2980 SREホールディングスの業績について考察してみた

2980 SREホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2022.06 2,922 230 7.87%
FY2023.Q2 2022.09 3,595 531 14.77%
FY2023.Q3 2022.12 3,693 306 8.29%
FY2023.Q4 2023.03 8,331 619 7.43%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2020.Q3 2019.12 828 179 21.62%
FY2020.Q4 2020.03 1,633 307 18.8%
FY2021.Q1 2020.06 1,040 123 11.83%
FY2021.Q2 2020.09 1,227 108 8.8%
FY2021.Q3 2020.12 727 146 20.08%
FY2021.Q4 2021.03 4,345 679 15.63%
FY2022.Q1 2021.06 1,782 175 9.82%
FY2022.Q2 2021.09 1,626 148 9.1%
FY2022.Q3 2021.12 3,947 654 16.57%
FY2022.Q4 2022.03 6,217 414 6.66%
FY2023.Q1 2022.06 2,922 230 7.87%
FY2023.Q2 2022.09 3,595 531 14.77%
FY2023.Q3 2022.12 3,693 306 8.29%
FY2023.Q4 2023.03 8,331 619 7.43%

沿革

2014年4月ソニー不動産株式会社を設立。2015年7月ヤフー株式会社(2019年10月1日よりZホールディングス株式会社に商号変更)に対して第三者割当増資を実施し、業務提携契約を締結。2019年6月商号を「ソニー不動産株式会社」から「SREホールディングス株式会社」へ変更。2019年9月機械学習を用いた「AIによる将来予測ツール」の導入コンサルティング及びサポートサービス開始。2020年1月東証マザーズに上場。2021年4月東証一部へ市場変更。不動産仲介データを分析したAIアルゴリズム機能の提供などを行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、ソニーグループ株式会社が37.89%を保有。次いで、Zホールディングス株式会社が21.46%、SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 香港上海銀行)7.81%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.01%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が5.44%を保有。そのほか、代表取締役社長兼CEOの西山和良氏やモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内6名、社外2名)、うち3名は監査等委員(社外2名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役4名は、東急不動産株式会社やソニーグループ株式会社、株式会社三井住友銀行などの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼CEOの西山和良氏は1975年4月生まれ。一橋大学を卒業後、ソニー株式会社(現ソニーグループ株式会社)に入社。2014年4月に現職へ就任し、SRE AI Partners株式会社の代表取締役社長も兼任。

報告セグメント

「AI クラウド&コンサルティング事業」、「不動産テック事業」の2報告セグメントに大別される。2022年3月期第3四半期の売上高7,355百万円の構成比は、AI クラウド&コンサルティング事業13.6%、不動産テック事業86.4%である。セグメント利益は、AI クラウド&コンサルティング事業556百万円、不動産テック事業474百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は977百万円であった。

事業モデル

AI クラウド&コンサルティング事業は、不動産業界を中心とする様々な業界の業務改善に向けて、機械学習等の先進テクノロジーを活用したモジュールをベースに、パッケージ型クラウドツールやテーラーメイド型アルゴリズムを提供する。同事業は「AIクラウドサービス」と「AIコンサルティングサービス」の2つのビジネスモデルに大別される。
AIクラウドサービスでは、不動産仲介事業者や金融機関向けにパッケージ化した業務支援型のAIクラウドツールを外販し、毎月固定収益を上げるストック型ビジネスとして展開する。
AIコンサルティングサービスでは、金融や電力など様々な業界向けに、企業の課題や予算等に応じたテーラーメイドアルゴリズムを開発し提供しており、PoCやシステム開発に応じたフロー収入及び保守運用等によるストック収入を組み合わせたビジネスとして展開する。

2021年3月期 有価証券報告書

不動産テック事業では、テクノロジーの活用を行いながらも確かな専門性をもって価値提供を行う。不動産仲介サービスでは、不動産の売買において売主と買主それぞれに異なるエージェントが担当することで顧客利益を追求する仲介業務を行う。スマートホームサービスでは、IoT技術などを活用したマンション「AIFLAT(アイフラット)」を中心に、投資用不動産の開発・販売、及びインベストメントを行う。

2021年3月期 有価証券報告書

人工知能(AI)や不動産テックの国内市場の市場規模は拡大傾向にあり、今後一層の市場規模拡大が予測されている。新型コロナウィルス感染拡大の長期化により先行きに不透明感はあるものの、コロナ禍の影響と政府によるデジタル化推進の動きが相まった業界横断のデジタライゼーション機運が継続することで、同社事業にとって良好な状況が続くと想定している。

競合他社

不動産業界やAI業界においては多くの競合が存在する。AIを活用したサービスを提供する企業として、3993PKSHA Technology(2020年9月期売上高8,727百万円)、4488AI inside(2021年3月期売上高4,597百万円)、4056ニューラルポケット(2021年12月期売上高1,010百万円)、3655ブレインパッド(2021年6月期売上高7,101百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社1社(SRE AI Partners株式会社)及び持分法適用関連会社1社(株式会社マネジメント・シェルパ・ソリューション)により構成される。また、主要株主であるソニー株式会社(現ソニーグループ株式会社)及びZホールディングス株式会社はその他の関係会社である

強み・弱み

不動産事業(リアルビジネス)とAI事業を有しており、2つの事業が相互に補完し合うデータエコシステム型ビジネスを構築している点が強み。2019年10月の消費税の税率引上げによる住宅需要の減少防止のため、住宅ローン減税や住宅取得における贈与税の非課税枠等、不動産関連の税制の変更等が実施されている。しかし、それらの政策の変更により不動産市況が落ち込み、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     累計課金契約者数
②     スマートホームサービス売上割合
③     スマート化ツール創出/機能強化案件

2022年3月期第3四半期 決算説明資料

業績

連結財務諸表を作成している2019年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は2,896百万円から7,339百万円、経常利益は435百万円から1,023百万円と増収増益。AIや不動産テックの市場規模拡大が要因とみられる。営業CFは過去2期マイナス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第3四半期の自己資本比率は47.8%。

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