3683 サイバーリンクスの業績について考察してみた

3683 サイバーリンクスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1956年5月に村上テレビサービスステーション創業、テレビの組立・修理を行う。その後、松下通信工業株式会社の代理店としてタクシー無線、サービス無線、自動車機器の取扱を開始するとともに、1964年5月に株式会社南海無線として法人化、1974年10月には南海通信特機株式会社へ商号変更。1993年11月より松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)系の代理店として、エヌ・ティ・ティ関西移動通信網株式会社(現株式会社NTTドコモ)向け携帯電話機を販売。以降、和歌山県内で「ドコモショップ」を展開する。2000年1月に、南海オーエーシステム株式会社(1982年4月設立)、関西中部リテイルネットワークシステムズ株式会社(1988年10月設立)、株式会社エムディービーセンター(1999年4月設立)の3社を吸収合併すると同時に、現商号の株式会社サイバーリンクスとなる。さらに2001年12月より、西日本リテイルネットワークシステムズ株式会社、北日本リテイルネットワークシステムズ株式会社、東日本リテイルネットワークシステムズ株式会社から流通業向けデータ処理サービスを事業譲渡。2014年12月に東証JASDAQ上場、2015年3月に東証二部へ、同年10月には東証一部へ市場変更。食品流通業及び官公庁等の顧客向けに基幹業務システム等のクラウドサービスを提供する他、移動体通信機器の店舗販売が主たる事業

株主構成

有価証券報告書によると、2020年12月末時点での筆頭株主は代表取締役社長である村上恒夫氏の資産管理会社と見られる株式会社サイバーコアで23.25%保有。次いで村上氏の個人名義が6.59%、従業員持株会が4.28%、取締役会長の上岡兼千代氏が2.71%。以下は金融機関の他に、同社と取引上の関係があると推測される西日本電信電話株式会社、和歌山県、パナソニック関連会社、日本電気株式会社も名を連ねる。なお、法人名義を含めた村上氏の実質的な保有率は約30%に及ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は10名(社内7名、社外3名)、うち3名は監査等委員(1名は常勤で社内、他は非常勤で社外)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、現子会社の株式会社南大阪電子計算センター出身者、吸収合併前の各社出身者、前述の北日本リテイルネットワークシステムズ株式会社出身者が5名を占める。他1名は、株式会社整理回収銀行(現株式会社整理回収機構)出身。社外取締役は、パナソニック株式会社顧問、和歌山県元職員、公認会計士で構成。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の村上恒夫氏は1947年11月生まれで創業者の実子。大阪大学卒業後の1970年4月に、松下電器産業株式会社(現パナソニックシステムネットワークス株式会社)入社。1979年10月に同社入社、専務取締役及び代表取締役専務を経て、1993年11月より現職

報告セグメント

「ITクラウド事業」ならびに「モバイルネットワーク事業」の2セグメントで構成される。有価証券報告書によると、2020年12月期における売上高12,778百万円の構成比は、ITクラウド事業が78.4%、モバイルネットワーク事業が21.6%であった。また、同期のセグメント利益1,219百万円の構成比は、ITクラウド事業が71.4%、モバイルネットワーク事業が28.6%であった。売上高、セグメント利益の両面でITクラウド事業が主力事業となる。

事業モデル

主力のITクラウド事業は、クラウドコンピューティングの活用によって在庫管理の効率化と省コストを図るソフトウェアの販売事業である。食品小売業向けサービスでは、基幹業務クラウドサービス『@rms基幹』をはじめとする『@rms』シリーズが主力。大手食品卸売業に対しては、受発注、決済、出入荷などの商取引情報を企業間で送受信するEDI等を提供している。これら顧客へのソフトウェアの導入、保守、運用サポートの各段階における、サービスに対する対価が収益源となる。『@rms基幹』は、ボランタリーチェーンの株式会社シジシージャパン推奨システムとして、『みんなのCGCシステム』とも呼ばれる。
また、同事業は地方自治体の防災無線など、官公庁向け通信システムの施工・保守も担当している。
なおモバイルネットワーク事業では、株式会社NTTドコモの一次代理店であるコネクシオ株式会社と契約締結した二次代理店として、ドコモショップ7店舗を和歌山県内で展開する。

2020年12月期決算説明会資料

競合他社

2492 (株)インフォマートが、食品業界向け受発注管理システムなどを扱う「BtoB-PF FOOD事業」を主力とする点で競合。売上高8,777百万円、営業利益1,472百万円、経常利益1,458百万円(2020年12月期)。同社の売上高、営業利益、経常利益はそれぞれ12,778百万円、925百万円、952百万円(2020年12月期)と、売上高では同社が上回るものの、利益面では(株)インフォマートが勝る

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社1社で構成される。子会社である株式会社南大阪電子計算センターの担当事業は主にソフトウェア保守で、売上高の連結売上高に占める比率は19.2%(2020年12月期)。

強み・弱み

在庫管理向けクラウドサービスの需要急増の波に乗って、売上を伸ばしている点が強み。クラウド小売基幹系システムでは導入実績No.1で、加工食品卸の売上高上位10社中7社や大手メーカーへも導入されている。一方、ソフトウェア開発に不可欠なニーズ予測を誤った場合には、競合他社にシェアを奪われやすい点はリスク。コスト削減に取り組んでいるものの、競合他社に比較して収益性が低い点は課題である。

KPI

ソフトウェア導入実績、導入価格、保守費用などが主要なKPIと見られる。
・『@rms基幹』導入店舗数 1,205店(2020年実績)。

2020年12月期決算説明会資料 P.16

業績

直近5期ほど、売上高は緩やかな増加傾向にある一方で経常利益は伸び悩んでいたが、2020年12月期は増益。同期は、売上高12,778百万円(前期比+22.3%)、営業利益925百万円(前期比+105.5%)、経常利益952百万円(前期比+106.4%)であった。2016年12月期比で、売上高は1.37倍、経常利益は1.6倍となった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFはマイナスで推移していたが2020年12月期はプラス。直近決算期の自己資本比率は49.5%。