3807 フィスコの業績について考察してみた

3807 フィスコの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

フィスコの事業概要

同社はインターネット上で「CLUB FISCO」という総合金融情報サービスサイトを運営している。傘下の企業は仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)を展開している。現在のメイン事業は従来から展開しているCLUB FISCOの有料会員メンバーからのストック収入がメインであるが、2017年から仮想通貨・ブロックチェーン事業に力を入れてきている

沿革

1994年に設立された同社は元々投資情報サービスを手掛けるQuick社やロイター社向けの金融情報提供サービスをメインに設立された。その後2002年に個人向け金融情報提供サービス「CLUB FISCO」を展開。2006年には大阪証券取引所ヘラクレス(現JASDAQ)に上場。近年では仮想通貨取引所Zaifを展開し、仮想通貨や暗号通貨の取引に力を入れている

株主構成

フィスコの大株主は30.3%を保有しているシークエッジ・インベストメントである。同大株主は社会福祉法人善光会を運営している白井一成氏が代表を務めており、幅広く投資事業を行っている。第2位の株主には持分法適用会社であるネクスグループ(銘柄コード6634)が14.6%を保有。創業者である狩野氏は第5位の保有で保有割合は1.4%である。

取締役会構成

同社の取締役は7名(社外取締役1名)、監査役3名の監査役会設置会社である。取締役のバックグランドは、金融や旅行業界出身者が大半である。

代表取締役の経歴

現代表取締役の狩野仁志氏は1959年生まれで、2010年より同社の代表取締役に就任している。同氏は1982年に安田信託銀行(現みずほ信託銀行)入行から社会人生活をスタートさせており、その後3つほど銀行を転職したのち現職についている。

報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル

2020年12月期から、①情報サービス事業、②広告代理業、③暗号資産・ブロックチェーン事業の3つに事業構成されており、2020年12月期のそれぞれの売上構成比率としては①で約94%、②-③で残りの売上を構成する形となっている。メインはあくまでも①であり、②-③が事業の構成比率としてはまだ低い状況である。

競合他社

同社と同じく、金融情報サービスを提供している上場企業は「トレーダーズウェブ」を展開しているトレーダーズホールディングス株式会社(銘柄コード8704)が挙げられる。

事業モデル

同社の事業モデルとしては主に有料会員からの月額制料金によるストック収入が挙げられる。また、新たに機関投資家向けのコンテンツ販売と助言業務も開始している。

強みや弱み

同社の強みは何と言っても精緻な企業分析である。中小型株をメインとしたレポートは大手証券会社のアナリストがカバーしていない銘柄を詳細に調べ上げていることから、個人投資家からの支持は強い。また、新規公開株の上場前分析も有料会員からは定評のある分野である。弱みとしては、現在同社は「CLUB FISCO」に傾倒しているところが強いため、同社が現在経営資源を集中させている、仮想通貨・ブロックチェーン事業への売上利益が少ないことであろう

事業の盛衰

今期はコロナ禍における相場環境の変動や、後半は相場の上昇に後押しされ、銘柄レポートは好調であった。現在は経営資源の多くを仮想通貨・ブロックチェーン事業に投下していることから、同社としては収益源を複数確保していくことを目下の目標としている。

KPI

「CLUB FISCO」の有料会員数と月額料金は同社のKPIとして想定できるだろう。

懸念点

「CLUB FISCO」の有料会員の解約が増加してしまうことや、仮想通貨・ブロックチェーン関連事業に何らかの法的措置が取られたりすることが起きると、同社としては大きな痛手となる。逆に言うと、仮想通貨取引所であるZaifが活発化することで同社としては大きな収益を生み出すことが期待できる。

業績の進捗

2020年第3四半期時点での同社の売上は716百万円(前年同期5,501百万円)、営業損失は81百万円(前年同期548百万円の営業損失)となっている。前年同期と比べて売上が大きく減少しているのは、連結子会社であった株式会社ネクスグループを持分法適用関連会社に変更したためである。また、同社の決算短信によると、同社は下期偏重型であることから、第4四半期での黒字転換を目指している