3284 フージャースホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1994年12月有限会社フージャースを東京都に設立。1995年1月に不動産販売受託事業をスタート。同年6月株式会社へ改組し株式会社フージャースコーポレーションに商号変更。1999年10月より自社ブランドである「デュオ」シリーズのマンション分譲販売を開始。2002年10月日本証券業協会に店頭登録。2003年10月東証二部、2004年9月東証一部へ変更。それ以降は全国各地へ支店を出店、ホテル運営事業やシニア向け事業、米国やアジアなど海外の不動産投資や管理事業へも展開し、主力の分譲マンション開発事業を中心に積極的にエリア・ターゲット・事業範囲の拡大を進める。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点での大株主は旧村上ファンド系の流れをくむヘッジファンドである株式会社シティインデックスイレブンで保有比率は33.36%。次いで代表取締役社長の廣岡哲也氏が8.81%、その他廣岡氏の資産管理会社や機関投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満である。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は3名(社内1、社外2)、監査役会設置会社である。全役員のうち、専務取締役と社外取締役2名の合計3名を除き、残り7名全員が1980年代後半にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)での勤務経験を持つ

代表取締役の経歴

代表取締役社長の廣岡哲也氏は1963年6月生まれ。慶応大学法学部を卒業後、1987年4月株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に入社。1994年12月有限会社フージャース(現フージャースHD)を設立。会社設立から9年9か月で東証一部上場まで果たしたことから、敏腕経営者として有名である。

報告セグメント

「不動産開発事業」、「CCRC事業」、「不動産投資事業」、「不動産関連サービス事業」、「その他事業」の5報告セグメントに大別され、2021年3月期第3四半期の売上高51,686百万円の構成比は不動産開発事業71.8%、CCRC事業11%、不動産投資事業8.6%、不動産関連サービス事業8.5%、その他事業0.1%である。利益は9割程度を不動産開発事業で稼ぐ。

事業モデル

不動産開発事業では「デュオ」シリーズのように、ハイクオリティのマンションを郊外に建設することで、都心のマンションよりも安価に販売することが基本のビジネスモデル。同社の開示する地方比率は81.8%と、首都圏郊外と比較して地方の取扱いが多い。2020年度のマンション販売戸数は1,057戸で、業界では概ね10番台前半にランキングされる。「フージャースホールディングス」との会社名での知名度は相応に認められるものの、マンション名の「デュオ」では知名度がやや低い。CCRC事業はシニア向けの新築分譲マンションや介護保険事業を営む。不動産投資事業ではホテルや商業ビルを中心とした収益物件の投資事業を営み、不動産関連サービス事業ではそれら物件の管理等を手掛ける。

【決算説明資料】2021年3月期 第2四半期 決算説明資料

競合他社

新築マンションの供給数では業界大手の5社 3231野村不動産ホールディングス(供給戸数4,000戸前後)や、8830住友不動産(同5,000戸超)、3254プレサンスコーポレーション(同5,000戸超)、三菱地所、三井不動産まで(同2,000戸超)と続き、同社は10~15番手を争うことが多いが、価格帯やターゲット層・立地の観点で戦略は各社各様。郊外エリアをメインに販売する先では8897タカラレーベンなどが比較対象となり得る。

連結の範囲

連結子会社は26社と多く、株式会社フージャースコーポレーション、株式会社フージャースケアデザイン、株式会社フージャースアベニュー、株式会社フージャースアセットマネジメント、株式会社フージャースリビングサービス、株式会社フージャースウェルネス&スポーツ、が主要な子会社として挙げられ、Hoosiers Living Service Vietnam Co., Ltd、Hoosiers Asia Pacific Pte. Ltd.、Hoosiers, Inc.、Vermilion Capital Management株式会社などの海外子会社も有する。株式会社フージャースコーポレーションが新築マンションの分譲事業や全国市街地再開発事業への参画を営む。

強み・弱み

千葉や埼玉と言った郊外で、駅から少し距離のある立地でバスを使用するような物件に特化している。それによりハイクオリティのマンションを相対的に安い価格で提供する。地方への進出を創業当初から進めており、他社に先駆けて郊外型のマンションデベロッパーの地位を築いている点は強みである。景気変動によって業績が左右されるのが懸念点。

KPI

同社が開示する分譲マンション・シニア向け分譲マンション・分譲戸建の戸数はKPIとなるが、数年にわたり連続性のある数値の開示がない。不動産の調達にあたり有利子負債を活用していること、不動産市況が仕入・販売に与える影響が大きいことから、更に次の2点もKPIと考えられる。
長短プライムレートやTiborの推移(日本銀行公表)
首都圏及び全国のマンション市場動向 価格・契約率・新規発売戸数の推移(不動産経済研究所)

業績

2016年3月期から2020年3月期までの業績を見ると、売上高は2.37倍、経常利益は1.96倍と、急速に業容拡大してきたことが伺える。2020年3月期実績及び、2021年3月期会社計画は、コロナ禍の影響を受け減収減益、黒字は確保されている。営業CFは業容拡大を背景に営業CFは2019年3月期までマイナス、2020年3月期はプラス、投資CFは恒常的にマイナス、財務CFは借入金の調達により基本的にはプラスだが、2020年3月期は長期借入金の返済と社債償還によりプラスであった。自己資本比率は30%前後で推移しており、財務面でも安定している。2021年3月期第3四半期末のネット自己資本比率は37.1%、流動比率は233.6%であった。