3926 オープンドアの業績について考察してみた

3926 オープンドアの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1997年4月に関根大介氏が株式会社オープンドア創業、同年8月には旅行比較サイト「トラベルコちゃん(現トラベルコ)」の運用を開始。以降、トラベルコを中心に、海外ツアー検索サービス、国内ツアー検索サービス等を展開。2015年12月に東証マザーズ上場、2016年12月には同一部へ市場変更。トラベルコをはじめとする比較・検索サイトを通じて、国内外の宿泊施設、交通機関、パッケージツアー等の情報提供を事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2021年9月末時点での筆頭株主は、創業者であり代表取締役社長でもある関根大介氏で53.49%保有。続いて、関根氏の資産管理会社と見られる株式会社ザ・パス・インベストメントが5.61%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が5.14%、不動産賃貸空室情報を扱う株式会社CHINTAIが5.14%保有。以下は5%未満の保有率で、国内外の金融機関、前述の株式会社CHINTAI代表取締役と見られる佐藤茂氏などが続く。外国人株式保有比率は10%以上20%未満(2021年12月末時点)。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(1名は常勤で社内、2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、公認会計士の鈴木秀明氏、及び株式会社住友銀行、株式会社DeNAトラベル、株式会社パソナほか多数の企業を渡り歩いた中野正治氏。社外取締役は2名ともに弁護士。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の関根大介氏は1968年1月生まれ。甲南大学卒業後、1994年10月に松下寿電子工業株式会社(現PHC株式会社)入社。1996年10月、株式会社アイ・エー・エス・エス入社。1997年4月に同社設立、代表取締役社長に就任(現任)。

報告セグメント

「旅行関連事業」の単一セグメントであり、2021年3月期の連結売上高1,122百万円の構成比は、同セグメント98.1%、その他1.9%であった。同期の営業損益は△772百万円の赤字。なお、国別売上高は日本国内が90%を超える。また、主要取引先の株式会社さくらトラベル及び楽天株式会社への売上高は、連結売上高の10%を超える。各社の割合は、前者16.0%、後者10.6%。

事業モデル

旅行比較サイトのトラベルコによる国内・海外旅行の予約を通じた手数料ビジネスが同社の事業モデル。トラベルコでは楽天トラベルほか国内外1,500以上の旅行予約サイトを比較し、比較結果の一元管理が可能。ユーザー(旅行者)は目的地や人数等を入力するのみで、最安値の予約サイトを容易に発見できる。トラベルコ経由の予約成立に対して、顧客(予約サイト)が同社へ手数料を支払うことで収益を得る。従来は、旅行商品の掲載において登録可能コース数に応じた月額固定の掲載料を徴収していたが、成果報酬型の従量課金にほぼ全量が移行済み。また、従業員の約4割がシステムエンジニアであり、システム開発を内製化することによって市場トレンドへの迅速な対応を実現している。

2021年3月期 決算説明会資料 p.28

競合他社

予約サイト同士を比較するシステムは予約サイトの一歩先を行く発想で、日本企業ではユニークな存在である。他国籍の企業を視野に入れると、例えばドイツに本社を置くトリバゴ(Trivago N.V.)などは、日本を含む世界各国のホテルに対して予約サイト別の料金を比較できる点で競合し得る。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社1社で構成される。連結子会社のホテルスキップ株式会社は、個人顧客向け宿泊予約サイト「ホテリア」や航空券予約サイト「トラベリア」の運営、法人顧客への旅行商品販売等を事業とする。

強み・弱み

宿泊施設から交通機関、ツアー、レンタカー等、旅行に関わるほぼ全ジャンルの予約がトラベルコ内で完結可能な高い利便性は同社独自の強み。一方、単一事業であり扱う商品が旅行関連のため、景気の動向や新型コロナウイルス感染拡大など社会情勢に強く影響される点はリスク。インターネットの発展により新たな事業者の参入が相次ぎOTA(Online Travel Agent)業界は競争が厳しく、新型コロナウイルス感染拡大を受けて各社大きな損失を被っている。今後は感染症の収束とともに需要回復期を迎えるとみられるが、各社の戦略や業界内の勢力が変わる可能性もリスク要因である。

KPI

旅行業界取扱額などは主要なKPIとみなせる。
・主要旅行業者総取扱額の前年同月比推移

2022年3月期 第3四半期 決算補足説明資料 p.5

業績

2019年3月期までは順調に業容を拡大し、同期には上場来最高となる約50億円の売上と17億円の経常利益を記録。翌2020年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大初期と一部時期が重なったこともあり、若干の減収減益。感染症の影響が深刻化した2021年3月期は大幅に業績が悪化し、売上高1,122百万円(前期比▲77.3%)、営業利益▲772百万円(前期比▲2,310百万円)、経常利益▲708百万円(前期比▲2,248百万円)となった。なお、2022年3月期第3四半期も依然として情勢は厳しく、売上高886百万円(前年同期比▲0.4%)、営業利益▲505百万円(前年同期比+18百万円)、経常利益▲412百万円(前年同期比+53百万円)であった。営業CFは概ねプラス、投資CFは概ねマイナスで推移。2022年3月期第3四半期の自己資本比率は94.2%。

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