3807 フィスコの業績について考察してみた

3807 フィスコの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1994年4月に株式会社三爾の一事業部として、QUICK社とロイター社向けに情報提供開始。1995年5月に株式会社三爾より配信事業と月刊誌発行事業を引き継ぎ、株式会社フィスコを設立。2002年8月に投資参謀事業を開始。同年10月に個人向け情報提供サイト「CLUB FISCO」の運営を開始。2006年6月にJASDAQ(グロース)に上場。本社は東京都港区。金融情報を配信すると共に、近年では暗号取引所「Zaif」の運営に注力する

株主構成

2021年12月22日付のコーポレート・ガバナンスに関する報告書(2021年6月時点の四半期報告書よりごくわずかに変動あり)によると、筆頭株主はSEQUEDGE INVESTMENT INTERNATIONAL LIMITEDで30.3% 、次いで6634ネクスグループが13.8%、その他は保有割合5%未満で2315CAICA、株式会社サンジ・インターナショナル、2345クシム、THOMSON REUTERS(MARKETS)SA、個人投資家の中埜昌美氏、8628松井証券と続く。その他には国内証券会社が並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は7名(社内6名、社外1名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。取締役の中村孝也氏はSMBC日興証券株式会社を経て、同社に入社。その他の取締役は同社が吸収合併を行った連結子会社出身者が多く占めており、それぞれ現連結子会社の取締役を兼任する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の狩野仁志氏は1959年5月生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、1982年4月にみずほ信託銀行株式会社に入社。外資系金融機関や株式会社東京スター銀行を経て、2010年3月に現職に就任した。

報告セグメント

「情報サービス事業」、「広告代理業」、「暗号資産・ブロックチェーン事業」の3セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業としてコンサルティング事業を含むその他がある。2021年12月期の売上高は1,182百万円で、情報サービス事業が794百万円で96.1%、広告代理業が48百万円で3.9%、暗号資産・ブロックチェーン事業は▲73千円の損失であった。
現在の報告セグメントは2020年12月期より新しく区分されたものである。2020年12月期のセグメント利益率は情報サービス事業が29.5%、広告代理業が27.7%、暗号資産・ブロックチェーン事業が87.0%である。

事業モデル

主力の情報サービス事業では、企業や個人向けに金融情報や暗号資産情報のリアルタイム配信や企業レポートの配信を行う。マーケットリサーチでは、各金融市場に専門のアナリストを配置し、1日平均約500本の株式を始めとした各種金融商品のコメントやレポートをリアルタイムで配信する。企業向けIR支援サービスの2020年12月期時点での契約社数は、新型コロナ流行により400社まで減少。IR情報の海外投資家向け発信サービスや非財務情報の適時配信サービスの整備を行い、I2023年12月期までに契約社数1,000社を目指す。個人投資家向けの情報ツールとして、企業調査レポートや会員制情報販売サービス「CLUB FISCO」、株価自動予測サービス「FISCO AI」を運営する。企業向けサービスや「CLUB FISCO」の有料会員からのストック収入が主な収益源である。その他には、「株・企業報」、「仮想通貨ナビ」、「就活・企業報」といったスマートフォン・PC向けアプリも配信する。
広告代理業では、広告代理業務やノベルティの製造・販売、広告出版物の企画から発行までを行う。情報サービス事業と広告代理業は同社が主導して行う。
暗号資産・ブロックチェーン事業では、暗号資産の交換業や投資業、ブロックチェーン事業を行う。暗号資産交換所「Zaif Exchange」を運営し、交換所での手数料収入が主な収益源である。企業トークン「フィスココイン」を発行し、現在は情報サービス事業の「CLUB FISCO」の決済通貨として使用。今後は海外交換所への上場や自社・関連会社サービスにて主要通貨として位置付けることで、流通を促進する。連結子会社の株式会社フィスコ・コンサルティングと関連会社1社が事業を担う。
その他事業には、資本政策や財務戦略等の各種コンサルティング事業と、ファンドの組成・管理業務等が含まれる。同社の他に連結子会社2社が事業を担う。

競合他社

投資信託情報や運用情報を配信する4765モーニングスター (2021年3月期売上高7,485百万円)、各種金融商品レポートやコンセンサス配信を行う7833アイフィスジャパン (2021年12月期同5,280百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社3社と非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社を持つ。持分法適用関連会社には、暗号資産交換所を運営する株式会社Zaif Holdingsがある。

強み・弱み

強みとして強固な配信ネットワーク基盤が挙げられる。同社では、国内外の機関投資家向けにハブプラットフォーム主要7社と、個人投資家向けに証券会社74社760店舗に金融情報の配信ネットワークを持つ。また会員向け配信やポータルサイトでの配信では、一日200万PVを誇り、国内最大規模のネットワーク基盤を有する。一方、同社の主要取引先である金融機関や事業会社の決算は3月に集中しており、決算期前後の上半期に契約解約が発生しやすく、下半期に新規契約や追加契約が発生しやすい。そのため、懸念点として下半期における売上高の偏重リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①企業IR支援サービスの契約社数、②フィスココイン価格の推移が挙げられる
①企業IR支援サービスの契約社数(2021年12月期):400社
②フィスココイン価格の推移(2022年12月期第3四半期)

2022年12月期第3四半期 決算説明資料

業績

売上高は2016年12月期から2017年12月期にかけて、暗号資産投資業等の子会社買収により、前期比+4.4%に増加。2019年12月期にかけては連結子会社の非連結化を進め、▲60.4%に減少した。2020年12月期は、前期に暗号資産を取り扱う株式会社ネクスグループを非連結化した影響が残り、売上高1,119百万円(前期比▲80.6%)であった。2021年12月期は売上高1,156百万円(前期比+3.3%)と微増で推移。2016年12月期以降経常損失が続いたが、2021年12月期に239百万円まで持ち直し黒字転換済み。2018年12月期に▲2,644百万円の経常損失を計上したが、2020年12月期にかけて損失幅が減少。2020年12月期は、前期の▲984百万円から▲127百万円の損失まで縮小した。フリーCFは2016年12月以降、プラスを推移。自己資本比率は改善傾向が続いており2021年12月期は前期の46.7%から67.1%に改善した











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