8818 京阪神ビルディングの業績について考察してみた

8818 京阪神ビルディングの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1948年2月京阪神競馬株式会社設立。1949年4月梅田・難波両場外馬券発売所(現ウインズビル)竣工、日本中央競馬会に賃貸開始。1949年5月大証一部上場。1956年3月京阪神不動産株式会社に商号変更。1962年4月オフィスビル第1号となる瓦町ビル、1988年3月データセンタービル第1号となる新町第1ビルが竣工、各領域の賃貸事業を開始する。2003年3月東証一部上場。2011年10月京阪神ビルディング株式会社に商号変更。大阪府中心に場外馬券場やオフィスビル、データセンター等の賃貸を行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、三井住友銀行の親密事業会社で大阪府にて不動産業を営む銀泉株式会社で保有割合12.46%。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、三井住友銀行、6367ダイキン工業、1944きんでん、1812鹿島建設、地銀2行、オランダの年金基金が名を連ねる。b>外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は現三井住友銀行出身者2名、1812鹿島建設出身者1名で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長 社長執行役員の南浩一氏は1955年3月生まれ。名古屋大学卒業後、1977年4月に住友銀行(現三井住友銀行)入行。同行にて取締役兼専務執行役員、8316三井住友フィナンシャルグループにて監査役を務めた後、2016年6月同社に代表取締役として入社した

報告セグメント

土地建物賃貸事業の単一報告セグメント。2021年3月期の部門別売上高は下図の通り。利益の内訳開示は無い。

個人投資家さま向け会社説明会資料2021年9月

事業モデル

オフィスビル、データセンタービル、ウインズビル、商業施設・物流倉庫の賃貸を行う。関西圏が中心だが、首都圏にも進出。所有物件は下図の通り。

第98期 報告書

オフィスビルは駅近の交通至便立地を基本に展開、データセンタービルは高い防災性能、電力供給の信頼性、先進のセキュリティシステムなど最新スペックを誇る都市型ビルを提供する。ウインズビルは京阪神地区5ヶ所の場外馬券場を、半世紀に渡り日本中央競馬会に賃貸、賃料等の条件は3年毎見直すこととなっている。商業施設・物流倉庫の賃貸は1976年に開始、現在5ヶ所を運営している。日本中央競馬会以外では、9434ソフトバンクが
13.7%、エクイニクス・ジャパン株式会社が10.7%と売上高依存度が高い。
同社保有物件においては現状影響軽微であるものの、コロナ禍を発端としたオフィスの在り方の見直しによる規模縮小等の動きが一部みられている。

競合他社

9104商船三井グループでビル賃貸を行う8806ダイビル(2021年3月期売上高42,909百万円)や、8411みずほフィナンシャルグループ系の3003ヒューリック(2020年12月期売上高339,645百万円)、9042阪急阪神ホールディングスグループで錦糸町のビルを日本中央競馬会に賃貸する8842楽天地(2021年1月期売上高8,171百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は1社。京阪神建築サービス株式会社が同社保有物件の総合管理業務を行っている。

強み・弱み

強みとして 不動産賃貸業に特化するものの、オフィスビル、データセンタービル、ウインズビルを中心に売上高が分散され不動産市況の影響を受けづらいこと、立地調査から企画、管理、修繕までワンストップでサービスを提供できる体制などが挙げられる。一方で大阪府に物件が偏重している(2021年3月期売上高の79.4%)ことによる同地域の災害リスク、日本中央競馬会等特定取引先への依存リスク、借入金調達により物件取得するための金利リスク、資産価値下落リスクなどを持つ。

KPI

①総賃貸可能面積(72,318坪、2021年3月期)
②空室率(同社全体0.2%、同社オフィス0.6%、2021年3月期)
③保有賃貸等不動産評価額(170,590百万円、簿価96,723百万円、2021年3月期末)

会社説明会資料2021年6月

業績

売上高は既存ビルの稼働率向上や新規ビルの竣工などにより増収基調だが、営業利益は諸経費の増加を吸収しきれず2020年3月期から2期連続減益。フリーCFは物件取得時などにマイナスになる傾向。自己資本比率はやや低下基調で2021年3月期は45.7%。有利子負債が増加傾向にある。