3914 JIG-SAWの業績について考察してみた

3914 JIG-SAWの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2001年11月、北海道にてアイピー・テレコム株式会社設立。2008年8月にジグソー株式会社に商号変更。2014年6月IoTデバイス、ネットワーク機器のマネジメントシステムの監視や障害対応を自動化するプラットフォーム「puzzle」リリース、自動運用サービスを開始。2015年4月に東証マザーズに上場。2016年5月にJIG-SAW株式会社に商号変更。2018年7月IoTコントロールモジュール「neqto:」のサービス開始、2021年2月IoTブランド名称を「NEQTO」に変更。自動検知&自動制御(A&A)をコンセプトとした各種サービスを提供する

同社HP TOP>SERVICE

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、海外プライベートバンクのUNION BANCAIRE PRIVEEで保有割合16.65%。実質保有者は香港拠点のエンジェル投資家Jun Emi氏で「所有株式は上場時と変動がない」旨記載あり。次いで同社代表取締役の山川真考氏14.0%、ドイツ銀行の顧客アカウント6.84%、IPO以前から株式保有する斉藤誠氏5.52%と続き、以降は保有割合5%未満で国内外金融機関、個人名、投資事業組合が名を連ねる。外国人保有割合は30%以上

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、うち監査等委員が3名(全員社外)、監査等委員設置会社である。代表取締役以外の社内取締役は公認会計士、同社設立初期での同業他社である株式会社エスイーシーからの転職者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の山川真考氏は1967年2月生まれ。関西学院大学卒業後、1989年4月6098リクルート入社。2004年4月に9715トランス・コスモス入社、取締役を務めた後、2005年5月同社の前身アイピー・テレコム株式会社に取締役として入社、2008年9月より現職を務める

報告セグメント

データコントロール事業の単一セグメント。直近決算期の2021年3月期売上高は2,192百万円。内訳の開示は無いが、国内顧客向け販売が90%を超える

事業モデル

データコントロール事業はシステムマネジメントおよびIoT向け各種サービスに大別される。
システムマネジメントはロボット型自動運用プラットフォーム「puzzle」をベースとし、各種サーバやIoTデバイス、ネットワーク機器のマネジメント(自動監視・運用等)を行っている。「puzzle」導入に係る初期費用およびマネジメントサービスに係る月額固定費用が同社の収益となる。札幌、カナダにコントロールセンターを持ち、24時間365日体制の運用を行う。
IoT向け各種サービスは、さらにIoT-OEMライセンスマネージとIoTデータコントロールに大別され、IoT-OEMライセンスマネージは同社独自IoTエンジン「NEQTO Engine」のOEMライセンスを提供する事業。クラウドベンダーや通信キャリア、SIerなどに提供され、提供先がOEM製品の販売を行う。IoTデータコントロールは同社開発の「NEQTO Console」を活用し、エッジデバイスとクラウド間のデータ通信の制御・管理等を行う。こちらの両サービスについてもサブスクリプション型の収益モデルとなっている。
またコア技術を応用した事業として、自動運転・自動操縦分野や再生医療分野の事業化を目指している
米国シリコンバレーのプロジェクト拠点を有し、Litmus AutomationsやZecOpsなどのIoTやセキュリティ対策でグローバルに高く評価されノウハウを有する企業の株式を保有し、資本・事業提携している。
同社を取り巻く事業環境は、IoT、ビッグデータ、AIといったデジタル技術の活用によりデジタル化の波が幅広い領域に広まり、2025年にはIoTデバイスの数が400億台を超え、年間およそ80ZB(ゼタバイト、1テラバイトの約800億倍)のデータを生成すると予測されている。あらゆるレベルにおいて変革や新たな価値創造が生まれようとしている。

競合他社

クラウドの管理・運用等の代行サービスを行う企業は、9432NTT傘下のNTTコミュニケーションズ株式会社(2020年3月期売上高10,704億円)などの大手企業、株式会社スカイアーチネットワークス、NHNテコラス株式会社などの非上場企業など多岐に渡る。IoTソリューションの「NEQTO」の競合は少ないものとみられる。

連結の範囲

連結子会社は3社。アルゴリズム組込みなどを行うMobicomm株式会社と米国、カナダの海外現地法人で構成される。

強み・弱み

コア技術は「ソフトウェア基盤技術」、「ハードウェア基盤技術」、「オペレーションエクスペリエンス」の3つ。国内で唯一商用Linux-OSのカーネル開発(オペレーションシステムの中核でアプリケーションとハードウェアの架け橋となるソフトウェア)を行うだけでなく、通信キャリアの標準通信モジュール開発再生医療のための色信号制御技術、人とマシンを一体化するHA技術、自動運転・操縦ソフトウェアの応用技術、CPU内蔵型アルゴリズムなどのソフトウェア基盤技術や、各種ハードウェアへ組込設計する技術を併せて提供できること、これまでの運用実績が強みとなっている。サブスクリプション型による安定した収益モデルも強み。顧客の増加も相まって着実に収益基盤が拡大している。また同社開発IoTエンジンが高く評価され、各業界の大手企業との提携が進み、実態は不明も提携先経由の売上高も増加しているものと考えられる。一方で、海外売上比率が徐々に増加していることから為替リスク、インターネット接続環境が不安定となる停電等の災害リスクが考えられる。

KPI

①サービス提供顧客数
②月額固定費用顧客当たり単価
③サービス解約率

業績

マザーズに上場直後の2015年12月期から直近2020年12月期まで連続増収を継続し売上高は3倍超に成長した。営業利益は2019年12月から販管費、先行投資がかさんだことから2期連続減益。足元は先行投資の回収が進み、2021年12月期の会社予想は増収増益を見込む。フリーCFは直近期売上債権の増加、固定資産取得等によりマイナス。それ以前は3期連続プラス。自己資本比率は借入金が増加した1期を除き、上場来70%台を維持