2353 日本駐車場開発の業績について考察してみた

2353 日本駐車場開発の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2022.04 7,093 1,401 19.75%
FY2022.Q4 2022.07 6,335 880 13.89%
FY2023.Q1 2022.10 9,314 2,220 23.84%
FY2023.Q2 2023.01 7,383 1,333 18.05%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.04 6,362 1,195 18.78%
FY2017.Q4 2017.07 4,652 162 3.48%
FY2018.Q1 2017.10 5,294 927 17.51%
FY2018.Q2 2018.01 6,013 927 15.42%
FY2018.Q3 2018.04 6,594 1,359 20.61%
FY2018.Q4 2018.07 4,870 320 6.57%
FY2019.Q1 2018.10 5,694 1,105 19.41%
FY2019.Q2 2019.01 6,278 1,009 16.07%
FY2019.Q3 2019.04 7,064 1,455 20.6%
FY2019.Q4 2019.07 5,345 588 11%
FY2020.Q1 2019.10 5,755 879 15.27%
FY2020.Q2 2020.01 6,486 1,114 17.18%
FY2020.Q3 2020.04 6,452 940 14.57%
FY2020.Q4 2020.07 4,286 -261 -6.09%
FY2021.Q1 2020.10 6,041 1,108 18.34%
FY2021.Q2 2021.01 5,997 642 10.71%
FY2021.Q3 2021.04 6,262 943 15.06%
FY2021.Q4 2021.07 5,485 570 10.39%
FY2022.Q1 2021.10 6,286 1,176 18.71%
FY2022.Q2 2022.01 6,557 1,125 17.16%
FY2022.Q3 2022.04 7,093 1,401 19.75%
FY2022.Q4 2022.07 6,335 880 13.89%
FY2023.Q1 2022.10 9,314 2,220 23.84%
FY2023.Q2 2023.01 7,383 1,333 18.05%

沿革

1991年12月大阪府にて日本駐車場開発株式会社を設立、駐車場に関するコンサルティング業務を開始。2001年2月7203トヨタ自動車が資本参加。2003年2月日本証券業協会に株式を店頭登録。2004年2月東証二部上場、2005年1月東証一部に変更。2005年12月連結子会社の日本スキー場開発株式会社を設立。2015年4月に6040日本スキー場開発が東証マザーズに上場。商業施設等の転貸型月極駐車場運営のほか、子会社でスキー場、テーマパーク運営等を行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年1月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の資産管理会社とみられる株式会社巽商店で保有割合30.06%。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、7203トヨタ自動車、国内外の信託銀行等の信託口、同社代表取締役および取締役等の個人名が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内7名、社外2名)、監査役は4名 (全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち4名は中途入社とみられ、8078阪和興業、株式会社ティー・ケー・シー・ワークショップ、株式会社ノエル等の出身。残り3名はプロパーとみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の巽一久氏は1968年1月生まれ。大谷大学卒業後、1991年12月同社を設立、代表取締役社長に就任する。現在は連結子会社の日本テーマパーク開発株式会社、株式会社ロクヨンの取締役を兼任する。

報告セグメント

2021年7月期決算説明会

「駐車場事業」、「スキー場事業」および「テーマパーク事業」の3報告セグメントと報告セグメントに含まれない教育、ヘルスケア、不動産事業等の「その他」で構成される。2021年7月期売上高23,785百万円の構成は、駐車場事業59.8%、スキー場事業19.1%、テーマパーク事業18.4%、その他2.6%だった。2021年7月期駐車場事業のモデル別売上高は下図の通り。全社費用を除く営業利益の構成は、大部分が駐車場事業で計上された一方、スキー場事業は赤字だった。

事業モデル

駐車場事業では、直営、リーシング、マネジメント事業等を行う。なかでもサブリースは業界初の事業モデル。都心部の一定規模以上の建築物には駐車場を設置する義務があるが、なかには全く使われない駐車場もあり、それら駐車場を利用者と結びつける事業として展開した。国内では約1,200件の駐車場を管理、うち230件は有人管理。その有人管理物件の大部分はオーナーから建物を買い取る手法で、直営事業として展開している。直営事業には資金が必要となるものの、解約リスクがなくなり、利益率も向上する。

2021年7月期決算説明会

スキー場事業は、連結子会社の6040日本スキー場開発を中心に展開する。既存の経営難に陥っているスキー場経営企業に資本参加、連結子会社化し、中長期視点での再生に取り組む。長野県白馬村周辺のスキー場を中心に8施設保有。
テーマパーク事業は、連結子会社の日本テーマパーク開発株式会社を中心に展開する。2016年に譲り受けた「那須ハイランドパーク」などテーマパークの事業立て直しのほか、別荘地の再生などを行う。エリア全体の観光資源を見出し、地域のブランディング、価値向上に取り組む。
駐車場事業は未出店の政令指定都市・中核市を含めると開拓余地は依然大きい。オフィスビル・商業施設の駐車場を中心に運営してきたが、分譲マンションや病院等にもソリューション提供による事業領域の拡大も見込める。テーマパーク事業においては少子高齢化を背景に厳しい競争環境にあるが、地域の観光資源としてスキー場事業とともに訪日外国人観光客の需要取り込みにより大きなビジネスチャンスがあるものと考えられる。

競合他社

駐車場のサブリースを行う3496アズーム(2020年9月期売上高3,814百万円)、コインパーキング運営のため直接競合ではないとみられるが、4666パーク24(2020年10月期売上高268,904百万円)、4809パラカ(2020年9月期売上高12,471百万円)が挙げられる。

連結の範囲

連結子会社27社で構成される。主な連結子会社としてスキー場運営・管理を行う6040日本スキー場開発カーシェアリングサービスを運営する日本自動車サービス開発株式会社テーマパーク、遊園地等の運営・管理・コンサルティングを行う日本テーマパーク開発株式会社が挙げられる。

強み・弱み

長年の営業により積み重ねた駐車場サブリース事業のノウハウ、新規事業の積極展開が強み。また3主力事業に分類され、事業リスクは分散されている。一方でスキー場事業、テーマパーク事業の来場者は天候に左右される。またコロナ禍における活動制限などにより来場者のほか駐車場サブリースのメインターゲットである社用車の保有台数が変化することが考えられ、同社業績に影響を与えるものと考えられる。

KPI

①受託物件数:駐車場事業(1,326件、前年度比+62件)
②総台数:駐車場事業(65,754台、前年度比+22台)
③月極専用直営物件契約率:駐車場事業(下図参照)
④来場者数:スキー場事業(1,283千人、前年度比▲489千人)
⑤主要施設入場者数:テーマパーク事業(703千人、前年度+231千人)

2021年7月期決算説明会

業績

売上高は2019年7月期まで連続増収も、2020年7月期にコロナ禍においてスキー場、テーマパークの入場者が減少したことにより減収となった。営業利益は2020年7月期のほか、暖冬の影響でスキー場来場者が減少した2016年7月期が減益だった。フリーCFはプラス維持。自己資本比率は30%台だったが有利子負債が増加した2020年7月期以降は20%台に低下

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