4480 メドレーの業績について考察してみた

4480 メドレーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2009年6月東京都港区に設立、同年9月人材採用システム「ジョブメドレー」提供を開始。2015年には医療情報提供サービス「MEDLEY」の提供、子会社の吸収で介護施設検索サイト「介護のほんね」の運営を開始。2016年2月オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」、2018年4月クラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」、2020年9月調剤薬局窓口支援サービス「Pharms」と提供サービスを拡充させてきた。2019年12月東証マザーズへ上場。人材マッチングのサイトを中心に、様々な医療ヘルスケア関連のインターネットサービスを 提供する会社。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の瀧口浩平氏で19.30%を保有し、次いで医師であり取締役である豊田剛一郎氏が11.18%。その他は全て国内外の信託銀行等の信託口や顧客アカウントである。また、2021年1月6日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人保有比率は10%以上20%未満である

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。 社内取締役には、豊田剛一郎氏と島佑介氏の2名の医師がいる他、コーポレート本部長は弁護士で外国法律事務所出身、CFOはJPモルガン出身、他2名もグリー株式会社や株式会社リブセンスといったITサービス新興企業の勤務経歴を有する。常勤監査役はそれぞれ弁護士および公認会計士である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の瀧口浩平氏は1984年5月生まれ。創業者でありCEOとして、社長室、組織戦略推進室及び内部監査室を管掌している。メドレー設立前は、当時17歳で米国法人Gemeinschaft, Inc.を設立し、国内外の市場調査/統計調査などに従事。2019年2月にはワングローブキャピタルを設立している。
取締役で事業連携推進室長の豊田剛一郎氏は、1984年5月生まれ。東大医学部卒業後、医師としてのキャリアを経てマッキンゼーに入社し、その後当社へ参画し2015年2月より代表取締役を務めたが、2021年2月より取締役へ降格。TBS小彩佳アナウンサーとの結婚で有名となり、その後の同社上場だったため知名度向上に貢献したが、不倫報道をうけて代表権を持たない取締役へ異動となった。

報告セグメント

「人材プラットフォーム事業」、「医療プラットフォーム事業」及び「新規開発サービス」の3報告セグメントに大別される。2020年12月期の売上高6,830百万円の構成比は、人材プラットフォーム事業が5,650百万円で82.7% 、医療プラットフォーム事業が1,072百万円が15.6%、新規開発サービスが1.7%。全社費用配賦前のセグメント利益は、人材プラットフォーム事業が2,371百万円、残り2セグメントは赤字で、連結営業利益は396百万円であった。

事業モデル

人材プラットフォーム事業は、医療ヘルスケア領域における成果報酬型の人材採用システム「ジョブメドレー」を運営し、病院・診療所等の医療機関や介護・保育等の事業者へ幅広く提供する。サイト上で、求職者と求人事業者が面接前にコミュニケーションをとれる点が最大の特徴で、一般的に人材紹介サービス企業が両者の間に担当者を付けて調整する内容をシステム上で直接行える仕組みで、人的コストがかからない為低コスト構造を実現し、採用時の成果報酬も入職者の2~13%と人材紹介業界比で安価に抑える。医療ヘルスケア領域の労働従事者のうち25%を占める医師・看護師・薬剤師だけでなく、それ以外の残る75%の職種についても幅広く求人を取り扱い、日本最大級である。
医療プラットフォーム事業では、日本最大級のオンライン診療システムである「CLINICSオンライン診療」を中核として、診療所向け電子カルテ「CLINICSカルテ」、病院向け電子カルテ「MALL3」など、患者と医療機関の双方にとってテクノロジーの恩恵を受けることのできるSaas型のプラットフォームづくりに注力する。医療辞典として病気・薬・病院を検索可能な医療情報サービス「MEDLEY」など、生活者に向けた適切な情報提供の領域にも取り組む。両事業ともに自社のプラットフォーム使用による手数料収入が主たる収益源である
新規サービスは10万件以上の介護施設情報を掲載するサービスで、介護施設の紹介による手数料収入が主である。各種疾患を伴った患者の医療ケア受け入れ体制を充実させていることが特徴。

競合他社

競合他社はインターネットを活用した医療ヘルスケア情報サービスを展開する企業で複数存在し、子会社のエムスリーキャリア株式会社で医師・薬剤師を対象とした人材紹介/求人サービスを提供する2413エムスリー (2020年3月期売上収益130,973百万円)、介護・医療業界の人材サービスで最大手の2175エス・エム・エス (2020年3月期売上高35,140百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社1社のみ(NacLメディカル)であり、非連結子会社および持分法適用関連会社は存在しない。

強み・弱み

成長性の高い医療事業で積極的に事業展開してきたことで、国内の医療ヘルスケア領域の事業所の約20%である21.6万件の顧客を有している点が強みである。一方で、競合も多くデジタル化の普及とともに新たなサービスが参入しやすい事業領域であることや、取締役豊田氏の不倫騒動のようにカリスマ性の高い取締役勢によるスキャンダルが株価に与える影響等のレピュテーションリスクが大きいことは懸念点である。

KPI

顧客事業所数:2020年12月期末 顧客事業所数は21.6万 (前期末比+19.1%
ジョブメドレー登録会員数:85.9万人(2019年12月末 58.3万人、約1.47倍)
ARPU: 2020年12月期第4四半期の3か月7,395円 (前年同期比+25.5%

2020年12月期 通期決算説明資料

業績

上場後間もなく、2019年12月期と2020年12月期の2期のみの開示だが2020年12月期は前年同期比+47%と高い売上高成長率で、積極的な成長投資を継続しながら経常利益も2.3倍、EBITDAは2.1倍と大幅な増収増益。同社は積極的にM&Aを展開することを掲げておりEBITDAを重視している。デジタル活用機運の急速な高まりを踏まえ、海外公募による資金調達を実施し調達額:5,440百万円となっている。自己資本比率は62.6%であった。