3906 ALBERTの業績について考察してみた

3906 ALBERTの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年7月東京都にて株式会社ALBERT設立。2007年11月ユーザーのインターネット上の行動履歴を分析する「おまかせ!ログリコメンダー」を商品化。2011年10月デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(博報堂傘下)と資本業務提携。その後も大企業との資本業務提携を展開。2013年5月smarticA!DMP(データマネジメントプラットフォーム)をリリース。2015年2月東証マザーズに上場。2015年9月ディープラーニングサービスを開始、現在はAI、ディープラーニング技術を活用したビッグデータ分析等の事業サービスを展開する。

2021年12月期1Q決算説明資料

株主構成

2020年12月末時点の筆頭株主はウィズ・アジア・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合で保有割合31.3%。以降は5%未満で、7203トヨタ自動車、株式会社マイナビ、3132マクニカ・富士エレホールディングス傘下の株式会社マクニカ、8056日本ユニシス、9433KDDIなどの資本業務提携先、国内外金融機関が並ぶ。尚、2021年6月9日付リリースでSBIホールディングスと資本業務提携を結ぶこと、現筆頭株主から8473SBIホールディングス傘下のSBIファイナンシャルサービシーズ株式会社へ全株式を譲渡することが発表された(譲渡予定日は2021年6月30日)。本譲渡の成立後、筆頭株主が交代、同社はSBIグループ入りすることとなる外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は5名(社内2名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)。監査委員会設置会社である。社内取締役2名はいずれも代表取締役、経歴は次項の通り。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の松本壮志氏は1980年6月生まれ。学歴は不明。2003年4月2429ワールドホールディングス傘下の株式会社ワールドインテック入社。FC事業関連の要職を歴任後、2008年12月株式会社システムリサーチに執行役員として入社。代表取締役社長も務めた。その後デジタルハーツグループで取締役COOなどを務めた後、2017年8月同社に執行役員として入社。2020年5月より現職を務める
代表取締役の竹田浩氏は1977年7月生まれ。学歴は不明。2000年4月9982タキヒヨー入社。その後複数社を経験した後、2016年6月同社筆頭株主の有限責任組合を運営する株式会社ウィズ・パートナーズのディレクターに就任2017年3月同社取締役として派遣され、2020年5月より現職を務める。尚、既述の筆頭株主による株式譲渡が成立した際、竹田氏は退任する見込みとなっている。

報告セグメント

データソリューション事業の単一セグメント。2021年12月期第1四半期における産業別売上構成は、自動車15%、製造6%、通信34%、流通10%、インフラ10%、金融12%、以下その他。利益の内訳開示は無い。

事業モデル

データソリューション事業は3つのサービスに分類される。プロジェクト型サービスは、パートナー企業とともにビッグデータ分析からAIのシステム実装まで一貫したサービスを展開している。自動車、製造、通信、流通・インフラ、金融を重点産業とし、各産業をリードする企業と資本業務提携を結び開発を進めている。また産業間のAIアルゴリズムとデータのシェアリングを推進する「CATALYST戦略」を掲げている。自社プロダクト提供は、AIを搭載した汎用的な自社プロダクトとして、主にAI・高性能チャットボット「スグレス」、AI・画像認識サービス「タクミノメ」を提供している。「スグレス」はBtoB、BtoCのほか、BtoE(企業、従業員間)で活用されている。また行政や自治体でも導入が進んでいる。ライセンス料によるストック型収益構造データサイエンティスト育成支援は自社内におけるデータサイエンティスト養成ニーズがある企業に対し、養成講座を提供している。同養成講座は、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」に認定されている。
AIビジネス市場は、2019年の9,601億円から2025年には1兆9,356億円、CAGR12.4%での成長が見込まれる。成長著しい反面、データサイエンティスト不足は強まる見込み

2021年12月期1Q決算説明資料

競合他社

AIを活用したサービスを提供する企業として、3993PKSHA Technology(2020年9月期売上高7,393百万円)、4488AI inside(2021年3月期売上高4,597百万円)、4382HEROZ(2021年4月期売上高1,556百万円)、4056ニューラルポケット(2020年12月期売上高762百万円)、7046TDSE(2021年3月期売上高1,323百万円)、3655ブレインパッド(2020年6月期売上高6,621百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たないが、既述の株式譲渡完了後、SBIの傘下にはいる。

強み・弱み

各産業のリーディングカンパニーへの支援を含め、数多くのプロジェクト実績を有すること、高度な技能をもつデータサイエンティストが多数在籍することなどが強み。一方で現在プロジェクト型サービスを中心に成長しているが、プロジェクトの進捗等により売上時期が変更となる可能性があること、工数増加による収支悪化が生じる可能性がある。自社プロダクト提供などによるストック型収益拡大などが課題

KPI

①重点を置く5産業の売上比率(2021年12月期第1四半期85%)
②「タクミノメ」、「スグレス」導入企業数(ストック型収益の拡大)
③同社在籍データサイエンティスト数(2021年3月末244人)

業績

2015年の上場来、売上高は800~900百万円台、3期連続営業赤字が続いたが、経営陣が交代、プロジェクト中心の事業への転換、重点産業の設定などの取組により2018年12月期の売上高は前期比+87.0%、上場来初の黒字決算となった。以降の売上高は連続増収、営業利益は販管費が増加を受け200百万円前後で横ばい。フリーCFは営業CF、投資CFとも上場来マイナス続いたが、2018年12月期に本社移転にかかる支出で投資CFが大幅マイナスになった以降は、プラス転換。自己資本比率は借入金の返済を進め2020年12月期は89.5%