9360 鈴与シンワートの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1947年5月セメント荷扱会社の新和運輸株式会社として設立。倉庫業、港湾運送事業などに業務を拡大し、1963年6月東証二部へ上場。1975年6月スリー・エス・シンワ株式会社へ社名変更。1989年10月株式会社シンワートに再度の社名変更。1993年12月鈴与グループ入り。1994年10月鈴与シンワート株式会社へ社名変更。2005年7月株式会社エヌ・ティ・ティ・データを引受先とする第三者割当増資を実施、現在も引続き株主。2008年4月データセンター事業開始。ICTソリューションを中心としたSIer事業や、物流事業を営む

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、鈴与システムテクノロジー株式会社11.6%、鈴与興産株式会社11.0%、株式会社ENEOSウイング8.9%、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ6.7%。そのほか、鈴与グループ企業や従業員持株会、銀行や信託銀行などが並ぶ。

取締役会

取締役は12名(社内10名、社外2名)、うち3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役の経歴は様々で、日本電気、五洋電気、東芝、日本電信電話、日本アイ・ビー・エム、日本ソフトウェア開発など、大手企業の出身者が多い。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の德田康行氏は1956年4月生まれ。早稲田大学を卒業後、日本開発銀行(現株式会社日本政策投資銀行)に入社。その後2009年5月より鈴与ホールディングスへ入社し常務取締役を経て、2018年10月より同社顧問、副社長、を経て2019年6月に現職へ就任。鈴与システムテクノロジー株式会社の取締役も兼任。

報告セグメント

「情報サービス事業」、「物流事業」の2報告セグメントに大別され、2021年3月期第3四半期の売上高10,123百万円の構成比は情報サービス事業76.7%、物流事業23.3%である。セグメント利益は、情報サービス事業677百万円、物流事業384百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は55百万円であった。

同社HP TOP>事業紹介

事業モデル

情報サービス事業は、ソフトウェアの受託業務を行う「システムインテグレーション」と、コンサルティングからシステム開発、パッケージソフトウェアの導入、さらに運用保守、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)までをICTソリューションによって提供する「ソリューションサービス」を行う。2005年7月より株主のエヌ・ティ・ティ・データの2次請けや、取締役の出身企業であるNECグループなどが主要顧客と見られるが、売上高の10%を占める特定の販売先はいない。
物流事業は、倉庫事業、港運事業、陸運事業を行っており、主に連結子会社である鈴与シンワ物流株式会社が行う。

2020年3月期 有価証券報告書 事業内容

同社によると、主力のSIer事業を取り巻く環境として、景気後退による企業のIT投資の先送りや抑制の動きが見られるものの、コロナ社会に対応していくため、企業に限らず行政からもITを活用したサービスやソリューションへの需要が高まっている。また、デジタル技術を駆使したビジネスプロセスや業務プロセスの変革といったDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みも加速している。

競合他社

SIerや物流事業者は、それぞれの複数の競合企業が存在する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社2社、関連会社3社で構成され、情報サービス事業を行う2社(同社及び持分法適用の関連会社である株式会社インタークエスト)、物流事業を行う4社(連結子会社である鈴与シンワ物流、シンワ運輸東京株式会社、持分法適用の関連会社である株式会社ニップンロジス、丸大トラック)である。

強み・弱み

グループ企業内で培った豊富な業務経験と、様々な業界の企業との連携によって育んだノウハウをもとにしたサービスが強み。強い特徴を持つ

KPI

KPIとみられる具体的な開示はないが、情報サービス事業では各サービスの受注数など、物流事業では、倉庫事業における入出庫数量や回転数、港運・陸運事業における貨物量などがKPIと考えられる。

業績

2016年3月期から2020年3月期の過去5期を見ると、売上高は12,860百万円から14,653百万円と安定推移。経常利益は278百万円から368百万円となっているが、2019年3月期に電気料金の高騰に伴う大幅原価増の影響などもあり、前期比で大幅減となっている。営業CFの拠出は期によってばらつきがあるものの、恒常的にプラス。投資CFは恒常的にマイナスではあるが、過去5期の営業CF合計額4,334百万円に対して投資CF合計額は1,196百万円と少なめ。自己資本比率は20%前後で推移。