3496 アズームの業績について考察してみた

3496 アズームの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q4 2022.09 1,758 230 13.08%
FY2023.Q1 2022.12 1,848 275 14.88%
FY2023.Q2 2023.03 2,015 319 15.83%
FY2023.Q3 2023.06 2,127 322 15.14%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q4 2018.09 519 34 6.55%
FY2019.Q1 2018.12 574 16 2.79%
FY2019.Q2 2019.03 650 22 3.38%
FY2019.Q3 2019.06 716 36 5.03%
FY2019.Q4 2019.09 788 19 2.41%
FY2020.Q1 2019.12 842 1 0.12%
FY2020.Q2 2020.03 932 43 4.61%
FY2020.Q3 2020.06 974 63 6.47%
FY2020.Q4 2020.09 1,066 117 10.98%
FY2021.Q1 2020.12 1,108 101 9.12%
FY2021.Q2 2021.03 1,220 152 12.46%
FY2021.Q3 2021.06 1,296 148 11.42%
FY2021.Q4 2021.09 1,350 106 7.85%
FY2022.Q1 2021.12 1,436 176 12.26%
FY2022.Q2 2022.03 1,585 246 15.52%
FY2022.Q3 2022.06 1,638 226 13.8%
FY2022.Q4 2022.09 1,758 230 13.08%
FY2023.Q1 2022.12 1,848 275 14.88%
FY2023.Q2 2023.03 2,015 319 15.83%
FY2023.Q3 2023.06 2,127 322 15.14%

沿革

2009年10月、東京都にて株式会社アズーム設立、月極駐車場紹介サービス及び月極駐車場サブリースサービスを開始した。2017年6月には月極駐車場照会サービスの対応地区を全都道府県に拡大。2018年9月東証マザーズに上場。2019年9月貸し会議室運営のサポートを提供するWEBシステム「スマート会議室」事業を譲り受ける。現在はオフィスビル等の駐車場サブリースが主力で、月極駐車場紹介サイト「カーパーキング」の運営も行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役菅田洋司氏の資産管理会社とみられる株式会社パノラマで保有割合35.73%。次いで菅田氏が25.00%で、合算すると保有割合は、60.73%になる。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、国内証券、同社前代表取締役副社長、現取締役などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち代表取締役を含めた2名が株式会社ワークスメディアを経て入社、残りはプロパーと監査法人出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の菅田洋司氏は1977年1月生まれ神奈川大学卒業後、現TJMデザインを経て、2353日本駐車場開発に入社。その後Webサービスの開発を主とする株式会社ワークスメディアを経て、2009年10月同社を設立、以降代表取締役を務める

報告セグメント

遊休不動産活用事業、ビジュアライゼーション事業の2報告セグメントに大別される。2021年9月期では売上高の97%、セグメント利益の99%を遊休不動産活用事業が占めた。遊休不動産活用事業は、月極駐車場サブリースサービス(全体売上高の86.0%)、月極駐車場紹介サービス(同9.7%)、その他サービス(同1.6%)に細分化される。

事業モデル

月極駐車場サブリースサービスは、マンション及びオフィス等に設置されている駐車場において、借主が見つからず収益を生んでいない区画を、オーナーから同社がマスターリース(一括借上)を行うサービスである。日本の都心部では一定規模以上の建築物に駐車場を設置することが義務付けられているため、ニーズがないにも関わらず仕方なく設置されている駐車場が数多く存在する。オーナーにとっては、毎月一定の賃料が入金されることに加え、手間のかかる利用者の募集、ユーザーとの契約業務、賃料の督促対応、解約の対応、トラブル対応などを同社が行うといったメリットがある。一方で、目的地から遠く不便な駐車場を利用している人も多い。このミスマッチを解消する点に当該サービスの価値があると言えるだろう。同社にとっては、カーパーキングにて月極駐車場を探しているユーザーが同社に問い合わせをし、当該ユーザーに対してサブリース(貸付)を行うことによって、毎月安定的な賃料収入を獲得することができるストックビジネスとしての位置づけである。

事業計画及び成長可能性に関する事項

月極駐車場紹介サービスはユーザーが求める駐車場を紹介し、オーナーより申込書等を取り寄せ、ユーザーに案内することにより、駐車場オーナー及びユーザーから手数料収入を得るビジネスモデルである。同社の月極駐車場のポータルサイト「カーパーキング」はエリア・駅からの絞り込みをはじめ駐車場賃料や設備等による検索機能を有し、月極駐車場を探しているユーザーのニーズに合った駐車場を探すことができる。また、利用を希望する駐車場が具体的に決まっていないユーザーに対しても、ニーズをヒアリングし、最適な駐車場を探索したうえで、ユーザーへの提案を行うことができる点に強みがある。2015年9月期の問い合わせ件数は45,564件であったが、2021年9月期には250,098件にまで増加した。

事業計画及び成長可能性に関する事項

新型コロナの影響で、従来よりもさらにネット経由での駐車場問い合わせ件数が増加している。また引っ越しなど転居活動が活発となる3月が繁忙期となり、第2四半期の売上が拡大する傾向にある。

競合他社

駐車場サブリースを展開する2353日本駐車場開発(2021年7月期売上高23,785百万円)、コインパーキング運営のため直接競合ではないとみられるが、4666パーク24(2021年10期売上高251,102百万円)、4809パラカ(2021年9月期売上高11,761百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は2社。ビジュアライゼーション事業を行う株式会社CGWorksと、システム開発やCGグラフィックデータ制作を行うAZOOM VIETNAM INC.で構成される。

強み・弱み

掲載件数を公表する月極駐車場検索サイトでは掲載件数No.1を誇り、高い集客力を有すること、サブリースによる安定したストック型収益を得られることなどが強みとして挙げられる。リスク要因としては、国内自動車保有台数の低下や、国内駐車場需要が減少することなどが挙げられる。

KPI

駐車場問い合わせ件数や駐車場受託台数(下図)のほか、駐車場検索サイト掲載件数(2021年11月12日時点で43,520件)、国内駐車場台数(2018年時点で5,342千台)、国内自動車保有台数などがKPIになると考えられる。

2021年9月期決算説明資料

業績

増収を継続し、2021年9月期は2016年9月期から6倍超の売上規模に成長した。駐車場サブリースサービスにおける稼働率の高まりにより、営業利益率は2019年9月期の3.4%から2021年9月期は10.1%に上昇している。当期利益の増加を受けプラス幅が拡大する営業CFの影響を受け、フリーCFもプラス幅拡大。事業の譲受等により投資CFのマイナス大きかった2019年9月期のみマイナス。上場直後からは低下も2021年9月期の自己資本比率は51.8%

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