4800 オリコンの業績について考察してみた

4800 オリコンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.03 1,260 431 34.21%
FY2024.Q1 2023.06 1,114 329 29.53%
FY2024.Q2 2023.09 1,132 324 28.62%
FY2024.Q3 2023.12 1,225 432 35.27%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 999 219 21.92%
FY2018.Q1 2017.06 918 123 13.4%
FY2018.Q2 2017.09 912 136 14.91%
FY2018.Q3 2017.12 926 136 14.69%
FY2018.Q4 2018.03 983 234 23.8%
FY2019.Q1 2018.06 928 161 17.35%
FY2019.Q2 2018.09 944 214 22.67%
FY2019.Q3 2018.12 968 217 22.42%
FY2019.Q4 2019.03 1,051 291 27.69%
FY2020.Q1 2019.06 1,058 289 27.32%
FY2020.Q2 2019.09 1,048 274 26.15%
FY2020.Q3 2019.12 990 229 23.13%
FY2020.Q4 2020.03 1,076 299 27.79%
FY2021.Q1 2020.06 965 210 21.76%
FY2021.Q2 2020.09 993 276 27.79%
FY2021.Q3 2020.12 987 261 26.44%
FY2021.Q4 2021.03 1,085 311 28.66%
FY2022.Q1 2021.06 1,103 356 32.28%
FY2022.Q2 2021.09 1,124 346 30.78%
FY2022.Q3 2021.12 1,079 366 33.92%
FY2022.Q4 2022.03 1,196 452 37.79%
FY2023.Q1 2022.06 1,175 410 34.89%
FY2023.Q2 2022.09 1,196 440 36.79%
FY2023.Q3 2022.12 1,244 484 38.91%
FY2023.Q4 2023.03 1,260 431 34.21%
FY2024.Q1 2023.06 1,114 329 29.53%
FY2024.Q2 2023.09 1,132 324 28.62%
FY2024.Q3 2023.12 1,225 432 35.27%

沿革

1999年10月 データベース事業及びインターネット対応の移動体通信キャリアへのコンテンツ提供等を目的として、東京都に株式会社おりこんダイレクトデジタルを設立。2000年11月大証ナスダック・ジャパン市場に上場。2002年7月商号をオリコン株式会社に変更。2006年12月ORW株式会社を設立。2010年5月オリコン・モバイル・ストラテジー株式会社を設立。2010年11月商号をオリコン・ストラテジー株式会社に変更(オリコン・モバイル・ストラテジー株式会社)。2013年1月商号をオリコン・エナジー株式会社に変更(ORWI株式会社)。2015年7月オリコン株式会社とオリコン・ストラテジー株式会社を合併し、オリコン株式会社とする。2018年1月オリコン株式会社とオリコン・エナジー株式会社を合併し、オリコン株式会社とする。「ORICON NEWS」や「オリコン顧客満足度ランキング」など、WEBサイトの制作・運営・広告販売等を行う

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長CEO小池恒氏の資産管理会社である有限会社リトルポンドが34.10%を保有。次いで、光通信株式会社が9.88%及び光通信の関連組織である株式会社UHPartners2が6.25%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が8.11%を保有。以下5%未満の保有で、信託銀行の信託口、創業者一族とみられる小池秀効氏や小池尚子氏、株式会社ディーエイチシーなどが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役副社長の名畑俊哉氏は株式会社オリジナルコンフィデンス(現子会社:株式会社oricon ME)の出身者、取締役の原田健明氏はオリコン・サウンド・クリエイツ株式会社(同前述)の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの小池恒氏は1965年6月生まれ。東京大学を卒業後、8050セイコーへ入社。1990年4月株式会社オリジナルコンフィデンス(同前述、父親の経営していた会社)に入社。1999年10月に同社を設立し、代表取締役社長へ就任。2002年6月に現職へ就任。株式会社oricon MEの代表取締役社長、オリコン・リサーチ株式会社の取締役、オリコンNEXTコミュニケーションズ株式会社の取締役も兼任している。株式会社オリジナルコンフィデンスの創業者である小池聰行氏の長男。

報告セグメント

「コミュニケーション事業」、「データサービス事業」、「モバイル事業」の3報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高1,103百万円の構成比は、コミュニケーション事業74.8%、データサービス事業14.9%、モバイル事業10.3%である。セグメント利益は、コミュニケーション事業518百万円、データサービス事業59百万円、モバイル事業53百万円であり、営業利益は356百万円であった。

事業モデル

コミュニケーション事業は、総合トレンドメディア「ORICON NEWS」、顧客満足度(CS)の調査結果・指標を発表するサイト「オリコン顧客満足度ランキング」、女性向け情報サイト「eltha」、オーディション情報サイト「Deview」などのWEBサイトの制作・運営・広告販売を行うほか、ニュース配信サービスの提供、PRコンサルティング、WEBマーケティングコンサルティング等を行う。 集計対象には、全国調査協力店のほか、ダウンロードストアではシェアの大きいiTunes Store / Amazon Music、ストリーミングサービスではApple Music / Amazon Music/ YouTube / YouTube Music / LINE MUSICなど主要な市場が含まれる。
データサービス事業は、全国の調査協力店から音楽ソフト・映像ソフト・書籍の実売データを収集し、それに基づいたマーケティングデータ及びランキング情報をオンラインで提供する有料サービス「ORICON BiZ online」の提供や、放送局向け及びECサイト向け音楽データベースの提供を行う。
モバイル事業は、スマートフォン向け・PC向け音楽・書籍配信サービスの提供や、フィーチャーフォン向けコンテンツ(音楽を含む)配信サービスの提供を行う。

オリコングループ会社案内

国内の情報通信分野においては、株式会社電通の発表では、2020年のインターネット広告市場は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、ネット通販等が堅調だったことを背景に前年比5.9%の増加となっている。また、株式会社MM総研の発表では、2020年の携帯電話端末の総出荷台数は前年比2.9%減と2019年を下回り2年連続で過去最低となったが、スマートフォンについては前年比1.3%増となっている。同社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合、イベント開催の滞り等による営業活動の遅れや景気減速により、コミュニケーション事業においては広告需要の減少、データサービス事業においては契約内容見直しによる売上減少、モバイル事業においては新譜発売延期によるダウンロードの減少等が想定されている。

競合他社

「music.jp」等を運営する9438エムティーアイ(直近決算期売上高260億円)、歌手等のファンサイトを運営する3661エムアップホールディングス(直近決算期売上高123億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び及び連結子会社4社によって構成され、コミュニケーション事業、データサービス事業、モバイル事業を展開する。同社は、純粋持株会社であり、連結子会社における当社持株比率は、4社全てにおいて100%である。

強み・弱み

「オリコン」ブランドのもと、長年にわたり築き上げてきた信頼性を強みとしている。その結果、集計対象として、新たなメディアも含めて主たるサービス各社と提携できていることも大きな強みと言える。同社グループの事業は、PC、携帯電話、スマートフォン等とコンピューターシステムとを結ぶ通信ネットワークに依存しており、通信ネットワークの切断やシステムの停止、サイバー攻撃などによる事業への影響が大きい点が懸念される。

KPI

KPIとして下記のようなものが挙げられる。
①顧客満足度(CS)調査事業 売上高
②ニュース配信・PV事業 売上高
③「ORICON NEWS」 YouTube公式チャンネル登録者数
④同 PV数
⑤同 セッション数

業績

2010年代は減収減益基調であったが、売上高は2018年3月期の3,739百万円、営業利益は2016年3月期の388百万円で底入れし、以後回復基調にあった。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、減収減益。営業CFは恒常的にプラス。営業CFに対する投資CFの拠出額は概ね2割以下程度でマイナス基調だったが、2021年3月期は投資有価証券の売却によりプラスであった。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は83.8%。

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