4397 チームスピリットの業績について考察してみた

4397 チームスピリットの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1996年11月有限会社デジタルコーストとして埼玉県にて設立。2008年4月にデジタルコースト株式会社へ組織変更。2012年4月には、現在のSaaS事業の主軸であるERPのフロントウェア「TeamSpirit」のサービス提供を開始、勤怠管理、工数管理、経費精算などのアプリケーションを一体化されたシステムとして提供。2012年9月に株式会社チームスピリットへ商号変更2018年8月東証マザーズへ上場

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末日時点の大株主は代表取締役社長の荻島浩司氏31.0%、次いでDraper Nexus Technology Partners2号投資事業有限責任組合9.4%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.2%となっている。そのほかにも国内外の信託銀行等の信託口や、機関投資家による保有が複数確認される。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役の曽我勝一氏は公認会計士の有資格者で監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)などを経て2020年7月に当社入社。その他3名の社内取締役はいずれも外資系企業(アクセンチュア、日本オラクル、HP、セールスフォースなど様々)での勤務経験を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の萩島浩司氏は1960年5月生まれ。1982年4月、日幸興産株式会社に入社。1983年4月にアイ・エヌ・エス株式会社へ入社し、プログラマーを経て企画・営業を担当。1996年10月有限会社ネットウェイを設立し代表取締役に就任。1996年11月当社設立、代表取締役に就任

報告セグメント

「SaaS事業」の単一セグメント。2020年8月期の売上高構成は「ライセンス」が1,960百万円で80.2%を占め、「プロフェッショナルサービス」が485百万円で19.8%を占める。

事業モデル

社名である主力商品「TeamSpirit」は従業員の勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算などを一体化したクラウドサービス。インターネット経由で必要な期間利用できるSaaS形態で法人向けへ提供しており、資生堂や三菱地所、フジテレビなどの大企業から100人以下の中小企業まで、製造業からコンサルティング、学校法人など幅広い業種の顧客に1400社以上の導入実績をもつ。「TeamSpirit」は使用期間やユーザー数に応じてサブスクリプションとして課金するリカーリングレベニュー方式を採用しており、ストック型の「ライセンス」売上高と位置付けられる。
また、「プロフェッショナルサービス」として「TeamSpirit」の導入をサポートするサービスも提供。本来はユーザー企業自らが導入・運用を実施するが、ITに不慣れな企業や社内負担を減らしたい企業は有償で同社コンサルタントの支援を受けることができる。

販売体制は太宗が直販、一部の大企業向けに再販パートナーや紹介パートナーとの協業もある。Salesforce.com, inc.が提供するPaaS(Platform as a Service)を活用して基盤となるサーバーやシステム機器・セキュリティ対策などを一任。アプリケーションの開発に集中できる反面、株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約に基づいた月額課金の仕入れ費用がユーザー当たりで生じる。

2021年8月期 第1四半期決算説明資料

競合他社

業務効率化システム・勤怠管理システムを提供するERP事業者は大小さまざまな競合先が存在する。上場企業としては「Garoon」などを提供する4776サイボウズ(2020年12月期売上高15,674百万円)や「楽楽精算」などを提供する3923ラクス(2020年3月期売上高11,608百万円)などが挙げられ、クラウドサービスの導入社数約1200社の4013日通システム(2020年12月期売上高3,432百万円)なども該当する。

連結の範囲

連結の対象となる子会社は海外1社。シンガポールに拠点を置き、アジア・太平洋地域における同社製品の開発・販売を担っている。

強み・弱み

1400社以上の導入実績を誇るクラウドサービス「TeamSpirit」及び同サービスの提供によって得られる働く人のビッグデータを有する点が強み。一方、米クラウド大手の株式会社セールスフォース・ドットコムとの契約に依存している点がリスクとなっている。現状では今後の契約関係は安定して継続する見込み。

KPI

2021年8月期第1四半期の主要KPIは下記の通り。
累計ライセンス数289,973(純増12,259ライセンス)
ライセンスARR 2,255百万円(前年同期比+22.6%)
ライセンスARR:対象月の月末時点のライセンス契約金額の合計を12倍して算出
リカーリングレベニュー 612百万円(前年同期比+26.2%)
Gross解約率は0.64%(前四半期末比△0.03ポイント改善)

2021年8月期 第1四半期決算説明資料

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は堅調に増加し、540百万円から2,445百万円へ4.5倍となった。経常損益は改善を続けており、2018年8月期に黒字転換し、2020年8月期には279百万円の経常利益を記録。営業CFは2017年8月期よりプラスとなっている。投資CFの拠出は少なく、財務CFは株式発行などを背景にプラスで推移自己資本比率は3期連続で50%前後となっている。