3976 シャノンの業績について考察してみた

3976 シャノンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年8月有限会社シャノンとして創業し、展示会の来場申込受付管理・出展者書類提出管理システムを受託開発と販売を行っていた。2002年4月に株式会社へ組織変更。2011年より現在の主力サービス『シャノンマーケティングプラットフォーム』をリリースし、法人に対し、統合型のマーケティング支援サービスを提供している。2013年2月には中国に開発拠点として連結子会社を設立。2017年1月に東証マザーズに上場。国内では東京だけでなく、大阪、名古屋にオフィスを構える。

株主構成

有価証券報告書によると、2020年10月末時点の筆頭株主は現代表取締役社長の中村健一郎氏で22.6%を保有している。現副社長の永島毅一郎氏が10.7%で続き、以下は保有比率5%未満である。

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。社内取締役4名の社長を含む内3名は、慶應義塾大学の同期。他1名は東京工業大学卒業後、オラクルを経て同社へ入社している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の中村健一郎氏は1977年6月生まれ。慶應義塾大学理工学部在学中に友人と共に同社を創業した。現在は同社社長の他、NPO法人アップエクスチェンジコンソーシアム監事、一般社団法人シーコンソーシアム理事長を務める。

報告セグメント

「マーケティングプラットフォーム事業」の単一セグメント。サービスは2つに大別され、2020年10月期の売上高構成は、マーケティングオートメーションが76.6%(1,368百万円)、イベントマーケティングが23.4%(417百万円)である。

事業モデル

マーケティングオートメーションは、主にBtoB企業に対し「シャノンマーケティングプラットフォーム」をクラウドで提供する。このツールは、オンライン・オフラインを問わず多岐にわたるマーケティング施策を管理・実行し、効果の見える化までが可能な機能を備え、BPOとして当社で運用代行や支援までも可能。収益構造は、月額の基本料金やオプション機能等に応じた従量課金、有償保守サービスからなるサブスクリプション部分の収益と、システム導入時のイニシャルコストやBPOに基づくプロフェッショナルサービス部分の収益からなる。
イベントマーケティングは、展示会やプライベートショーを主催する企業・プロデュースを行う広告代理店を対象に、「シャノンマーケティングプラットフォーム」を用いた、展示会の申込受付管理・QRコード来場者認証・アフターフォローなどをワンストップで提供し、イベント用モバイルアプリ等デジタルデバイスの活用なども幅広く支援する。リアル開催のイベントだけでなく、オンライン開催のイベントでも同様に利用されている。

2020年10月期決算説明資料

競合他社

BtoB企業を対象にマーケティングオートメーションツールの提供を行っている企業として、Adobe株式会社(日立、丸紅等世界で5,000社以上が導入)、株式会社セールスフォース・ドットコム(NEC子会社等で導入)、satori株式会社(ユニ・チャーム、USEN-NEXTグループ等に導入)など国内外問わず大小多数の競合企業が挙げられる。

連結の範囲

中国にて同社事業の開発の一部を行う想能信息科技有限公司と、2020年12月に設立したバーチャルイベントサービスの企画、制作、販売を行う株式会社ジクウの2社が該当する。

強み・弱み

サブスクリプションによる売上が増収基調にあり、安定的な収益が見込まれることが強み。一方でコロナ禍によりイベント等開催支援を行うイベントマーケティング売上が減少しており、今後も増加が見込まれるオンラインイベントへの対応が課題(前述の連結子会社設立により体制強化を図っている)。また多数の競合他社に埋没せぬよう継続的な新サービスの開発が必須であり、人材の獲得、開発資金の捻出が恒常的に求められる。

KPI

長期に渡り安定的に収益に貢献していくことが見込まれるサブスクリプション売上を同社は重視している。2020年10月期のサブスクリプションからの売上は972百万円(前期比+13.9%)、契約アカウント数は451アカウント(同+7.6%)だった。同売上のKPIとして以下のものが挙げられる。
①新規獲得件数
四半期あたり10~30件で推移。但し顧客単価は数万~数百万と幅広く、売上の増加率と直結するものではない。)
②従量課金
③アップグレード/追加オプションの月額契約金額
④解約率
(2020年10月期は6.5%

2020年10月期決算説明資料

業績

売上高は増収基調で推移してきたが、コロナ禍の影響でイベント・セミナー開催が減少したことから2020年10月期は減収となった。経常利益は2017年10月期および2018年10月期が人材への先行投資、広告宣伝費等により赤字だったが、以降は2期連続増益。フリーCFは2019年10月期からプラスとなったものの、投資CFは恒常的にマイナスである。
2020年10月期の売上高は1,786百万円(前年同期比▲3.8%)、営業利益は40百万円(前年同期10百万円)、当期純損失は56百万円(前年同期24百万円)である。