4448 Chatworkの業績について考察してみた

4448 Chatworkの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年7月、大阪府にてEC studioを創業、企業向けのホームページ集客を支援するサービスの提供を開始する。2004年11月に法人化。2008年4月にセキュリティ事業を開始した後、2011年3月にビジネスチャット「Chatwork」をリリースし、Chatwork事業を開始した。2018年11月に現社名の株式会社Chatworkに社名変更。2019年9月に東証マザーズに上場した。

株主構成

有価証券報告書によると2020年6月末時点の大株主は、保有割合が多い順に同社代表取締役兼社長執行役員の山本正喜氏の資産管理会社である株式会社EC studioホールディングス56.0%(個人名の保有を合わせると59.5%)、以降は保有割合5%未満で信託口や社長、副社長等がならぶ中、GMOのベンチャーキャピタルが保有割合2.3%で5番目に名を連ねる。尚、2021年2月3日付の大量保有報告書によると、野村証券の保有割合が5.0%になったと報告されている。

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の役員は、経歴や年齢、入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役兼社長執行役員 CEO兼CTOの 山本正喜氏は1980年3月生まれ。電気通信大学情報工学科卒業。大学在学中に兄と共に、同社前身のEC studioを創業した。以降、CTO(Chief Technology Officer)として開発に携わる。2018年6月に、代表取締役に就任した。

報告セグメント

「Chatwork」事業」と「セキュリティ事業」の2報告セグメントに大別され、2020年12月期第3四半期売上高1,774百万円 の構成比はChatwork事業89.7%、セキュリティ事業10.3%である。

事業モデル

Chatwork事業は、国内全事業者・全ビジネスパーソンを対象に、ビジネスコミュニケーション向けチャットサービスを提供する事業。無料で利用可能なフリープランを提供する「フリーミアム」による手法がユーザー獲得の主力形態である。ユーザーが有料プランに移行した際の月額定額利用料や、フリープランのユーザーを対象にアプリケーション上に表示される広告掲載料、ユーザーに提供する各種プラットフォームサービス(「Chatwork」アシスタント:各種バックオフィス業務を受託・提供など。サービス役務は外注している)の利用料が同事業の収益源となる。また大企業・公官庁向けには「Chatwork」のOEM版を、KDDIを通じて提供している(OEM提供にかかる収益はID数に応じたレベニューシェアとシステム運用に係る業務委託料をKDDIより受領)。
セキュリティ事業は、自社販売サイトにてセキュリティ対策ソフトウェアの仕入販売を行っている。

競合他社

2013年にアメリカでリリースされ、2017年に日本語版もリリースされた「Slack」は、世界で1,200万人以上のDAU、11万9,000社を超える企業が有料プランを導入している。他に、導入企業が10万社を超える「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパン株式会社などが挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

サブスクリプション型課金モデルのため、課金ユーザーのストック拡大に伴い安定的な収益を見込める。また同社はITリテラシーに関わらず取り組みやすいインターフェイスを設計(オリコン顧客満足度第1位を獲得)し、中小企業をターゲット層としているため、個社依存が少ない。一方でChatwork事業に売上高、収益ともに依存していることが懸念される。

KPI

登録ID数(2020年第3四半期 376.3万)
DAU数(同 82.4万)
課金ID数(同 44.6万)
APRU(課金IDあたりのChatwork利用料平均単価、同 397.8円)
利用企業数(2019年12月末 246千社)
国内ビジネスチャットツール導入率(2018年23.7%。※総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」)

2020年12月期第3四半期 決算説明資料

業績

2019年12月期売上高は2015年12月期より4期連続増収で、同期比3.2倍に拡大した。経常利益は人材採用とシステム開発等の先行的な費用負担により損失計上を継続していたが、2019年12月期においては課金ユーザーの拡大等により黒字転換した。経常利益率は3.4%。フリーCFもマイナスが継続していたが、当期純利益の計上等により営業CFがプラス転換したことで、2019年12月期にプラスとなった。株式上場に伴う市場調達により、自己資本比率は73.6%。借入金は無く無借金経営である。