4490 ビザスクの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2012年3月株式会社walkntalkとして東京都千代田区に設立。同年12月「ビザスク」のβ版運用を開始し、2013年10月に正式リリース。2014年11月株式会社ビザスクへ商号変更。2018年1月オンライン・アンケート調査「エキスパートサーベイ」の提供を開始。2020年3月に東証マザーズに上場。2020年4月シンガポールに現地法人設立。ビジネス知見を有するアドバイザーと情報収集ニーズのある顧客をマッチングするサービスをWeb上のサービス及びコンシェルジュを介して提供する

株主構成

有価証券報告書によると、2020年8月末時点の大株主は、代表取締役CEOの端羽英子氏51.71%、米国のVCであるDCMベンチャーズのファンドA-Fund II,L.P.6.4%、元取締役CTOの花村創史氏4.37%、CA Startups Internet Fund 2.08%、DACベンチャーユナイテッドファンド1.99%と有名なVCを中心に国内外の信託銀行等の信託口などが並ぶ。

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。
取締役は全員外資系証券会社の出身。尚、創業当初より携わり唯一の事業会社出身者であった花村創史氏は2014年7月から取締役CTOを務めたが健康上の理由で2020年1月末に退任済み。

代表取締役の経歴

代表取締役CEOの端羽英子氏は1978年7月生まれ。東京大学経済学部卒業後、2001年4月にゴールドマン・サックス証券株式会社に入社、2003年3月に日本ロレアルへ移り、マサチューセッツ工科大学(MIT)にてMBAを取得。2007年7月にユニゾン・キャピタル株式会社を経て、2012年3月に同社を設立。

報告セグメント

「知見プラットフォーム事業」の単一セグメント。なお、主要な取引先はボストンコンサルティンググループ、2020年2月期の売上高全体に占める割合は14.2%であった。

事業モデル

ビザスクは、ビジネス領域に特化した日本有数のナレッジシェア・プラットフォーム。専門領域に高い知見を持つプロフェッショナル人材がアドバイザーとして登録されており、それらのアドバイザーから「スポットコンサル=1時間インタビュー」を受けたい企業と、テクノロジーと高度なオペレーションでマッチングさせるシェアリングエコノミー事業を展開。案件ごとに、ビザスクスタッフがマッチングをフルサポートする体制になっており、ビザスクはクライアント企業から報酬を受領、アドバイザーに対して謝礼を支払う。
PEファンド、ヘッジファンドなどのプロフェッショナルファーム・バイサイドの企業が先行して積極的に使用している点に特徴がある。独自の調査手法の獲得のため、資産運用会社においても導入が進捗しており、エンゲージメント投資、ESG投資に向けた提案力の強化方針も追い風となっている。トヨタ自動車、NTTデータ、LIXIL、帝人など幅広い業種の大手企業に取引実績を有す。特にエキスパートインタビュー等、特定の業界における知見の活用に優れ、業界の専門家をアドバイザーとして擁す。

2021年2月期 第3四半期決算説明資料

競合他社

シェアリングエコノミーを主な事業とする企業では3900クラウドワークス、4484LANCERSが挙げられるが競合の機会は少ないとみられる。これらは労働集約的な作業の外注を主としたプラットフォームで、ナレッジに優位性を有する人材を短時間のアドバイザーとしてマッチングさせる同社とビジネスモデルが異なる。同社同様のサービスは欧米企業がグローバルに事業展開しており、一部の企業は日本でもサービスを提供しており、GidepointやAlpha Sightsなどが競合するとみられる

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

社内取締役の全員が外資系金融機関の出身で、ビザスクの主要顧客であるプロフェッショナルファームとのコネクションが強く高い営業力につながっているとみられる点が強みである。シェアリングエコノミー事業を展開する3900クラウドワークスがハイクラス人材にインタビューのスポット案件を提案する事業を開始するなど、業界全体で今後競争が激しくなることが懸念される。

2021年2月期 第3四半期決算説明資料

KPI

下記の2つがKPIとして開示されている。口座数は半期・四半期のみの開示。
法人クライアント口座数 2021年2月期第2四半期末 602口座(2020年2月期末 485口座)
1口座あたりビザスクinterview取扱高 2021年2月期第3四半期 2.7百万円(2020年2月期末 2.5百万円)

業績

2016年2月期から2020年2月期の5期間で営業収益は43.9倍、経常損益は2019年2月期から黒字化し、2020年2月期は前期比2.3倍の57百万円であった。営業CFも2019年2月期からプラス推移へ転じている、投資CFはマイナスを継続。2020年3月にIPOによる公募増資693百万円を実施。2021年2月期第3四半期の自己資本比率は55.7%であった。