2477 手間いらずの業績について考察してみた

2477 手間いらずの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2003年8月に比較サイトの運営を目的として、比較.com株式会社を設立。2005年11月にロボット型比較検索エンジンを用いた価格比較サービスを開始。2006年3月に東証マザーズに上場。2009年4月に宿泊予約サイトコントローラー「手間いらず!」を運営する有限会社プラスアルファを吸収合併。2008年4月に住友商事の子会社でオンライン旅行会社のグローバルトラベルオンライン株式会社を吸収合併。クラウド型宿泊与作管理システム「手間いらず.NET」の運営・販売を開始。2017年10月に手間いらず株式会社に商号変更。2020年3月に東証一部に再上場。本社は東京都渋谷区。東証プライム市場に区分。宿泊施設向けに予約管理システム「手間いらず.NET」を販売する。

株主構成

2022年6月期第2四半期報告書によると、2021年12月31日時点で筆頭株主は代表取締役社長の渡邉哲男氏で59.7%、次いでJP MORGAN CHASE BANK 385839が5.3%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口が5.2%、その他は保有割合5%未満でJP MORGAN CHASE BANK 385632、株式会社日本カストディ銀行の信託口、OLD WESTBURY SMALL AND MID CAPSTRATEGIES FUND、SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT、THE BANK OF NEW YORK MELLON 140042と続く。その他には海外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役5名(社内1名、社外4名)、監査等委員3名 (全員社外)、監査等委員会設置会社である。社外取締役の鈴木一夫氏は弁護士資格を保有しており、2010年9月に現職に就任。監査等委員には税理士資格を保有する社外取締役や三菱UFJ信託銀行出身者等、多様な取締役が就任する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の渡邉哲男氏は1971年10月生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、1998年4月にウィズ・パートナーズに入社。2003年8月に同社を設立し、現職に就任した。

報告セグメント

「アプリケーションサービス事業」と「インターネットメディア事業」の2セグメントに大別される。2022年6月期第3四半期の売上高1,213百万円の内、アプリケーションサービス事業が1,192百万円で98.3%、インターネットメディア事業が20百万円で1.6%を占める。
セグメント利益の9割以上をアプリケーションサービス事業が創出する。セグメント利益率はアプリケーションサービス事業が70%台後半、インターネットメディア事業が60%台から70%台前半を推移する。

事業モデル

主力のアプリケーションサービス事業では宿泊施設向け予約管理システム「手間いらず」を販売する。手間いらずでは、複数の宿泊予約サイトに掲載する客室在庫やプランの販売価格、宿泊者の予約情報等を一元管理できる。宿泊施設が複数の宿泊予約サイトを利用した際の、在庫が残るサイトと不足するサイトが発生するリスクに対して、中心機能であるサイトコントローラーが予約状況の監視や各サイトへの客室の再配分、価格設定等を自動的に行い、売れ残りの最小化と省力化に資する。収入源は宿泊施設から得る月額基本料やオプション利用料等の月額固定収入と、予約数に応じて変動する通信料である。国内外の大手宿泊予約サイトから福利厚生系等まで幅広い宿泊予約サイトと連携。メタサーチサイトとの連携で国や地域に限定しない自社HPのへの誘導も可能である。世界最大級の予約サイトBooking.comの国内唯一の推奨サイトコントローラーに認定されている他、民泊最大手のAirbnbと国内予約サイトコントローラー初のシステム連携を実施する。

手間いらず公式HP  サービス>手間いらず>サイトコントローラー手間いらずとは

インターネットメディア事業では、比較サイト「比較.com」を中心とした広告媒体の運営を行う。比較.comではショッピングや旅行、資産運用、プロバイダ等の幅広い分野において商品・サービスに関する情報を比較形式で提供する。ユーザーは比較.comを通して気になる商品・サービスの資料請求や申込みができ、広告主からの広告掲載料が主な収入源となる。
サービスの販売においては代理店を一部利用しており、一般管理費に給与手当の3割程度の代理店手数料を計上する。

競合他社

上場企業ではインターネットメディア事業の競合他社として、価格比較サイト「価格.com」を運営する2371カカクコム (2022年3月期売上収益51,723百万円)が挙げられる。
非上場企業ではアプリケーションサービス事業の競合他社として、予約サイトコントローラー「TL-リンカーン」を運営する株式会社シーナッツ(株式会社リクルートと株式会社JTBが共同出資)や、同種サービス「ねっぱん!サイトコントローラー++」と運営する株式会社クリップス(4755楽天のグループ会社)が挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる子会社・関連会社を持たない

強み・弱み

強みとしてシステム開発を自社で行っている点が挙げられる。同社は独立系宿泊予約サイトコントローラーとして自社でシステム開発を全て行う。競合の「TL-リンカーン」や「ねっぱん!サイトコントローラー++」はじゃらんや楽天等の予約サイト運営会社の系列サービスであり、顧客管理システムや予約管理システムもグループ会社が提供しているケースが多い。一方で、手間いらずは系列ならではのしがらみがなく、多くのシステムや予約サイトへの対応が可能であり、ノウハウの蓄積が図れる
懸念点として、同社の売上高の9割以上を構成するアプリケーションサービス事業への売上偏重が挙げられる。

KPI

KPIにはシステム開発に伴う①設備投資額の他、公表されていないアプリケーションサービス事業における②顧客単価と③顧客数などが考えられる
①設備投資額(2021年6月期):1,898千円
②顧客単価
③顧客数

業績

売上高は2017年6月期から2019年6月期にかけて、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の取り込みに向けて、アジアを中心とした海外の予約サイトやホールセラー等の販売チャンネルとシステム連携を進め、+47.8%に増加した。2020年6月期は第4四半期に新型コロナ流行による販売不振を受けたものの、上半期の売上が好調に推移したことから前期比+21.5%の増加となった。2021年6月期はコロナ禍での通信料売上の減少や解約が増え、前期比▲2.4%の減少。経常利益は2017年6月期から2020年6月期にかけて2.4倍に増益。2021年6月期はインターネットメディア事業での既存システムの改修による費用が嵩み、前期比▲1.5%の減益となった。フリーCFは過去5期でプラスを推移。自己資本比率は90%台前半を推移する。

2477 手間いらず
のオルタナティブデータあります

関連ありそうな記事