4449 ギフティの業績について考察してみた

4449 ギフティの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

店舗で商品やサービスと交換することができるeギフト(電子チケット)サービスの提供を目的とし2010年8月に株式会社ギフティとして神奈川県にて創業。2011年3月には同社の主力であるカジュアルギフトサービス「giftee」の提供を開始。2012年から東京に本社を移転。2014年1月にはeギフト発行システム「eGift System」、2016年4月には法人向けの「giftee for Business」、2016年10月には電子地域通貨サービス「Welcome! STAMP」の提供を開始、2021年3月に体験ギフトの販売をするソウ・エクスペリエンスを完全子会社化。eギフト関連事業を主軸として急速に成長している。2019年9月、東証マザーズへ上場。2020年12月、東証一部へ変更。

2020年12月期決算説明資料

株主構成

2020年12月末時点の有価証券報告書によると、大株主は代表取締役CEOの太田睦氏が19.2%、株式会社メディカルノート代表の梅田裕真氏が6.4%、代表取締役COOの鈴木達哉氏が5.3%となっており、以下信託銀行の信託口などの株主が並ぶ。大量保有報告書では、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社が6.3%、アジア専門投資ファームで高成長割安投資で著名なクープランド・カーティフ・AMが6.8%などの保有も見られる。また、新たに子会社化したソウ・エクスペリエンス株式会社役職員向けの新株予約権の発行が公表されているが、増加する株式数は発行済株式総数の0.2%である。外国人株式保有比率は30%以上。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。CEOとCOOの他2名の社内取締役は、、アクセンチュア出身者のCTO柳瀬文孝氏野村證券からオリックスでの経歴を有すCFO藤田良和氏、。社外取締役の中島真氏もCEOの太田氏とアクセンチュア在任期間が被っていたとみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役CEOの太田睦氏は1984年12月生まれ。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、アクセンチュア株式会社に入社。官公庁向けの大規模システム開発を経験。その後2010年8月に同社を設立し、現職である代表取締役CEOに就任した。2021年3月よりソウ・エクスペリエンス株式会社の社外取締役も務める。
代表取締役COOの鈴木達哉氏は1985年7月生まれ。一橋大学経済学部卒業後、株式会社インスパイアに入社。新規事業・ベンチャー支援などを経験。2012年の同社取締役就任を経て、2020年3月に現職である同社代表取締役COOに就任。2021年3月よりソウ・エクスペリエンス株式会社の社外取締役も務める。

報告セグメント

「eギフトプラットフォーム事業」の単一セグメントであるが、売上・販売実績などは主要サービスを中心に「gifteeサービス」「giftee for Businessサービス」「eGift Systemサービス」「地域通貨サービス他」の4つに細分化される。2020年12月期の売上高3,082百万円の構成比はgifteeサービス5.1%、giftee for Businessサービス45.8%、eGift Systemサービス10.7%、地域通貨サービス他38.4%となっている。

2020年12月期決算説明資料

事業モデル

社名であるeギフトサービス「giftee」は、同社設立のきっかけでもあるカジュアルギフトサービス。個人利用者がインターネットを通じて少額の商品やサービスをプレゼントすることができ、住所を知らない相手にも送ることができる。贈り主によってeギフトが購入された時に当該eギフトの発行企業から販売手数料を受け取るビジネスモデル。
「giftee for Business」は「giftee」の法人向けサービスで、顧客である法人が自社のキャンペーンなどで利用者にギフトや特典を付与する際に利用できる。同サービスではメールやSNSで利用者にサービスを提供できるためコストの削減につながる。主要4サービスの中で最も売上構成比が高い同社の主力事業となっている。
「eGift System」は、飲食・小売店などが自社でeギフトを流通・管理することができるサービス。自社ホームページや「giftee」を通じてeギフトを販売できる他、店舗で利用できる電子クーポンとして活用することもできる。
「Welcome! STAMP」は地域通貨関連事業を担う成長著しいサービス。特定の地域のみで使える通貨や商品券を、スマートフォンなどを利用して流通させることができる。自治体や地方銀行などが主な顧客であり、「Go To トラベル」事業でも活用された実績を持つ。
メインターゲットとするカジュアルギフトの市場規模は約6兆円とも言われており、同市場のデジタル化において、同社が中心的役割を果たしていくことが見込まれる。また、新たに子会社化したソウ・エクスペリエンス株式会社が得意とする体験型ギフトの利益貢献も、今後の課題になるとみられる。

2020年12月期有価証券報告書

競合他社

一部分野においては潜在的に他社と競合し得るものの、カジュアルギフトサービスを主事業とする国内上場企業は見当たらない。

連結の範囲

2021年に新たに子会社化したソウ・エクスペリエンス株式会社とマレーシアに拠点を持つ海外子会社の計2社が連結子会社に該当するソウ・エクスペリエンス株式会社は体験型ギフトの販売を手掛ける。マレーシアの海外子会社はeギフトプラットフォーム事業を展開する。

強み・弱み

eギフト個人利用者数160万人以上、流通額100億円など、eギフトのプラットフォーマ―として確固たる地位を築いている点が最大の強み。インターネットを利用する事業の性質上、システム障害のリスクを内包し、仮にシステム障害が発生した場合には、サービスの提供停止の恐れや社会的評価が低下する可能性がある。

KPI

2020年12月期の主要KPIは以下のとおり。
①流通額100億円(前年同期比+4.1%)
②gifteeサービス会員数161万人(前年同期比+17.5%)
③giftee for Businessサービス eギフト利用企業(DP)数414社(前年同期比+13.4%)
④eGift Systemサービス eギフト発行企業(CP)数144社(前年同期比+61.8%)

業績

2018年12月期より前の連結財務諸表が公表されていないため、2016年12月期から2020年12月期まで過去5期分の同社単体の経営状況をみると、売上高は大きく増加し170百万円から3,076百万円へ約18倍となっている。営業利益も大きく伸びており、2020年12月期は1,106百万円と前期比+105.7%となった。営業・財務CFはプラスで、投資CFはマイナス傾向2020年12月期の自己資本比率は70.0%であった。