4482 ウィルズの業績について考察してみた

4482 ウィルズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年10月東京都千代田区にインベスター・ネットワークス株式会社として設立された。現在では上場企業約302社が利用するIR活動支援ツール「IR-navi」を2005年11月にリリースし、その後も「株主ポイント倶楽部」や「プレミアム優待倶楽部」、電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」などにサービスを拡大。2017年1月株式会社ウィルズへ商号変更。2019年12月東証マザーズ上場。

株主構成

有価証券報告書によると2020年6月末時点の大株主は、創業者で代表取締役社長の杉本光生氏で26.07%、次いで専務取締役CFOの蓮本泰之氏で13.10%、杉本氏の資産管理会社とみられるSUGアセット株式会で6.96%、日本トラスティ・サービス信託銀行の信託口で4.47%、以下は5%未満の保有者で杉本氏の親族や取締役などの個人名が中心である。

取締役会

取締役は6名(社内5名、社外1名)、監査役3名(全員社外、常勤1名)、監査役会設置会社である。専務取締役CFOの蓮本泰之氏は三菱商事でローソンへの出向経験を有する経歴、他は社長と同様にアイアールジャパンでの勤務歴を有す2名と、日興証券(現SMBC日興証券株式会社)の出身者である。監査役は常勤含め銀行・監査法人・税理士事務所出身が多くなっている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの杉本光生氏は1966年4月生まれ。株式会社リクルートコスモス (現株式会社コスモスイニシアリクルート)で15カ月、株式会社インテリジェンス (現パーソルキャリア株式会社)で9カ月を経て、アイ・アールジャパン株式会社で4年と1か月を経て、1997年4月に株式会社ストラテジック・アイアールへ入社し専務取締役まで務め、2004年10月に同社を設立。

報告セグメント

「株主管理プラットフォーム事業」の単一セグメント。なお、2020年12月期の売上高2,433百万円のサービス別個別売上高構成比はプレミアム優待が俱楽部が63.1%、Irnaviが11.6%、ESGソリューション事業が14.2%、他1.3%であった。連結営業利益は399百万円でサービス別の開示はない。

事業モデル

「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」を組み合わせたサービスで、同社が顧客ごとに提供する専用サイトを通じて顧客株主は保有株式数や保有年数に応じた株主優待ポイントの付与を受け、電子メールアドレスを含めた登録情報をもとに招集通知を受領したり電子議決権行を行使することなどが可能なサービスである。2020年12月期末で58社へ提供。ストック型のシステム利用料と株主優待ポイントの利用料が主な収益。
「IR-navi」は国内の全上場企業及び海外主要企業約32,000社の機関投資家による株式保有状況を確認可能で、国内投信や海外ファンドの株式保有状況のデータベースが日時で更新され、機関投資家との面談記録などを一元管理することが可能なプラットフォームで、導入企業は株主状況の把握や、投資家のターゲティング、IRの効率化に用いる。導入企業数は302社(プレミアム優待倶楽部の顧客数を含む。同サービス単体では244社)。ストック型のシステム利用料が主な収益。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスである。
その他として、決算説明会やバーチャル株主総会の企画及び運営サポートを行う。
最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX化)の流れを受け、株主管理のオンライン決算説明会、バーチャル株主総会の引き合いが旺盛。2020年12月期は両サービスで38社(前期比+15社)の利用があった。
2019年12月期には主要な顧客として2362夢真ホールディングス宛の売上高188百万円が有価証券報告書に記載された。

競合他社

IRコンサルティング事業は参入障壁が低いため競合企業は多い。CEOの杉本氏の出身企業でもある6035アイ・アールジャパン野村インベスター・リレーションズ株式会社日本シェアホルダーサービス株式会社(三菱UFJ信託銀行グループ) などが機関投資家とのリレーションも強いIRコンサルティング会社として挙げられる。上場企業でも、3807フィスコなど主力事業ではないが手掛けている企業が複数存在する。

連結の範囲

2020年10月1日付で株式会社ネットマイルを完全子会社化し、連結財務諸表の作成を開始。連結子会社は1社。

強み・弱み

IRコンサルティングの経験が豊富な社長が強いリーダーシップを持ち事業遂行している点が強み。なお、一般的な証券業と異なり、許認可免許制ではなく参入障壁が低いため競争が厳しいのが懸念点

KPI

各サービスの顧客数がKPIとなり得る。2020年12月期の実績は下記。
・プレミアム優待倶楽部 : 58社(前期比+15社)
・IR-navi : 302社(同+21社)
・バーチャル株主総会 : 27社(同+12社)
・オンライン説明会」 : 11社(同+3社)

業績

2020年12月期よりネットマイルの完全子会社化に伴い連結業績へ移行しており非連続ではあるが、2017年12月期から2020年12月期までの4期間で売上高3.74倍、経常利益は7.29倍と大幅な増収増益であった。自己資本比率は46.1%。営業CFは安定してプラスで、投資CFは恒常的にマイナス。