4487 スペースマーケットの業績について考察してみた

4487 スペースマーケットの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2014年1月東京都にて設立。2014年4月遊休不動産等のスペースを貸し借りできるマーケットプレイス「スペースマーケット」の運営を開始。2016年7月「スペースマーケット」にて宿泊用スペースの取扱いを開始。2018年7月ゲストが利用するスペースでのイベント運用を行える機能「スペースマーケットEVENT」をリリース。2019年12月東証マザーズに上場。2020年8月ワークスペース特化の新スペースシェアサービス「スペースマーケットWORK」をリリース。
住宅や会議室など、空きスペースの貸し手と借り手をマッチングするサービスを展開している

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の重松大輔氏が25.87%を保有。同氏の資産管理会社である株式会社ダブルパインズが12.68%を保有し、併せて38.55%を保有。そのほかに、サイバーエージェントやBIG(旧オプトベンチャーズ)等のベンチャーキャピタル、信託銀行、株式会社マイナビ、東京建物株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、うち社内1名と社外2名の計3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役の徳光悠太氏は新日本有限責任監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)やSCS国際会計事務所、株式会社ディー・エヌ・エーなどの出身者、取締役の石原遥平氏は弁護士法人淀屋橋山上合同より同社へ出向。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の重松大輔氏は1976年1月生まれ。早稲田大学を卒業後、東日本電信電話株式会社に入社。その後株式会社フォトクリエイトにて東証マザーズへの上場を経験。2014年1月に同社を設立し、現職へ就任。シェアリングエコノミー協会の代表理事も務めている。

報告セグメント

「スペースマーケット事業」の単一セグメント。2021年12月期第2四半期の売上高は503百万円、営業利益は28百万円であった。

事業モデル

スペースマーケット事業は、遊休不動産等のスペースの貸し借りのプラットフォーム「スペースマーケット」や、働くシーンに特化したスペースをオンラインで貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケットWORK」、企画、ページ作成、参加者の募集・管理、会場手配、集金決済などイベント主催者や幹事にとっての課題に対し、イベント詳細ページの作成、参加者の募集・管理、会場予約、チケット作成・決済などを一貫して取り扱えるサービスである「スペースマーケットEVENT」などを展開している。
スペースマーケットでは、インターネット・スマートフォンから誰でも簡単にスペースを時間単位で貸し借りすることができる。また、掲載スペースは全国47都道府県に渡り、2020年12月現在、14,400件を超える掲載数を有する。その種類においては、法人による利用の多い会議室・セミナー会場の他、レストラン・カフェ、スポーツ施設、住宅、映画館、廃校、お寺、お城などの多種多様の貸しスペースを掲載している。
ゲストはスペースを利用した際に、スペース料金にゲスト手数料5%が加算された金額を、利用料金として同社に支払う。同社は、ゲストが支払ったスペース料金から、ホスト手数料として基本手数料30%を差し引いた金額をホストに支払う
「スペースマーケットWORK」では、テレワーク・打ち合わせ・会議・セミナーなどの用途で、最短1時間から15分単位で借りることができる。また、オフィス家具や備品が揃ったスペースを週・月単位で契約(オンライン完結)することができ、一般的なオフィスビルの契約で必要となる敷金・礼金などの初期費用やオフィス家具の設置費用、原状復帰費用などのコストを最小限におさえながら、オフィスを開設可能である。
スペースマーケットEVENTでは、サービスの利用に対し、有料チケット販売時にチケットの金額・枚数に応じた手数料を受領する。
また、法人向けソリューションとして、「スペースマーケット」で貸し出されているスペース等から会場を選定し、イベントの企画・プロデュース、当日の運営・ディレクション等をワンストップで支援するサービスを提供している。
同社の事業領域であるシェアリングエコノミー領域では、一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した調査において、2020年度のシェアリングエコノミー経済規模が過去最高となる2兆円を超え、2030年度には約7倍の14兆円に達すると予測されている。近年、これまでの過剰生産、過剰消費が見直され、人々の消費スタイルは所有から共有へと変わってきたと同社は考えており、テクノロジーの進歩によってシェアリングの取引が手軽かつ安全に実現できるようになってきているという。これらを背景に、世の中はシェアリングエコノミーの時代へと突入したと同社は考えており、「場所のシェアリング」の代表的な事業者となる事を目指して事業を展開している。

2021年12月期第2四半期 決算説明会資料

競合他社

貸会議室大手の3479TKP(直近決算期売上高431億円)など、レンタルスペース業界では複数の競合が存在する。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

誰でも、簡単に、かつ安全・安心にスペースを貸し借りできるプラットフォームである点が強み。業界トップのスペースシェアノウハウを持つ点も強みである。同社はシェアリングエコノミーサービス市場におけるスペースシェア市場の堅調な成長を見込んでいるが、予測通りに市場が拡大しなかった場合の業績への影響が懸念される。

KPI

①月間利用スペース数合計
②月間GMV/SP(1スペースあたりの平均月間利用金額)
③GMV(プラットフォーム利用金額の総額)

2021年12月期第2四半期 決算説明会資料

業績

2016年12月期から2020年12月期までの5期をみると、売上高は224百万円から804百万円、経常利益(又は損失)は▲159百万円から▲125百万円となっている。事業拡大に伴い人件費等の経費が増加している事や、認知度向上等を目指したマーケティング投資や新規顧客の開拓・深耕等を積極的に進めた事により、2018年12月期まで赤字となっている。2019年12月期は黒字化したが、2020年12月期は新型コロナウイルス感染症拡大による売上高の減少と積極的なマーケティング投資の影響で赤字となっている。営業CF、投資CFは恒常的にマイナス。2021年12月期第2四半期の自己資本比率は63.1%。