4344 ソースネクストの業績について考察してみた

4344 ソースネクストの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ソースネクストの事業概要

ソースネクスト株式会社は、東京都港区本社を置くPCソフト・スマートフォンアプリ・ハードウェアの開発と販売を行う会社である。1996年に松田憲幸・松田里美夫妻によって株式会社ソースとして設立されたのち、Microsoft社のWindows95の発売に合わせハードディスクの加速ユーティリティソフト「驚速95」やタイピングソフト「特打」を発売する。1999年には株式会社ソースからソースネクスト株式会社へ社名変更し、2006年に東京証券取引所 マザーズ市場に株式上場し、2008には東京証券取引所 市場第一部に株式上場を果たす。
2009年に現在の本社所在地である東京都港区に移転し、翌年2010にはスマートフォンの普及に合わせ、iPhoneアプリケーション事業に参入する。その他KDDIやNTTドコモ、ソフトバンクモバイルと提携し、Androidスマートフォン向けアプリの開発や提供を始める。2017年には初のIoT端末となる多言語対応翻訳機「ポケトーク」を発売する。
主要株主は、松田憲幸(26.12%)、ヨドバシカメラ(10.60%)、松田里美(2.71%)、
日本トラスティ・サービス信託銀行(1.95%)であり、代表取締役社長松田憲幸を筆頭に小嶋智彰、藤本浩佐、青山文彦3名の取締役の他15名の役員が在籍し、従業員数は139名となっている。

ソフトウェア関連事業

ソースネクスト株式会社の基幹事業は「ソフトウェア関連事業」であり単一セグメントとなっている。主な製品やサービスとしてタレントである明石家さんま氏がCMに起用された「ポケトーク」シリーズの他、年賀状ソフトである「筆まめ」や「筆王」「宛名職人」、Zoomと連携してweb会議などでデータファイルを共有できる「Dropbox」を提供している。
事業業績として2020年3月期決算売上高は17,282百万円と、2018年3月期決算売上高9,494百万円、2019年3月期売上高14,710百万円と各年の売上高前年同期比は154.9%、117.5%と右肩上がりで成長している。製品分野ごとの2020年3月期売上高は「ポケトーク」の9,028百万円(前期比131.5%)、「筆まめ」などのハガキ作成ソフトの1,780百万円(117.4%)、Androidアプリの1,139百万円(前期比78.3%)、セキュリティ分野の815百万円(139.4%)、その他4,519百万円(前期比105.3%)とAndroidアプリ分野以外の製品分野で前年同期比をプラスとさせることができている。
しかしながら経常利益においては2018年3月期より2020年3月期まで、1,258百万円、906百万円、538百万円と720百万円減少し、売上高経常利益率は2018年3月期13.2%から2020年3月期3.1%まで10.1%低下している。 収益性低下の主な原因として主力製品である「ポケトークW」の販売方法を、従来の店頭販売から利益率の高い自社オンラインショップでの専売に変更したことによる、当初想定していなかった返品調整引当金の計上と、「ポケトーク」の大型店販売実施に伴う販売促進費と専用サポート増設に伴う業務委託費などの増加が挙げられる。2019年3月期から2020年3月期までにおいて、返品調整引当金は121百万円から314百万円と193百万円の増加、販売促進の952百万円から1.578百万円の626百万円の増加、業務委託費の1、972百万円から2,356百万円の384百万の増加と、合計1,213百万円の増加が見られている。
仮に2020年3月期売上高を参考に売上高経常利益率を2018年3月期と同水準まで引き上げることを考えると、経常利益2,281百万円が必要となり、1,561百万円のコスト削減が必要であることが分かる。これは「ポケトーク」関連で増加したコスト1,972百万円と近い金額となる。
このことから売上の拡大と同時に継続的かつ効果的な予算実績管理を徹底し、原価削減及び効果的な販売費及び一般管理費の支出のコスト管理を実施することが必要であると考えられる。
2020年より発生した新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う市場環境の変化により、海外渡航の減少や外出自粛による家電量販店などへの来店頻度の減少などが発生している。2021年第2四半期決算では売上高5,788百万円(前期比△33.3%)、経常利益242百万円(前期比△31.4%)と大きく下落していることから、これまでの販売チャネルの維持と新たな販売チャネルの構築と合わせ、徹底した予算実績管理とコスト削減が必要になるといえるだろう。