4482 ウィルズの業績について考察してみた

4482 ウィルズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 788 122 15.48%
FY2023.Q2 2023.06 1,266 374 29.54%
FY2023.Q3 2023.09 1,294 268 20.71%
FY2023.Q4 2023.12 1,132 150 13.25%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q4 2019.12 617 72 11.67%
FY2020.Q1 2020.03 445 73 16.4%
FY2020.Q2 2020.06 558 136 24.37%
FY2020.Q3 2020.09 607 127 20.92%
FY2020.Q4 2020.12 823 63 7.65%
FY2021.Q1 2021.03 650 65 10%
FY2021.Q2 2021.06 983 229 23.3%
FY2021.Q3 2021.09 938 173 18.44%
FY2021.Q4 2021.12 807 55 6.82%
FY2022.Q1 2022.03 618 67 10.84%
FY2022.Q2 2022.06 1,122 312 27.81%
FY2022.Q3 2022.09 1,142 228 19.96%
FY2022.Q4 2022.12 934 95 10.17%
FY2023.Q1 2023.03 788 122 15.48%
FY2023.Q2 2023.06 1,266 374 29.54%
FY2023.Q3 2023.09 1,294 268 20.71%
FY2023.Q4 2023.12 1,132 150 13.25%

沿革

2004年10月東京都千代田区にインベスター・ネットワークス株式会社として設立された。現在では上場企業約316社が利用するIR活動支援ツール「IR-navi」を2005年11月にリリースし、その後も「株主ポイント倶楽部」や「プレミアム優待倶楽部」、電子議決権行使プラットフォーム「WILLs Vote」などにサービスを拡大。2017年1月株式会社ウィルズへ商号変更、2019年12月東証マザーズ上場。現在は、東証グロース。株主管理プラットフォーム事業及び関連する広告事業を主な事業とする。

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の大株主は、創業者で代表取締役社長の杉本光生氏で24.79%、次いで専務取締役CFOの蓮本泰之氏で13.55%、杉本氏の資産管理会社とみられるSUGアセット株式会社で6.69%、プライベートバンク関連の信託口で3.87%、以下は5%未満の保有者で杉本氏の親族や取締役などの個人名が中心である。

取締役会

取締役は6名(社内5名、社外1名)、監査役3名(全員社外、常勤1名)、監査役会設置会社である。専務取締役CFOの蓮本泰之氏は三菱商事でローソンへの出向経験を有する経歴、他は社長と同様にアイアールジャパンでの勤務歴を有す2名と、日興証券(現SMBC日興証券株式会社)の出身者である。監査役は常勤含め銀行・シンクタンク・税理士事務所出身者で構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの杉本光生氏は1966年4月生まれ。同志社大学商学部を卒業後、株式会社リクルートコスモス (現株式会社コスモスイニシアリクルート)で15カ月、株式会社インテリジェンス (現パーソルキャリア株式会社)で9カ月を経て、アイ・アールジャパン株式会社における4年と1か月のキャリアを経て、1997年4月に株式会社ストラテジック・アイアールへ入社し専務取締役まで務め、2004年10月に同社を設立

報告セグメント

上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」をミッションとして、「株主管理プラットフォーム事業」と「広告事業」の2つの報告セグメントから構成される。祖業である株主管理プラットフォーム事業では、「IR-navi」や「プレミアム優待倶楽部POTAL」、「ESGソリューション」などを手掛けるほか、近年では子会社の株式会社ネットマイルが運営するWeb広告配信「すぐたま」による自社媒体Web広告、Web広告代理店業務などを積極的に展開している。

2021年12月期 決算説明資料

事業モデル

「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」を組み合わせたサービスで、同社が顧客ごとに提供する専用サイトを通じて顧客株主は保有株式数や保有年数に応じた株主優待ポイントの付与を受け、電子メールアドレスを含めた登録情報をもとに招集通知を受領したり、電子議決権を行使することなどが可能なサービスである。2021年12月期末で71社へ提供しており、順調に拡大している。ストック型のシステム利用料と株主優待ポイントの利用料が主な収益である。
「IR-navi」は国内の全上場企業及び海外主要企業約32,000社の機関投資家による株式保有状況を確認可能で、国内投信や海外ファンドの株式保有状況のデータベースが日時で更新され、機関投資家との面談記録などを一元管理することが可能なプラットフォームで、導入企業は株主状況の把握や、投資家のターゲティング、IRの効率化に用いる。導入企業数は316社。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスである。
その他として、決算説明会やバーチャル株主総会の企画及び運営サポートを行う。
最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX化)の流れを受け、株主管理のオンライン決算説明会、バーチャル株主総会の引き合いが旺盛。2021年12月期は両サービスで135社(前年同期は45社)の利用があった。

競合他社

IRコンサルティング事業は金融機関系列をはじめとして競合企業は多い。CEOの杉本氏の出身企業でもある6035アイ・アールジャパン(2022年3月期売上高8,402百万円)や野村インベスター・リレーションズ株式会社日本シェアホルダーサービス株式会社(三菱UFJ信託銀行グループ) などが機関投資家とのリレーションも強いIRコンサルティング会社として挙げられる。上場企業でも、3807フィスコ(2021年12月期売上高1,156百万円)など主力事業ではないが手掛けている企業が複数存在する。

連結の範囲

2020年10月1日付で株式会社ネットマイルを完全子会社化し、連結財務諸表の作成を開始した。2021年12月末時点で連結子会社は同社1社のみ。

強み・弱み

IRコンサルティングの経験が豊富な社長が強いリーダーシップを持ち事業遂行している点が強み。なお、IRコンサルティング業界は許認可による制限はなく、参入障壁が高いとは言えないことから、顧客企業をめぐる競争が厳しい点が懸念点。

KPI

同社の主要ビジネスである株主管理プラットフォーム事業における顧客数がKPIとして考えられる。
①    プレミアム優待倶楽部 71社 (2021年12月期、前期比+13社)
②    IR-Navi 316社 (2021年12月期、前期比+14社)
③    バーチャル株主総会 40社 (2021年12月期、前期比+3社)
④    オンライン説明会 95社 (2021年12月期、前期比+20社)

2021年12月期 決算説明資料

業績

2020年12月期よりネットマイルの完全子会社化に伴い連結業績へ移行しており非連続ではあるが、2017年12月期から2020年12月期までの4期間で売上高3.74倍、経常利益は7.29倍と大幅な増収増益を達成し、2020年12月から始まった連結基準で見ても、2021年12月期は売上高3,378百万円(前期比+945百万円)、経常利益520百万円(前期比+119百万円)と増収増益基調を維持している。自己資本比率は50.5%。営業CFは安定してプラスで、投資CFは恒常的にマイナスである。

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