3479 TKP(ティーケーピー)の業績について考察してみた

3479 TKP(ティーケーピー)の業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2005年8月株式会社ティーケーピー設立、ポータルサイト「TKP貸会議室ネット」の運営開始。2008年に第二種旅行業登録をし、会議・研修のトータルサービスを提供開始。2014年には第一種旅行業免許も取得。2017年3月東証マザーズ上場。2019年5月レンタルオフィス最大手の日本リージャスホールディングス株式会社とその子会社(以下、総称して日本リージャス社)を、同年9月には台北雷格欺商務服務有限公司とその子会社(以下、総称して台湾リージャス社)を子会社化。企業向けの空間シェアリングビジネスの先駆け

株主構成

有価証券報告書によると2021年8月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長CEOの河野貴輝氏の資産管理会社、株式会社リバーフィールドで保有割合33.26%。同氏が22.74%で続き、合わせて56.0%を保有する。取引関係のある株式会社井門コーポレーションが6.20%、日本カストディ銀行の信託口が6.09%で続き、以降は保有割合5%以下で海外金融機関や国内信託銀行信託口が並ぶ。外国人株式保有比率は10 %以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役の全員が中途入社で、後述の代表取締役のほか、1821三井住友建設および子会社となった日本リージャス株式会社出身者と、監査法人出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役役社長CEOの河野貴輝氏は1972年10月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1996年4月8001伊藤忠商事入社、現auカブコム証券株式会社への出向を経て、2000年3月現楽天銀行に入行、執行役員営業本部長を務めた。その後、同社を2005年8月に設立し、以降代表取締役を務める

報告セグメント

空間再生流通事業の単一セグメント。2022年2月期第2四半期累計期間における売上高21,955百万円に対し、TKP単体の売上高が5割強、日本リージャスが4割弱を占める。TKP単体のサービス別売上高推移は下図の通り。

2021年度第2四半期決算説明会

事業モデル

遊休不動産として活用されていない物件を取得又は借上げて借手に貸付を行うビジネスおよびホテル・宿泊研修、料飲・バンケット、イベントプロデュース、BPOなどの周辺サービス事業を展開する。同社の貸会議室サービスは全国展開されており、241拠点、1,961室で全国でも最大の規模を誇る。

事業計画及び成長可能性に関する事項

宿泊サービス事業はリゾートセミナーホテルとして「LecTore(レクトーレ)」、新都市型ホテルとして「アパホテル」等の宿泊施設を展開している。「アパホテル」については2014年にアパホテル株式会社とフランチャイズ契約を締結し「アパホテル〈TKP札幌駅北口〉EXCELLENT」をはじめに、現在ではビジネス需要に対応し、会議室併設型のハイブリッドホテルとして10物件の運営を行っており、貸会議室・宴会場運営サービスと併せて提供することでシナジー効果を図っている。
同社は前述の通り、2019年5月に日本リージャス社を取得している。日本リージャス社は、もともとスイスに本社を置き、ロンドン証券取引所に上場しているIWG plc(以降IWGと呼ぶ)とその子会社であるRegus Group Limited(以降Regus社と呼ぶ)が株式を保有していた。IWGはシェアオフィス世界 No.1 ブランド「Regus」や「Open Office」、「Spaces」などの多様なブランドを展開しており、世界最大のワークスペースプロバイダーとして、グローバルに展開をしている。日本リージャス社は同ビジネスのうちの日本事業として4ブランド、全国167拠点のシェアオフィスを展開する日本のレンタルオフィス業界の最大手企業である。ソフトバンクが出資したことで話題となった「WeWork」も37拠点程度であり(2021年1月時点)、シェアオフィス業界においては、群を抜いた拠点数となっている。

事業計画及び成長可能性に関する事項

競合他社

ビジネスモデルは異なるが、遊休不動産を利用するという観点から、空きスペースの貸し手・借り手のマッチングサービスを展開する4487スペースマーケット(2020年12月期売上高804百万円)が挙げられる。

連結の範囲

連結対象の子会社が86社存在する。シェアオフィス事業を展開する日本リージャス社が55社、台湾リージャス社が13社などで構成される。

強み・弱み

全国展開し圧倒的な規模を誇る拠点ネットワークや、安定した顧客基盤などが強み。2020年2月期における売上高のうち、既存客の割合が9割を占め、リピート率が高く、業種も多岐に渡っている。また遊休不動産所有者への支払家賃のうち4割程度は変動制となっており、支払いリスクの低減を図っている。一方で、日本リージャス社を子会社化する際に有利子負債が増加したが、2021年2月期の経常損失計上によりその一部が財務制限条項に抵触した(但し金融機関からは期限の利益喪失請求権の放棄を受ける見込みとのこと)。コロナ禍以降業績は改善傾向にあるものの、資金繰りに注意が必要であると考えられる。

KPI

①施設数:427施設
②契約面積:188,961坪
③座席数:178,664席
④坪あたり売上高/月(TKP単体):29,687円(前年同期比+9,432円)
⑤全施設稼働率(日本リージャス):69.8%(前年同期比▲1.7%)
※①~③は2021年2月末時点、④~⑤は2021年8月末時点

業績

2020年2月期までは毎期20%超の連続増収だったが、2021年2月期はコロナ禍における需要低迷から一転前期比▲20.7%の減収となった2016年2月期以降営業利益率は11~12%だったが、2021年2月期は赤字となり、前述の通り、有利子負債の一部が財務制限条項に抵触した。投資にかける金額大きくフリーCFはマイナス続いていたが、2021年2月期は新規投資を抑制したとみられプラス、現金同等物15,195百万円と前期比+6,064百万円と増加している。日本リージャス社等を子会社化した2020年2月期に、有利子負債が大きく増加している。また同期に新株発行も行っている。2021年2月期の自己資本比率は28.4%

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