3851 日本一ソフトウェアの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1993年7月、岐阜県にて有限会社プリズム(現有限会社ローゼンクイーン商会)の営業業務を分離し、有限会社プリズム企画を設立。1994年11月に有限会社プリズムの開発業務を移管、同時に有限会社日本一ソフトウェアに商号変更した。1995年7月には株式会社に組織変更。2005年6月に東証ジャスダックへ上場。ゲームソフトメーカーとして事業を展開している。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、取締役会長の北角氏が代表を務め、同社の設立母体である有限会社ローゼンクイーン商会で保有割合36.88%。次いで取締役会長の北角浩一氏が9.50%を保有し、以降は保有割合5%以下でSBI証券、野村證券、地元金融機関、個人、同社代表取締役などとなっている。また2020年6月26日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10 %未満である

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役はサン電子出身の創業者、プロパー入社の現代表取締役、株式会社トーシン、三菱電機中部コンピュータシステム株式会社出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の新川宗平氏は1973年7月生まれ。 1996年4月同社に入社。2002年6月、取締役企画営業部長就任、その後取締役エンターテインメント事業部長、取締役開発部長、常務取締役開発部長を歴任後、2009年7月代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

コンピュータソフトウェアの開発・製造・販売の単一セグメント。売上内訳の開示はされていないが、家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、スマホ向けなどのコンテンツ制作を行う他、北米、欧州、アジアへ販売するためのローカライズや他社発売タイトルの開発受託、アミューズメント施設の運営等を行っている。

事業モデル

ゲームソフトやオンラインゲームは自社通販サイトや委託先およびプラットフォーマーへの販売を通じ、最終ユーザーへ販売される。看板商品は全世界でシリーズ累計450万本以上を売り上げた「魔界戦記ディスガイア」。2021年3月期売上高3,331百万円の主要販売先売上割合は、任天堂が15.4%、Sega of America, Incが12.4%、株式会社セガゲームスが10.2%、Sony Interactive Entertainment America LLCが10.1%販売地域別の割合は、日本34.0%、北米45.1%、欧州20.1%、アジア0.8%だった。
ゲーム業界はコロナ禍の外出自粛により自宅におけるゲーム需要が増加した半面、関連商品の生産・出荷に遅延が生じている。その様な中、次世代ゲーム機「プレイステーション5」の発売やeスポーツの台頭、Apple社やGoogle社がサブスク型ゲームサービスを開始するなど様々な展開がみられている。

競合他社

ゲームソフトの企画・開発の競合として、3723日本ファルコム(2020年9月期売上高2,496百万円)3635コーエーテクモホールディングス(2020年3月期売上高12,990百万円)9697カプコン(同81,591百万円)、9766コナミホールディングス(同262,810百万円)などが挙げられる。尚、2020年総販売本数において同社は29位に位置している。(週間ファミ通調べ)

連結の範囲

連結子会社6社で、うち国内3社はコンピュータソフトウェアの開発、製造、販売、および学生寮の管理をおこなっている。海外3社のうち米国、ベトナム拠点の2社はソフトウェア関連業務を、シンガポール拠点の1社は投資有価証券の管理を業務としている。

強み・弱み

「最もシミュレーションRPGを発売した会社」としてギネス認定されるなど、RPGのジャンルでは一定の知名度を有することが強み。またRPGのみならず「囲碁」、「将棋」のようなボードゲームのスマホアプリも開発、販売しており、幅広い年代をターゲットとしている。一方で特定ゲームタイトル(「ディスガイア」シリーズ)および特定販売先に依存がみられることが課題。また家庭用ゲーム機の普及動向、中古ソフト市場や違法コピー商品の拡大などが同社業績に影響を及ぼす可能性がある。

KPI

①家庭用ゲーム市場規模(2020年3673.8億円、昨年比112.5%、ファミ通調べ)
②発売ゲームタイトル数(2020年3月期は家庭用ゲームソフト7タイトル、スマホアプリ10タイトル)
③グループの開発人員(2020年3月時点120名)
④為替(米ドル、ポンド、ユーロなど)

業績

直近5か年(2016年3月期~2020年3月期)の同社売上高は3,000百万円台~4,000百万円台。主要ゲームタイトルの発表時期や件数により変動がある。売上高同様、利益も変動が大きく、同期間の経常利益は300百万円台~700百万円台だった。自己資本比率は70%前後で、借入金は2020年3月期における借入金は短期のみ430百万円だった。