4056 ニューラルポケットの業績について考察してみた

4056 ニューラルポケットの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2018年1月に現代表の重松氏がファッションポケット株式会社として設立。アパレル企業向けのファッショントレンド解析サービスから提供を開始。2019年3月にニューラルポケット株式会社に社名変更。2020年4月にシンガポール支店を登記済。同8月に東京証券取引所マザーズへ上場AIカメラを用いてリアル空間(街中など)のデジタル化されていない情報を画像や映像の解析により可視化するサービスを提供する企業。

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の大株主は、代表取締役社長の重松路威氏が63.9%、次いで特定金外信託受託者 株式会社SMBC信託銀行が4.9%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が2.5%などとなっている。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役3名 (全員社外)であり、監査役会設置会社である。社内取締役は全員マッキンゼー・アンド・カンパニー出身である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の重松路威氏は1980年8月生まれ。東京大学工学部を卒業し、東京大学大学院を修了。マッキンゼーの東京支社、独支社、米支社を経て2016年にパートナー就任。18年1月に同社を創業。同氏の他、CTO佐々木氏、COO周氏、CFO種氏もマッキンゼー出身である。

報告セグメント

「AIエンジニアリング事業」の単一セグメントであるが、「AIメディアサービス」「デジソリューションサービス」「ライフスタイルサービス」の3つのサービスドメインを擁している。2021年12月期の売上高1,010百万円の内訳は「AIメディアサービス」が236百万円、「デジソリューションサービス」が567百万円、「ライフスタイルサービス」が207百万円であった。

2021年12月期 通期決算説明資料

事業モデル

人流・防犯、駐車場・モビリティ、サイネージ広告、在宅勤務支援、ファッショントレンド解析などでAIを活用したサービスを展開する。同社が得意とするサイネージは、導入台数が一定数を超えると契約が増え売上が増加するビジネスモデル。在宅勤務支援や駐車場・モビリティでアップサイドを見込み、三菱地所での導入といった実績も有す。創業当初から手掛けるファッション解析では、SNSの画像を解析しアパレルメーカーのMD(商品企画)に生かしており、同商品を扱うアパレル店舗数は3,000を超える。
2021年12月期の販売相手先は上位2社で63.3%を占め、ソフトバンク株式会社361百万円(47.3%)、株式会社クリューシステムズ121.8百万円(16.0%)。特にソフトバンクへの販売高は前年同期比約2倍となるなど、全体の販売実績も堅調。リカーリング方式を用いており、定額ではないものの契約継続により安定した収益が見込める仕組みである。同社サービスはエッジAIを用いており、導入先企業のサービスに乗せてその取引拡大とともに同社売上が伸びる、レベュニューシェアを基本としている。
販売は、自社での営業人員は抑えて販売代理店を活用しており、今後も拡大していく方針。独占的な販売権を与える先はない。代理店はサイネージ案件においては顧客の端末購入などでも機能する。

2021年12月期 通期決算説明資料

競合他社

同社が力を入れているスマートシティに関する事業では、日本の大手SIerや中国のセンスタイム社、メグビー社などが競合し得る。大手SIerは案件によっては技術提携先となることもある。

連結の範囲

ニューラルエンジニアリング株式会社、株式会社フォーカスチャネルの2社が連結子会社に該当する。ニューラルエンジニアリング株式会社は2021年10月に新規設立した子会社で、エッジAI搭載機器の設置・運用などを担う。株式会社フォーカスチャネルは2021年11月に全株式を取得し、子会社化した広告業・広告代理店事業者で、マンション向けサイネージ広告を得意とする。

強み・弱み

特許を累計28件、申請中13件保有しており、各デバイス上にデータ解析できるエッジAIの機能を持たせ、かつ通信によりデータ収集するエッジAIの技術を持つなど、エッジAIが安定稼働している実績と、データの蓄積、導入先での粗利率改善への貢献という実績は強みである。 同社には、様々なバックグラウンドを持つ専門性の高い執行役員が集まってきた。それにより、技術の専門性の高まりや技術の事業化に対応して来たことも強みである。
一方、AIビジネスは未成熟の市場であり、今後大手企業が新規参入する可能性もある。新規市場の開拓時は、特にデータドリブンの事業の場合には、シェアをいち早く獲得したものの優位性が高くなる点に注意が必要である。

KPI

主力サービスの1つであるデジタルサイネージ設置数はKPIとなり得る。2021年12月期は株式会社フォーカスチャネルの子会社化が寄与し、大幅増となった。
これまでのサイネージ設置ユニット数301(前年同期比+198)

2021年12月期 通期決算説明資料

業績

2018年12月期から2021年12月期まで過去4期分の経営状況をみると、売上高は約17倍弱となっており、2021年12月期の売上高は1,010百万円であった。一方、2021年12月期の経常利益は、技術開発やサービス開発体制の構築に伴い、人件費と研究開発費が増加した結果、前年比で90%以上減少したものの13.65百万円となり2期連続のプラスとなった。営業CFは変動があるものの、2021年12月期は788千円とわずかにマイナスであった。投資CFはマイナス傾向、財務CFはプラス傾向で推移する。2021年12月期の自己資本比率は54.1%であった。

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