3985 テモナの業績について考察してみた

3985 テモナの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2008年10月東京都にてTEMONA株式会社設立。2009年9月ショッピングカート付リピート通販専用WEBサービス「たまごカート」(現たまごリピート)を販売開始。2016年10月テモナ株式会社に商号変更。2018年4月「たまごリピートNext」(現サブスクストア)を販売開始。株式は2017年4月東証マザーズ上場、2019年4月東証一部上場サブスク支援の最大手

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株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役佐川隼人氏の資産管理会社、株式会社gatzで保有割合36.07%。佐川氏本人の保有割合が23.11%で、合算すると59.18%。日本カストディ銀行の信託口が7.23%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が5.09%で続き、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行(証券投資信託口)、同社元CTOの中野氏、同社元CCOの鈴木氏、国内証券会社、業務資本提携する株式会社ファインドスターが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は後述の代表取締役佐川氏のほか、株式会社ワークスアプリケーションズ出身の本多氏、監査法人出身の重井氏で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の佐川隼人氏は1980年1月生まれ。大阪工業大学高等学校卒業後に起業するもほどなく解散、2000年8月ソフトウェア開発会社に入社しプログラミングを習得。オーストラリアへの留学を経て、帰国後にフリーランスのシステムエンジニアとして起業。2008年10月に同社を設立し、以降代表取締役を務める

報告セグメント

EC支援事業の単一報告セグメント。2022年9月期第二四半期累計期間の売上高953百万円のサービス別の構成はサブスクストアが29.7%、たまごリピートが28.2%、決済手数料が29.6%、その他が12.5%。たまごリピートは後継サービスのサブスクストアに注力するため、構成比が低下している。収益区分別ではリカーリング収益が47.9%、受託開発収益が14.4%、GMV連動収益(顧客の流通総額に連動して発生する収益)が29.6%、その他収益が8.0%となっている。前年同期比ではリカーリング収益の構成比が4.3%増加した。

事業モデル

サブスクストアはサブスクリプションビジネスを管理できるBtoC事業者向けのクラウド型システム。前身サービスのたまごリピートで対応していた単品リピート通販のみならず、セット販売や頒布会販売などあらゆる販売形態および化粧品や健康食品、食品、アパレル等あらゆる商材に対応している。ショッピングカート機能、コールセンター機能、顧客管理機能、決済・出荷管理機能を有し、一元的に管理・運用が可能となるほか、分析結果に基づいた販促活動を自動で行い、購入者を適切にフォロー、リピーター化を図っていく。

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月額利用料はスタンダードプランの49,800円、プレミアムプランの79,800円、開発内容によるエキスパートプランに分かれる。月額利用料のほか、決済代行会社の手数料収入のうち一定の料率を乗じた金額が同社の収益となる。

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ECの普及率を示すEC化率はBtoCで8.08%、BtoBで33.5%と増加傾向が続き、商取引の電子化は引き続き進展していくことが見込まれる。

競合他社

個人や小規模事業者向けECプラットフォーム「BASE」を運営する4477BASE(2021年12月期売上高9,931百万円)や自社EC構築サービスを展開する4304Eストアー(2021年3月期売上高10,504百万円)、9449GMOインターネット傘下でネットショップのECサイト構築サービス「MakeShoop」を展開するGMOメイクショップ株式会社などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は2社。2022年3月に子会社化したマーケティングやWEB制作受託等を行うAIS株式会社と、同年4月に子会社化したWEBシステム開発を得意とする株式会社サックルが該当する。

強み・弱み

定期販売に特化した通販システムで、前身のサービスから10年以上の提供期間に導入企業数は1,000社を超え、業界No.1のシェアをもつことが強み。リカーリング収益の構成比が高まってきていることから、安定的な収益も期待できる。一方で同社サービスの利用企業の多くが健康食品・サプリメント、化粧品を取り扱っており、同業界の通販市場規模の動向や法規制などに影響を受ける。

KPI

①アカウント数(全サービス総数1,368:2022年9月期第2四半期、前年同期比+73)
②ARR(各四半期末日のリカーリング収益に12を乗じて算出)(910百万円:同上、YoY成長率1.8%)
③流通総額(サービス利用企業の販売総額)(379億円:同上、YoY成長率0.0%)

業績

2017年9月期以降の5期をみると、売上高は5期連続増収、その間のCAGRは21.8%だった。特にコロナ禍においてEC事業に対する問い合わせが増加し、アカウント数が大きく伸長した2020年9月期は、前期比+47.7%の増収となった。対して営業利益率は2017年9月期の24.1%から2021年9月期は19.0%に低下している。特に2020年9月期は人員拡大に伴う人件費増加、新サービス開発に伴う研究開発費の増加等から7.7%だった。営業CFのプラス幅が拡大傾向にあるが、先述の通り研究開発費の計上もありフリーCFは安定しない。自己資本比率は自己株式を取得した2020年9月期に一時低下したが、その他の期は60%台維持している。

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