9601 松竹の業績について考察してみた

9601 松竹の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2022.05 18,697 -724 -3.87%
FY2023.Q2 2022.08 19,722 556 2.82%
FY2023.Q3 2022.11 19,177 -998 -5.2%
FY2023.Q4 2023.02 20,616 390 1.89%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.02 22,250 563 2.53%
FY2018.Q1 2017.05 24,887 2,426 9.75%
FY2018.Q2 2017.08 24,497 2,375 9.7%
FY2018.Q3 2017.11 21,546 569 2.64%
FY2018.Q4 2018.02 21,948 1,093 4.98%
FY2019.Q1 2018.05 21,601 905 4.19%
FY2019.Q2 2018.08 22,680 1,545 6.81%
FY2019.Q3 2018.11 22,656 446 1.97%
FY2019.Q4 2019.02 23,890 1,669 6.99%
FY2020.Q1 2019.05 23,397 863 3.69%
FY2020.Q2 2019.08 26,881 2,463 9.16%
FY2020.Q3 2019.11 23,488 514 2.19%
FY2020.Q4 2020.02 23,713 764 3.22%
FY2021.Q1 2020.05 8,608 -1,469 -17.07%
FY2021.Q2 2020.08 11,105 -2,153 -19.39%
FY2021.Q3 2020.11 17,010 -110 -0.65%
FY2021.Q4 2021.02 15,711 -1,751 -11.15%
FY2022.Q1 2021.05 14,329 -1,112 -7.76%
FY2022.Q2 2021.08 19,876 -849 -4.27%
FY2022.Q3 2021.11 17,415 -1,591 -9.14%
FY2022.Q4 2022.02 20,215 -453 -2.24%
FY2023.Q1 2022.05 18,697 -724 -3.87%
FY2023.Q2 2022.08 19,722 556 2.82%
FY2023.Q3 2022.11 19,177 -998 -5.2%
FY2023.Q4 2023.02 20,616 390 1.89%

沿革

1895年12月に大谷竹次郎氏が京都で演劇興行を開始したのが同社の起源で、松竹合資会社、松竹キネマ株式会社などを経て、1937年4月に現商号の松竹株式会社となる。この間、蒲田撮影所開設と映画の製作・配給の開始、大阪松竹座開場、東京松竹楽劇部創設、大船撮影所開設などを行う。その後も東京、大阪、京都を中心に劇場を新設するとともに、京都太秦撮影所を開設。1949年5月に東証、大証、名証へ上場、現在は東証プライム。映画等の製作・配給、歌舞伎を中心に演劇の企画・興行、賃貸ビルの運営などを事業とする。

報告セグメント

「映像関連事業」 「演劇事業」、「不動産事業」、「その他」の4セグメントで構成される。その他にはプログラムの製作・販売、キャラクター商品の企画・販売、イベントの企画、新規事業開発等が該当。

事業モデル

映像関連事業は、実写およびアニメ・特撮映画の製作・宣伝・配給、海外製作映画の買付・宣伝・配給、映像の国内外へのライツビジネス、映像コンテンツの開発、劇場・シネコンの運営などが主力。数多くのヒット作を製作・配給してきたとともに、全国に20以上の映画館を展開する。その他、劇場の番組編成、BS・CS・CATVのソフト製作・編集、衛星基幹放送・一般放送、映像関連イベントの企画・運営、ビデオソフトの製作・買付・販売なども手掛ける。
演劇事業では歌舞伎や一般演劇の企画・製作・興行(巡業・海外公演を含む)、直営劇場(歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座)の運営を行う。特に歌舞伎の興行に関しては、圧倒的な強みを見せる。
不動産事業はビル賃貸、不動産管理、不動産開発を担当する。
その他事業では、映画パンフレットの編集・製作・販売、キャラクター商品の企画・製作・販売、モバイル/PC通販サイトの運営、モバイル公式コンテンツの配信、映画・演劇を中心としたイベントの企画・運営、レストラン・駐車場他各種事業所の運営、音楽著作権の利用開発・許諾などを手掛ける。

公式ウェブサイト内「4つの世界」

競合他社

主力の映像関連事業では、業界首位の9602東宝(株)、9605東映(株)が競合する。国内の映画製作は、これら2社と同社の寡占状態にある。演劇事業に関しては歌舞伎がほぼ同社独占であるが、演劇全般で見ると前述の9602東宝(株)が同じく競合。

強み・弱み

歌舞伎俳優の多くが同社と専属契約を結ぶなど、歌舞伎の興行においては圧倒的シェアを誇る。不動産事業が安定した収益源である点も強み。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響で、劇場や映画館から客足が遠のいている点が課題。また、映画と異なり歌舞伎は配信に向かない点も弱み。

KPI

映画業界の動向などが主要KPIと見られる。
年間興行収入(2021年):1,618億9,300万円(前年比+13.0%)
入場人員(同上):1億1,481万人(同上+8.2%)
全国のスクリーン数(同上):3,648(同上+32)

業績

売上高は2016年2月期から90十億円~97十億円の間で横ばいであったが、コロナ禍のため2021年2月期は大幅減収とともに赤字転落。2022年2月期は赤字幅が縮小したものの黒字には至らず、売上高71,835百万円(前期比+37.0%)、営業利益▲4,005百万円(同+1,478百万円)、経常利益▲2,801百万円(同+2,809百万円)であった。なお2023年2月期第3四半期は、売上高57,596百万円(前年同期比+11.6%)、営業利益▲1,166百万円(同+2,386百万円)、経常利益1,158百万円(同+3,895百万円)となった。

9601 松竹
のオルタナティブデータあります

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