3857 ラックの業績について考察してみた

3857 ラックの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

システム開発の株式会社ラックとエー・アンド・アイ システム株式会社が経営統合し、2007年10月にラックホールディングス株式会社として設立、ジャスダック証券取引所に上場。現在は東証スタンダード。2012年4月には子会社3社を吸収合併し、現社名である株式会社ラックへ商号変更。2013年12月、KDDI株式会社との間で業務・資本提携を強化。2022年1月に株式会社野村総合研究所と資本・業務提携を実施、同年2月には株式会社野村総合研究所とKDDI株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施。サイバーセキュリティやシステムインテグレーションを手掛ける。

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、KDDI株式会社で31.92%を保有。次いで、株式会社野村総合研究所が10.21%を保有し、以下5%未満の保有で3697 SHIFTやラック従業員持株会、株式会社ベネッセホールディングスなどが並ぶ。

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名は、2017年3月まで代表取締役社長を務めた会長の髙梨輝彦氏のみプロパーで、KDDI株式会社の出身者が2名。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員社長の西本逸郎氏は1958年9月生まれ。熊本大学を中退後、1986年に合併前の旧株式会社ラック入社。1991年4月には旧株式会社ラック取締役となる。社執行役員、取締役・CTO(最高技術責任者)などを経て、2017年4月に代表取締役に就任。株式会社ブロードバンドタワーの社外取締役も務める。

報告セグメント

「セキュリティソリューションサービス(SSS)事業」と「システムインテグレーションサービス(SIS)事業」の2報告セグメントに大別される。2022年3月期の売上高42,660百万円の構成比は、SSS事業45.4%、SIS事業54.6%である。セグメント利益は、SSS事業2,319百万円、SIS事業2,985百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は1,595百万円であった。

事業モデル

セキュリティソリューションサービス事業法人向け情報セキュリティサービスの提供が主力。企業向けのセキュリティ対策を、計画から導入・運用まで一貫して提供するセキュリティコンサルティングサービスに加え、「九州・沖縄サミット」でも活用されたJSOC(ジェイソック)と呼ばれる独自運用のセキュリティ監視センターなどを擁し、早期警戒情報の提供、サイバー保険(引受保険会社:損保ジャパン)、クラウド監視・ログ分析・次世代ファイアウォール・マルウェア検知などの製品と 、様々な関連サービスや製品を展開。
システムインテグレーションサービス事業は、法人向けシステム開発や保守などを手掛けており、基盤系システムやアプリケーションなどの開発・設計が主軸金融系システム開発に特に強く、銀行や保険などがメイン顧客だが、近年は情報サービス業・サービス業向けなど非金融系への取り組みも強化。

2022年3月期 決算説明資料

引き続き新型コロナウイルス感染症対策が求められるなか、テレワークの推進やクラウド基盤の活用など企業のデジタル化への加速はさらに進み、システム開発投資も拡大基調にある。あわせてデジタル化を推進していくなかで、サイバー脅威がクラウドや内部不正といった範囲まで広がるとともに、ランサム攻撃(身代金要求型のサイバー攻撃)の被害が社会課題化しており、セキュリティ対策需要は一層拡大するものと同社は考えている。このような市場背景のもと、セキュリティを基軸とした新サービスの開発など事業拡大に向けた取り組みを進めている。

競合他社

セキュリティソリューションサービス事業で競合する企業としては4288アズジェント(直近決算期売上高31億円)や、3042セキュアヴェイル(直近決算期売上高9億円)などが挙げられる。また、システムインテグレーションサービス事業では大小さまざまな先と競合する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社4社、持分法適用関連会社2社、その他の関係会社1社で構成される

強み・弱み

日本国内発の情報セキュリティ企業として30年以上の歴史を持ち、金融機関や官公庁など1,000団体を超える顧客を擁する点が強み。一方、取引先の情報資産に対するサイバー攻撃や情報漏えい等のセキュリティ事件が発生した場合には、同社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償の支払い等により、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性がある。

KPI

KPIとみられる具体的な開示はないが、事業別の業績や従業員数などがKPIと想定される。

2022年3月期 決算説明資料

業績

2018年3月期から2022年3月期までの5期をみると、売上高は38,432百万円から42,660百万円、経常利益は2,349百万円から1,769百万円と増収減益。子会社の事業譲渡の影響等で減収となったことに加え、事業拡大に向けた販売体制等の強化などにより減益となった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期の自己資本比率は62.3%。

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