6030 アドベンチャーの業績について考察してみた

6030 アドベンチャーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年10月東京都において旧株式会社アドベンチャーを設立。2006年12月旧株式会社アドベンチャーの子会社として株式会社サイバートラベル(現 同社)を設立。2008年6月オンライン旅行予約サイト「skyticket」運用開始。2013年6月経営の効率化を目的として旧株式会社アドベンチャーを吸収合併後、社名を株式会社アドベンチャーに変更。2014年9月多言語オプショナルツアーサイト「WannaTrip」運用開始。2014年12月東証マザーズに上場。旅行商品の仕入れ販売やギフトカードの店舗販売、スポーツアパレル等の学校関係者への販売、投資事業などを営む。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の中村俊一氏で67.95%を保有。また、第3位の株式会社中村及び第7位のロンバー・オーディエ信託株式会社は、同氏が実質株主として保有しており、併せて71.75%の保有となっている。そのほかに、国内外の信託銀行や、楽天証券株式会社、個人投資家等が並ぶ。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役の中島照氏は、ハーベストフューチャーズ株式会社、ケイ・アンド・カンパニー株式会社、Klab株式会社等の経歴を有する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の中村俊一氏は1982年12月生まれ。慶應義塾大学を卒業後、旧株式会社アドベンチャーを設立し、代表取締役に就任。2006年12月に同社を設立し、現職へ就任。2010年9月にビッグハートトラベルエージェンシー株式会社の代表取締役へ就任、2020年6月に株式会社ギャラリーレアの取締役へ就任している。

報告セグメント

「コンシューマ事業」、「投資事業」の2報告セグメントに大別される。2021年6月期第3四半期の収益28,243百万円の構成比は、コンシューマ事業が100%。投資事業はセグメント損失であった。コンシューマ事業のセグメント利益は1035百万円であり、投資事業のセグメント損失▲69百万円を差し引くと、営業利益は965百万円であった。

事業モデル

コンシューマ事業は、旅行商品やサービスの提供、リユース商品及びスポーツアパレル等の販売を行っている
旅行商品やサービスの提供においては、航空券等の旅行商品の比較・予約サイト「skyticket」等を中心に運営。「skyticket」では、国内及び海外の格安航空券のオンライン予約、「横断検索」機能による世界中の航空券の検索、日本国内の空港発着以外の航空券の購入(発券)が可能である。直近では、Googleの検索結果などGoogleのプラットフォーム上でホテルやフライトの予約を完結できる「Book on Google」というサービスと連携し、「skyticket」のサイトへの遷移する必要なく検索・予約・支払いを完了可能となった。同社が日本で初めてBooking on Google上で航空券の提供を開始することとなった。
リユース商品の販売においては、顧客へのアクセスがしやすいターミナル駅に出店を行っており、JR等の割引乗車券や商品券等を中心に販売している。実店舗は21店舗(2020年6月末時点公表数値、その後不採算店舗の閉鎖等あったもよう)。商材としては、商品券やギフト券等の前払式支払、鉄道やバス等の切符類、切手・はがき・印紙類、株主優待券、興行・レジャー券等、3千種類以上。チケットレス化や電子マネー化が進み、株主優待券や、業界としてはまだ少ない比率であるレジャー券を含め商材拡大の余地は十分残っているという。
スポーツアパレル等の販売においては、体操服、野球、サッカー等のチームユニフォームをメイン商品として販売しており、学校関係者が主なエンドユーザーとなっている。
投資事業では、将来性があり、キャピタルリターンの期待できるビジネスや企業への投資を行っている。

2021年6月期第3四半期 決算説明会資料

同社事業を取り巻く経営環境は、国内旅行者数が大幅に減少するなど、非常に厳しい状況となっている。回復の兆しも見られるが、依然として先行き不透明な状況が続いている。

競合他社

7048ベルトラ(直近決算期売上高8億円)、3926オープンドア(直近決算期売上高11億円)、6191エアトリ(直近決算期売上高212億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社12社の合計13社で構成され、コンシューマ事業及び投資事業を行う。

強み・弱み

インターネットやソーシャルメディアに対する技術力とマーケティング力を駆使して、「Skyticket」の一定の知名度とシェアを有していると見られることが強み。航空会社は、同社のような旅行業者を通じて航空券を販売する際、旅行業者に対して一定のコミッションを支払うが、近年は航空会社自身で航空券の販売を行う割合を高めている。将来的に、航空会社により支払われるコミッションが変更される可能性が懸念されている。新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、黒字を維持できており、洋服等のレンタルサイト「EDIST.CLOSET」を運営する子会社株式会社EDISTをダスキンへ売却するなどの事業整理や銀行からの資金借り入れやコミットメントライン契約を進めるなど、矢継ぎ早に対応することで事業基盤の再構築が進んでいるように見られる点は評価できる。2021年6月期の減収増益予想についても本記事執筆時点で業績予想変更の開示はない。

KPI

2021年6月期第3四半期におけるKPIは下記(グラフ開示)。いずれもコロナの影響を確認すべく月次ベースの開示のため、年次開示の⑥のみ下図参照。
①国内航空券 取扱高・申込件数
②海外航空券 取扱高・申込件数
③ホテル 取扱高・申込件数
④レンタカーグロス取扱高、レンタカー申込件数
⑤ツアー 取扱高・申込件数
⑥人員推移

2021年6月期第3四半期 決算説明会資料

業績

国際会計基準(IFRS)へ移行後に開示されている2018年6月期から2020年6月期までの3期をみると、売上高は18,752百万円から49,627百万円、税引前当期利益は498百万円から351百万円となっている。新型コロナウイルス感染拡大を受け、直近期は売上高が減少しているが、徐々に回復も見られる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年6月期第3四半期における親会社所有者帰属持分比率は22.6%。