3981 ビーグリーの業績について考察してみた

3981 ビーグリーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年10月東京都渋谷区に「株式会社ビービーエムエフ(旧ビービーエムエフ)」を設立、携帯ゲームやアプリ等の配信事業を開始。2006年4月フィーチャーフォン向けコミック配信サービス「ケータイ★まんが王国」を開始。2008年9月株式会社ニューを存続会社として吸収合併、商号を株式会社ビービーエムエフに変更。2010年7月まんが王国累計1億冊ダウンロード突破。2010年8月menue株式会社(旧menue)へ商号変更。2011年11月スマートフォン向けコミック配信サービス「まんが王国」を開始。2013年11月、株式会社リサ・パートナーズによって株式会社MNHが設立され、同社は子会社化後に吸収合併され、2014年5月には株式会社MNHがmenue株式会社へ商号変更し存続会社となった。2014年9月商号を「株式会社ビーグリー」に変更。2017年3月東京証券取引所マザーズに株式を上場。2017年12月末時点で、リサ・パートナーズは大株主ではなくなった。2018年3月東京証券取引所市場第一部へ上場市場変更。2020年7月時点で13億冊ダウンロード、会員数400万人を突破するまんが王国を運営する。

2021年12月期 第2四半期決算説明会資料

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の大株主は、株式会社小学館が9.14%、次いで株式会社SBI証券が5.51%となっており、代表取締役社長の吉田仁平氏が4.22%保有している。他に楽天証券株式会社などの金融機関や個人投資家の志野文哉氏が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役7名(社内4名、社外3名)、うち監査等委員は3名(社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役はいずれも中途で、ネクステック株式会社、株式会社ミクシィ、株式会社エイチ・ユーなど各位様々な経歴である。

代表取締役の経歴

代表取締役の吉田仁平氏は1971年12月30日生まれ。早稲田大学卒業後、日商岩井株式会社(現双日株式会社)に入社。その後2007年6月株式会社ビービーエムエフ(現当社)へ入社し、2007年10月執行役員へ就任。2012年3月menue株式会社(現当社) 取締役就任を経て、2013年3月代表取締役就任。2014年2月株式会社MNH(現当社) 代表取締役社長就任(現任)。

報告セグメント

「プラットフォームセグメント」「コンテンツセグメント」の2報告セグメントに大別される。2021年第2四半期までの売上高9,249百万円の構成比は、プラットフォームセグメント65%、コンテンツセグメント35%となっている。なお、同期のセグメント利益は、一部のコミックやゲーム関連サービスで無形固定資産の減損損失を計上したためプラットフォームセグメントは▲42百万円、コンテンツセグメントは767百万円であった。なお、2020年12月期の各セグメント利益率はプラットフォームセグメントが8.0%、コンテンツセグメントが18.3%であった。

事業モデル

良質なコンテンツやクリエイターが埋もれることなく、ユーザーが興味を持つコンテンツと出逢えるようなサービスを生み出し、さらに自らもオリジナルのエンターテインメントコンテンツを創出していき文化の発展に貢献するべく2つの事業に注力している。
プラットフォームセグメントの主力サービス「まんが王国」は、スマートフォンやタブレット、PCで手軽に漫画を楽しむことができるコミック配信サービスをう。電子書籍業界で一般的な電子取次会社経由ではなく、主に直接営業により出版社、プロダクション、及び作家等、タイトルの権利を保有もしくは管理する方々(ライセンサー)から利用許諾の獲得を行う。また、知名度やメディア露出を重視した品揃えにより需要を取り込む販売手法だけでなく、過去及び新規の知る人ぞ知る良作を掘りおこし、プロモーションしている。さらに、ユーザーレビューやレコメンド機能、SNS連携等を用いて、販売促進を行うとともに新たな売れ筋タイトルを掘りおこしている。日々のユーザー行動データを基にサービス改善サイクルを回すとともに、これらのノウハウを蓄積することでそれぞれのユーザーに合った商品を提供できる書店として競合サービスとの差別化に取り組んでいる。
コンテンツセグメントは、「株式会社ぶんか社」が中核会社となり、連続ドラマ化作品である「義母と娘のブルース」をはじめ数多くの優良作品を保有し、女性向けの漫画ジャンルを得意とした総合出版社事業を展開する。近年ではデジタル出版を積極的に推進し、売上の大半をデジタル売上が占めるに至っており、変化の激しいネットユーザーのトレンドに沿った作品創作に強みがある。これに、「まんが王国」やその他サービスで蓄積したビッグデータやノウハウ、並びにグループ全体で持つ作家やクリエイターとの多数のコネクションを活用することで、ユーザーに支持される作品の創出及び制作を行っている。

競合他社

電子書籍販売は最大手のKindleストア(Amazon提供)、次いでLINEマンガ(LINE株式会社提供)、ピッコマ(株式会社カカオジャパン提供)などの大手から、上場企業が提供するサイトやアプリまで複数の競合が存在する。「Renta!」を運営する3641パピレス(2021年3月期売上高253億円)、「めちゃコミック」を運営する4348インフォコム(2021年3月期売上高680億円)などが挙げられる。

連結の範囲

株式会社ぶんか社、株式会社海王社、新アポロ出版株式会社、株式会社文友舎、株式会社楽楽出版、株式会社 NSSK-C、株式会社 NSSK-CCの7社が連結子会社に該当する。株式会社ぶんか社は2020年10月に子会社化し吸収合併した会社で、コンテンツセグメントにおける中核会社となっている。

強み・弱み

「まんが王国」やその他サービスで蓄積したビッグデータやノウハウ、並びに作家やクリエイターとの多数のコネクションを活用することで、対象会社グループの作品創出力向上を加速させることや、目利き力を生かしたコンテンツ提案、オリジナル作品による差別化を図れる点強み。懸念点としては、電子書籍業界は、特許等による特別な参入障壁が存在しない業界であり近年多数の企業が参入し、競争が激化している点である。 また、近年は海外輸入作品やオリジナルコンテンツによる差別化が目立っており、大手との厳しいユーザーおよびコンテンツの獲得競争にあたり、企画・編集力及び資本力が試される点も課題である。

KPI

「まんが王国」の会員数やダウンロード数、およびぶんか社発売のコミックスの販売数などがKPIになると考えられる。また、セグメント別売上高や下記の様な数値が公表されている。
・まんが王国MAUAPPPU
・コンテンツセグメント売上高にしめるデジタル比率

2021年12月期 第2四半期決算説明会資料

2021年12月期 第2四半期決算説明会資料

2021年12月期 第2四半期決算説明会資料

業績

過去5年間の業績を見ると、売上高は2020年12月期で12,378百万円となっており、5年連続増収。営業利益は2018年12月期は減益だったが、その後回復基調に転じ2期連続増益した結果2020年12月期は1,136百万円で過去最高益を更新した。営業CFは恒常的にプラス。投資、財務CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は26.5%。