3673 ブロードリーフの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年12月アイ・ティー・エックス翼ネット株式会社として、翼システム株式会社から営業譲受を経て設立された。2006年8月に株式会社ブロードリーフ(旧ブロードリーフ)へ商号変更。2009年9月に設立した受け皿会社であるシー・ビー・シーホールディングス株式会社を用いて、経営陣によるMBO(旧ブロードリーフの完全子会社化による合併)をカーライルグループ支援の下実施。MBO後の2010年1月に受け皿会社を株式会社ブロードリーフへ商号変更し現在に至る。2011年12月「BLパーツオーダーシステム」のサービス提供開始。2012年7月タブレット型業務アプリケーション「CarpodTab」の販売開始。2013年3月東証一部へ上場。2019年6月KAIZEN Instituteと作業分析/業務最適化ソフトウェア「OTRS」のOEM契約を締結。自動車アフターマーケットにおいてパーツの受発注ネットワークを提供する他、自動車業界を中心とした顧客へパッケージシステム(.NSシリーズやスーパーフロントマンなど)の開発・販売などを行う

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は上位に海外機関投資家と見られる3社が並ぶ。具体的には、NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDSが8.59%、STATE STREET CLIENT OMNIBUS ACCOUNT OM02が8.42%、THE BANK OF NEW YORK MELLON 140051が8.07%を保有。そのほか5%未満の保有で、日本マスタートラスト信託銀行株式会社、株式会社日本カストディ銀行、THE BANK OF NEW YORKなどが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、監査役は3名(社内1名、社外2、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役副社長の山中健一氏は、三菱電機エンジニアリング株式会社、株式会社ビーイングを経て同社に入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の大山堅司氏は1968年9月生まれ。高校時代に個人で会社を企業。1987年4月に建設積算ソフト会社「ビーイング社」の設立に参加。1989年4月に同社の取締役に就任。その後、1996年12月米シリコンバレーにBeing Investment Corpを設立しCEOに就任。2005年10月投資会社アイ・ティー・エックス顧問に就任し、株式会社ITX翼(現同社)の再生に携わる。2006年6月に現職へ就任。

報告セグメント

「ITサービス事業」の単一セグメントだが、プラットフォーム及びアプリケーションの2分野に分けられる。2020年12月期の売上収益21,162百万円の構成比は、プラットフォーム48.6%、アプリケーション51.4%である。分野別の利益開示はない。連結営業利益は4,135百万円であった。

事業モデル

自動車整備工場や部品商など自動車アフターマーケットの事業者を中心に、業務アプリケーションを開発・提供する他、ネットワークサービスや自動車部品ショッピングサイトなどの業界唯一のサービスを提供する。自動車業界向けの他、機械工具商、携帯電話の販売代理店、旅行会社など向けのシステムも取扱い、約30,000社の顧客を抱える。
プラットフォームの主力サービスはBLパーツオーダーシステム(電子受発注システム)CarpodTab(タブレット型業務支援ツール)で、業務アプリケーションと連携し、自動車部品商と整備工場間の取引をネットワーク化した電子受発注システムを実現し、時短・コスト削減に貢献している。また、自動車補修部品ECサイトの運営など、自動車部品流通全体を同社のサービスで網羅することで、プラットフォームを効率化。データーベースの使用料として月額固定料金を収受する他、パーツの受発注に伴う従量課金収入や手数料収入が主たる収益源となる。
アプリケーションは、「パーツマン(PM)」、「スーパーフロントマン(SF)」などが主力サービスで、自動車整備工場、部品商、鈑金工場などそれぞれに最適な業務アプリケーションを提供。見積書の作成など汎用的な機能のほか、各業務工程管理や履歴管理、顧客管理など充実した機能を搭載し、業務効率の改善・経営課題の解決を支援する。リース会社を介して6年の契約で顧客へリース販売する形態のため外部売上収益の10%超える販売先にリコーグループと日立キャピタルNBL株式会社が挙げられている。

同社HP ホーム>会社情報>事業概要

海外事業は、アジア市場での自動車アフターマーケットの拡大を見込み、中国やフィリピンの現地パートナーと協力し、各国での部品流通プラットフォームの構築を目指す。また、生産現場の改善を行い、業務の可視化(見える化)を推進するIE(経営工学)を活用した同社製品「OTRS」は、2019年にKAIZEN InstituteとOEM契約を締結し、同年9月より世界60カ国でグローバル向け「KAIZEN™Time Study powered by OTRS」が販売されている。海外売上高比率の開示はなく、現時点では軽微とみられる。
自動車産業は、AIを活用した自動運転等の新しい技術や、電気自動車などの新しい形の移動体(モビリティ)が今後大きく普及すると予想されている。また、カーシェアやライドシェアといった、自動車への関わり方が所有から利用へと変化する。これらへの対応として、2021-23年の重点施策を同社は発表している、詳細は下図。

2020年12月期 決算説明会資料

競合他社

同社の様にプラットフォーム化された多様なシステムを自動車アフターマーケットの事業者へ提供する競合企業はみあたらない

連結の範囲

同社グループは、国内4社(システム開発・販売を営む株式会社タジマとZenmov株式会社、先端技術の研究・開発などを営む株式会社SpiralMind、製造業向けの情報サービスを提供する株式会社産業革新研究所)、中国2社(システム販売を営む博楽得信息科技(合肥)有限公司と北京盛源博楽信息科技有限公司)、フィリピン2社(システム販売などを営むBroadleaf I.T. Solutions Inc.、自動車部品の輸入・販売を営むBLISAM TRADING CORP.)にて構成される。

強み・弱み

30年以上の実績や圧倒的な顧客基盤による安定的な収益基盤が強み。自動車産業における電動・電装化の変化の中で、自動車部品は機械から電子機器としての要素が濃くなり、同社の顧客基盤であるアフターマーケット事業者は大きな経営環境の変化にさらされる。従来の修理の技術・知識で、電子部品や電子機器の修理に対応し、事業を継続していけるかは同社事業への影響の観点からも懸念点となる。

KPI

月額固定料金の為、各種サービスの顧客数や、従量課金となるBLパーツオーダーシステムにおける部品流通数単価の推移がKPIになるとみられるが2020年12月期で開示があるのは下記のみである。
・顧客数(法人数)37,400人(前期比+953人)

業績

2016年12月期から2020年12月期までの5期をみると、売上収益は16,760百万円から21,161百万円、税引前利益は2,921百万円から3,820百万円と増収増益だが、直近期は売上収益、税引前利益ともに前期比マイナス。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。親会社所有者帰属持比率は70%台で安定推移。