方でも、手軽にネットショップの開設・運営を始めることができる仕組みを構築。初期費用・月額費用は無料で、商品販売時に取引金額に対して決済手数料やサービス利用料を徴収するビジネスモデル。
PAY事業では、「PAY.JP」と「PAY ID」の2つのオンライン決済サービスを展開。「PAY.JP」はシンプルなAPIと豊富なライブラリで簡単にオンラインショップへ組込が可能な決済機能で、最短で翌営業日から実運用が可能となる。導入サイトでの購入情報と決済代行業者からの決済情報とを加盟店へ受け渡し、決済代行業者からの代金回収と加盟店への支払い機能を提供する。取引金額に対する決済手数料を徴収しており、手数料率はプラン別に異なる。「PAY ID」は購入者向けのID決済サービスで、事前登録しているアプリを用いて、ID/PW入力によるオンライン決済、QRコード読取型のオフライン決済が可能
その他事業ではBASEを利用するネットショップ運営者に対して事業資金を提供するビジネスを展開している。

2022年12月期第3四半期 決算説明会資料

国内BtoC-EC市場は、ネット上での販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、スマートフォンの普及、SNSによる情報流通量の増加等を背景に引き続き順調な市場拡大が見込まれている。また、昨今のSNSの普及により、購入者はネットショップで何らかの商品・サービスを購入する際に、その商品・サービスの販売者と直接交流をして商品・サービスの情報を取得したうえで、商品・サービスの「ユニークさ」や「ニッチさ」、ショップの世界観や販売者のパーソナリティに価値を見出して、購入するようになってきていると考えており、今後もSNSを活用した「個」の情報発信と「個」同士のダイレクトな交流による商品販売の流れがさらに強まるものと同社は考えている。

競合他社

ネットショップやオンライン小売サービスを展開している4755楽天(直近決算期売上高1兆4,555億円)や4689Zホールディングス(直近決算期売上高1兆2,058億円)、米Amazon(直近決算期売上高3,860億ドル)などのビジネスプラットフォームを提供している企業が競合として挙げられる。BASEの利用者の約7割が個人で運営しているオーナーで、オリジナル商品の販売も約7割との性質からは、4385メルカリ(直近決算期売上高1,061億円)なども競合サービスに該当すると考えられる。楽天やZホールディングス、通信キャリア傘下の電子決済サービス事業者など様々なプレイヤーにより乱立する電子決済ツールはPAY事業の競合となる。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社であるPAY株式会社及びBASE BANK株式会社の計3社で構成され、Eコマースプラットフォーム、オンライン決済サービス及び資金調達サービス等の事業を営む。

強み・弱み

小売業のバックグラウンドを持つカリスマ的なCEO鶴岡氏の存在と、厚い顧客基盤を有している点が強みである。電子商取引市場においては、ネットショップ作成サービスやショッピングアプリの開発・提供、及び決済代行サービス等のいずれの分野でも現在複数の競合会社が存在しており、機能競争、価格競争が活発化している点が懸念点。

KPI

同社は、GMV(流通取引総額)をKPIとして開示している。

2022年12月期第3四半期 決算説明会資料

業績

2018年12月期から2020年12月期の3期を見ると、GMVの増加により2020年12月期に営業損益・最終損益ともに黒字化。海外募集による新株式発行で2020年10月に124億円(払込金額ベース)を調達。同年8月に実施した国内大手銀行4行から総額45億円の借入枠の確保と合計し約170億円のファイナンスを実施している等潤沢な資金を調達。2021年12月期第3四半期の自己資本比率は54.5%。2020年12月期に入り、営業CFは大幅に改善、投資CFは資本業務提携のための投資有価証券の取得によりマイナスであった。

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