4012 アクシスの業績について考察してみた

4012 アクシスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1991年6月東京都にて株式会社アクシス設立。2006年1月株式会社アイティーソリューションを子会社化。2017年7月株式会社アイティーソリューションからシステムインテグレーション事業を譲り受け、同社を解散する。2018年10月3964オークネットから吸収分割により承継したクラウドサービス事業を開始。2020年9月東証マザーズに上場金融分野を中心とした業務アプリの設計開発や運用保守、インフラシステムの設計構築などを手掛ける

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役の小倉博文氏で58.62%を保有。次いで取締役の日向宏氏が7.0%。以下5%未満の保有で、同社取締役、国内証券、金融機関などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は8名(社内6名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない取締役はシステム関連企業出身者が3名、現在の三井住友銀行出身者、公認会計士が各1名で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役の小倉博文氏は1961年12月生まれ。学歴は不明。1984年4月株式会社アクトリソース(現4662フォーカスシステムズ)入社。1987年1月株式会社アイ・エス・エーへの転職を経て1991年6月同社設立、代表取締役に就任した。

報告セグメント

「システムインテグレーション事業」の単一セグメントだが、ほかにクラウドサービス事業を行っている2021年12月期第1四半期の売上高1,005百万円の構成比は、システムインテグレーション事業93.7%、クラウドサービス事業6.3%だった。2020年12月期の分野別売上構成は、金融分野63.5%、公共/インフラ16.4%、その他非金融20.1%。同期の主要顧客に対する売上は株式会社JSOL13.6%、6702富士通11.2%、8056日本ユニシス10.3%だった。利益の内訳開示は無い。

事業モデル

システムインテグレーション事業は、金融機関、公官庁等の公共機関、一般事業会社等もしくは一次請けとなるシステムインテグレーターを顧客とし、各種業務アプリケーションの設計開発および運用保守業務を請け負う業務アプリケーション開発サービスと、インフラシステムの設計構築業務および運用保守業務を請け負うインフラシステム構築サービスを提供する。金融分野ではFintech、非金融分野では次世代SI等を成長領域と定義し、同領域の2020年12月期売上高1,361百万円で全体売上の36.6%、2016年12月期の622百万円、23.2%から拡大した。

2021年12月期第1四半期決算補足説明資料

クラウドサービス事業は、商用車の位置情報や走行距離等をリアルタイムで把握することを可能にするフリートマネジメントサービス「KITARO」を提供している。2018年10月に他社より譲り受けて事業を開始。クラウドサービスによる提供のため、車両ごと月々利用料を徴収するサブスクリプションモデルを採っている。またアフィリエイターの紹介による契約実績に応じて紹介料を支払うアフィリエイトプログラムを提供している。
矢野経済研究所によると、2020年度のIT市場規模は前年度比0.1%増の12兆9,000億円。2021年度はコロナ禍における業績不振の影響を受け不要不急の投資は先送りされ、規模縮小となることを見込むが、2022年度以降は世界経済の立ち直り、AI/IoTや5Gの普及により緩やかな市場成長を見込んでいる。

競合他社

金融分野のシステムで実績のあるシステムインテグレーターとして、4812ISID(2020年12月期売上高108,679百万円)、3677システム情報(2020年9月期売上高12,771百万円)、3636三菱総合研究所子会社の三菱総研DCS(同51,557百万円)、株式会社コスメディア(非上場)などが挙げられる。

連結の範囲

2021年4月に連結子会社化したシステムインテグレーションを主な業務とする株式会社ヒューマンソフトが該当する。

強み・弱み

主力の金融分野にてソフト、ハード両面の設計・開発・テストから維持管理まで一貫サポートする体制を持つことが同社の強み。2019年12月期では取引年数5年以上が79.4%、クライアント業界別構成比で大手SIerと大手金融グループが81.8%に達するなど、複数の大手クライアントと安定した取引関係を構築している。金融分野の売上割合が高いが、公共/インフラ関係へ注力し、2019年12月期売上高の16.4%まで成長している。今後は顧客との直接取引拡大を目指しており、取引単価上昇が図れるかが課題

2020年12月期決算説明資料

KPI

①SI事業プロジェクト件数、平均単価(2020年12月期:210件、16,585百万円)
②「KITARO」契約残高台数(2020年12月末現在:7,694台)
③SI要員数

2020年12月期決算説明資料

業績

売上高は2015年12月期以降、CAGR11%で成長。直近2020年12月期売上高は3,723百万円で、5年間で約1.7倍になった。営業利益は2017年12月期まで増益も、その後平均受注単価の低下および人件費増加などにより2期連続減益2020年12月期は業容拡大を受け増益となった。確認可能な2018年12月期以降のフリーCFはプラスを維持。自己資本比率は上昇基調で2020年12月期は72.6%。